Jobs氏の発表を受け、アナリストの予測は分かれたが、バンパーを製造するのに必要なコストは3〜5ドルと考えられている。ケース1つあたりの製造コストが5ドルで、Appleが今から2011年の夏までに3600万台のiPhone 4を販売すると仮定すると(Piper JaffrayのGene Munster氏が16日に仮定した内容)、総コストは約1億8000万ドルになる。Appleは2009会計年度に57億ドルの純利益を記録しており、その数字は2010年にさらに増加すると見られている。
受信感度問題が現在の携帯電話で重要になり得ることを、Appleが積極的に認めていることも伝わってくる。Jobs氏は16日の記者会見で多くの時間を費やして、本体を特定の持ち方で握ると電波が弱くなる問題はすべての携帯電話で発生し得ることを指摘し、この不満が現実の世界でいかに広まっているのかに関して、背景を補足しようとした。
しかしAppleは、現実から目をそらして何も問題はないと言い張るのではなく、顧客をなだめるために批判を受け入れた。もっと具体的に言うと、アーリーアダプターをなだめるためだ。契約満了までiPhone 4の購入を控えていたメインストリームの消費者は、不景気な夏に多くのウェブサイトを埋め尽くした今回の騒ぎのことを覚えてさえいないかもしれない。
今回の結果に満足しない人も出てくるだろう。そういう人は、iPhone 4が少なくとも米国において不安定なサービスで悪名高いネットワークでしか使えないことを考えると、なおさらAppleはこうした問題を抱える携帯電話をそもそも販売するべきではなかった、と主張するはずだ。
Jobs氏は明らかに今回の結果に満足していなかった。Jobs氏は会見中に憤慨した声で、この問題は実際よりも大げさに取り上げられていると何度か不満を述べ、「企業が成長すると、人々はその企業を破壊したいと思うようになる。わたしはそれがGoogleに起こるのを目撃した。そして今、そうした人々の一部がAppleに襲いかかっている」と嘆いた。
しかし、最終的にそれは本当に重要なことではない。Jobs氏は不満をこぼしながらも(そして、同氏の主張のいくつかは妥当なものである)、批判を受け入れ、先へ進んだ。それは、Appleとその従業員、株主、顧客にとって正しい選択だった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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