「コンテンツミル」への懸念--問われるウェブの品質 - (page 2)

文:Caroline McCarthy(CNET News) 翻訳校正:川村インターナショナル2010年07月12日 07時30分

 ICSC議長のTim Duncan氏は、7月6日に行った米CNETとのインタビューで、「『コンテンツ』という単語は非常に意味が広く、具体的なものを指すものではない」と語り、ごく予備的な第一段階として、タスクフォースの取り組みの焦点を、意見記事ではなく、「事実に関する」コンテンツ、つまりニュース中心のコンテンツに絞ったと説明した。「コンテンツミルでは、企業による運営方法を記述しているかどうかはともかくとして、1つのテーマを深く追うことはせず、Wikipediaからの引用を2つ持ってきて、そこに署名を付けている可能性がある。その同じ記事が、いわゆる『リンクベイト』になるよう意図的に設計されているために、サーチエンジンで上位に表示されているとしたら、それに対処することは可能なのだろうか」(Duncan氏)

 ICSCの会員企業のうち、Reuters やProcter & Gambleなど約10社は、コンテンツミルモデルによって起こり得る問題への最善の対処方法について、対話を始めることに関心を寄せている(米CNETの運営元CBS InteractiveもICSCの会員)。コンテンツミルモデルによって、ジャーナリストの報酬が引き下げられるという問題が起こる可能性がある。同時にジャーナリストは、質が低くて、リサーチが不十分な記事を量産するよう促される(Duncan氏は「人々は、家賃を払うためだけに、そうした記事を1時間で3本のペースで量産する必要があるようだ」としている)ため、パートナーサイトがシンジケート配信をしたがらず、広告主は隣にコンテンツを掲載したいと思わなくなるおそれもある。広まっているメッセージは、「このコンテンツは信用できない」というものだ。

 「ブログで、『正確さは重要ではない。なぜなら多くの情報源があり、ユーザーは1つの情報源だけを利用するわけではないからだ』と主張している人がいた。わたしはそれに反論したい。あるサイトを閲覧して、そこに書かれている内容に間違いや正しくない表現があったら、そのサイトを二度と訪問しないと思うかもしれない」(Duncan氏)

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