Googleの進化がリスティング広告を変える!? - (page 2)

執筆:長谷川智史 アドバイザー:福島慎一 監修:海老根智仁(株式会社オプト)2008年07月28日 13時11分

「検索行動」と「誘導シナリオ」の「線」における適合性の時代に

 今後、広告主側がこの変化に対応していくためには、「ユーザーの行動予測に基づく誘導シナリオ」を構築するという考え方を持つことが重要になってくるのではないでしょうか

 すなわち、これまでの「キーワード」と「広告」の「点」における適合性に加えて、今後は「検索行動」と「誘導シナリオ」の「線」における適合性も踏まえたリスティング広告戦略を持つことが重要になってくると考えています。

 ここで「検索行動」と「誘導シナリオ」の「線」における適合性を具体的にイメージしていただくために、簡単な例を記載します。

<ユーザー側の検索行動>
友人からFXが儲かるらしい、と聞いたユーザーは、家に帰って早速Googleで「FX」と検索した。検索結果から得られた情報から、どうやら手数料が安いFX会社が良さそうだ、と判断。そのままGoogleで「手数料」と検索した。

<広告主側の誘導シナリオ>
ユーザーは手数料でFX会社を単純比較する傾向にあるという状況を踏まえて、ユーザーに対して手数料だけで比較する危険性を伝え、手数料以外にどんな点で比較すれば、より良いFX会社が選べるのか、というポイントを説明するようなコンテンツを提示して納得感を持って選んでもらう。

<この両者の適合性を高めるためのテキストクリエイティブ例>
FX会社、手数料で選ぶ? 手数料の他にある、見逃せない重要なポイントとは。詳しくはコチラ。

※あくまで説明の為の例ですので、実際のケースに当てはまるとは限りません。

 もちろん、誘導シナリオは、その企業の商品性などを考慮して設定するものですので、企業の商品、サービス内容により大きく異なるので、本件は一例に過ぎません。

 しかし、このように、「誘導シナリオ」を設定して「検索行動」に対する適合性を高めるという視点を持ってリスティング広告に取り組むことが、「ユーザーの検索行動を把握してそれに応じた広告を配信する」という時代における効果的なリスティング広告実施のポイントだと考えています。

ネットマーケティング全体でも重要性を増している「点」から「線」での適合性

 この「点」での適合性から「線」での適合性という考え方は、リスティング広告だけでなく、ネットを中心としたサイト誘導施策全体において、すでに重要になっている考え方です。

 今回のGoogleの行動分析型ターゲティングのテストによって、近い将来「リスティング広告」という場にも、その流れが押し寄せるということは現実味を帯びてきたと言えるでしょう。

 我々のような広告会社に求められる役割も、媒体メニューのプランニングから、ターゲットユーザーの行動分析に基づくシナリオ設計とそれを用いたサイト誘導施策全体の最適化へと変化しつつあります。

 こうした変化にいち早く対応し、クライアントの期待に応えることができるかどうかが、今後、広告会社が生き残るための分かれ目であると強く感じています。

長谷川智史株式会社オプト
営業本部 営業13部 副部長

2005年3月株式会社オプト入社。入社後、主に人材・教育系クライアントの営業を担当。2006年よりSEM部に異動。SEMコンサルタントとして、旅行・金融・不動産・自動車・飲料・BtoB・人材など、様々な業種のSEMのコンサルティングに従事。2008年1月より営業副部長となり、プレイイングマネージャーとして活躍中。

福島慎一株式会社オプト
経営戦略部

外資系光学機器メーカーを退職後、渡米。カリフォルニア州立大学サクラメント校を卒業後、2005年1月(株)オプト入社。マーケティング部配属となり、ネット広告全般のプランニングや調査など経験。現在、経営戦略部に所属し、海外の市場動向を探る。

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