スマートグリッドは消費者に受け入れられるか--実用化への課題 - (page 2)

文:Martin LaMonica(CNET News) 翻訳校正:川村インターナショナル2009年07月22日 07時30分

 Olnick氏は、例えばどの家電製品が最も電力を消費するかなど、消費者に使用状況のより詳細な情報を提供することは、消費者の役に立つという。節約方法を見つける助けになるからだ。しかし同氏は、今後も消費者の関心と関与を維持するためには、さらにスマートグリッド家電を増やす必要があると言う。

ピークシェービング

 スマートグリッドテクノロジは各家庭における電力消費量の節約に加えて、電力網全体に利益をもたらすはずだ。例えば、エネルギーフローを今よりもコントロールできるようになれば、風力発電や太陽光発電をもっと利用できるようになる。

 電力会社と監督機関はとりわけ「ピーク負荷」の低減に懸命になっている。ピーク負荷は一般的に、午前中と午後遅くから夕方の早い時間に発生する。電力会社は、需要が大きい時間帯に電力を供給するために「ピーキングプラント(ピーク時用発電所)」に頼っている。これはコストも高い上、環境汚染も激しい。

 例を挙げると、ニューヨークでは、極めて大きな発電能力を、空調設備の負荷が急増する暑い夏の日中など、非常に需要が大きい時間帯に十分な電力を供給するために、1日のうち1割しか利用していない。

 このため、GEの家電製品をはじめ多くのスマートグリッドテクノロジは、ピーク時の負荷を下げることを目的としている。例えば乾燥機なら、スマートメータ経由でピーク時料金についての「価格信号」を受け取り、節約モードに切り替わるかもしれない。衣類が乾くまでの時間が長くなるだろうが、消費者には、電力網の負荷を緩和した見返りに割安な料金が適用されるだろう。

 しかし実際には、電力会社の多くは固定料金制のみを提供しており、使用時間帯別の料金設定にはなっていない。また、消費者が節約するためには、変動する料金スケジュールに対応するために勉強しなければならないだろう。

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