改善に結びつくKPIを立てるには--ユーザーシナリオによるKPI策定 - (page 2)

磐前豪(ビービット)2009年02月25日 08時00分

KPIは何のために作るのか

 今からKPIの位置づけを整理してみたいと思います。

 KGIがウェブサイトでのゴールに到達できたかという指標であることはご説明しました。これは「結果指標」といえます。

 これに対し、KPIは結果に至るプロセスの到達度合いを計る指標になります。KPIはゴールに到達するまでの重要な道のりの状態を数値化したものであり、以下を満たすことが要件になっていきます。

  • KGIの改善に繋がる
  • 効率的かつ的確に成果管理ができる

 多くのウェブマスターは限られた時間で多く業務を行っていることを考慮すると、数字を見るだけで課題の箇所が特定可能であり、かつシンプルで管理の負荷が掛からないことが、良いKPIの条件といえそうです。

シナリオによってKPIを意義ある指標にする

 では良いKPIを作るにはどうしたら良いのでしょうか。

 KPIはプロセスのパフォーマンスを評価する指標ですから、まず最終結果を達成するための重要な要因をはっきりさせなければなりません。この重要な要因を、KSF(Key Success Factor、キーサクセスファクター)と呼びます。KPIはそれを測定可能(見える化)にした指標です。

 良いKPIを立てるためには、まずKSFを突き止めることが必要条件となります。

 まずKSFの1つの要件としては、ゴールに達した人が多く通る道筋、すなわち「主要導線」にあることです。ボリュームが大きいということは、KGIへ与える影響も大きいと言えます。

 もう1つの要件が、成果を左右する重要な働きを持つものかどうかです。

 例えば、金融機関における住宅ローンの資料請求に至るには、ユーザーが自分の状況に即した返済額を知ることが商品に対する具体的な興味をもってもらううえで大きな役目を果たす場合、ローンシミュレーションに辿りついてもらうことは重要な要素といえます。

 PCのオンライン販売では、仕様・スペック情報がユーザーが購入前に確認するうえで不可欠な情報であった場合、仕様・スペック情報ページにどの程度行き着いているかは、最終的なコンバージョンに至るか否かの鍵を握っているといえます。

 どのくらいのユーザーがどのページを訪れているかは、アクセス解析ツールを使うことによって量的に把握することができます。アクセス解析はKSFを探る糸口になるといえるでしょう。

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