FCCのインターネット規制計画--難色を示す米議会と通信業界 - (page 2)

文:Marguerite Reardon(CNET News) 翻訳校正:川村インターナショナル2010年06月02日 07時30分

 米連邦控訴裁判所が4月、FCCは同委員会のネット中立性原則に違反したComcastに制裁措置を取る権限は有していないとの裁定を下したことから、今回の騒動は始まった。Comcastは同社のネットワーク上でBitTorrent転送を減速させていたことが分かっている。

 現在、ネット中立性に関する新しい公式規定の草案を作成中のFCCは、その裁判所の裁定について、FCCはネット中立性に関する規則を守らせる権限や、Universal Service Fund(USF)のようなプログラムで鍵となる変更を施す権限を有していると考えていたが、実際にはそうではなかった、という意味に解釈している。

 FCCが依拠する法的根拠をより強固なものにするため、Genachowski氏は同氏が「第3の道」と呼ぶブロードバンド規制方法を考え出した。この第3の道は、FCCがブロードバンドの分類をTitle I information services(第1編:情報サービス)からTitle II telecommunications services(第2編:情報通信サービス)に変更することを求めている。FCCはこの変更を実行することで、ブロードバンドプロバイダーが加える制限から消費者とインターネットコンテンツプロバイダーを保護する規則を策定し、施行する権限を得られると考えている。

 FCCによると、Title IIのすべての規則をブロードバンドに適用するべきではない、ということは同委員会も理解しているという。そのため、Genachowski氏はこの「第3の道」で、Title II規定の一部の側面からブロードバンドを免除することを提案している。例えば、ブロードバンドプロバイダーは自社のインフラストラクチャを競合他社と共有することを強制されることはなく、政府がサービスの価格設定を規制することもない。

 しかし、ブロードバンドプロバイダー、すなわちAT&TとVerizon Communicationsはこうしたアプローチに懐疑的だ。両社は、ブロードバンドトラフィックの分類変更は将来的にインターネットの規制拡大につながる可能性があると考えている。新規則に関する不確実さや、それらの規則が採用された場合に提起されるであろう訴訟によって、市場には不確実さが蔓延し、ブロードバンドインフラストラクチャおよびサービスへの投資が鈍化してしまうだろう、と両社は主張する。両社は、再分類によって革新が阻害され、多くの米国人が職を失うと考えている。そして、ここ20年間に見られたインターネットの爆発的成長は停止してしまうだろう、と両社は主張する。

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