商品の価値がわかる人に向けたECサイト「isola」がオープン - (page 2)

西田隆一(編集部)2008年07月18日 14時29分

 前置きが長くなってしまったが、カフェグルーヴが7月17日にスタートさせたEコマースサイト「isola(イゾラ)」はまさに、こんな買い物のスタイルを提供してくれるサイトだ。

 isolaとはイタリア語で島の意。この島は、「上質を求める消費者」と「上質なモノを提供したい生産者」が集う場所とカフェグルーヴでは定義している。商品の価値がわかる人に対して、定価ベースで商品を買ってもらうというのがコンセプトにある。

 販売される商品は当初は、コーヒーや葉巻、ワインなどの嗜好品はもとより、ロックスターなどのポートレートを描くコンラッド・リーチのアート作品、サーフファッションブランドのバードウェル、L.A.在住の日本人が手がけるデニムブランドのクンナといった、まさにそのショップに訪れなければ出会えないようなものが売られている。取り扱っている商品の一部は、一般には国内で流通していないものや、isolaが独占的に販売しているものもある。

 なぜこのショップを始めたのか。カフェグルーヴ代表取締役の浜田寿人氏は、ものが売れなくなった時代に、冒頭で書いたように「クオリティーコンシューマがクオリティープロダクトを買う、値引きをせずに」というのを実践したかったのだと語る。

 そもそもカフェグルーヴは女性向けのライフスタイル情報サイト「verita(ヴェリタ)」や男性向けのラグジュアリーな情報を扱うサイト「VAGANCE(ヴァガンス)」を運営している。そこで、取材をしてきた情報をもとに、isolaでの商品の展開をしているのだと浜田氏は言う。いわばメディアの運営がマーチャンダイジングの役割を果たしているわけだ。

 これ以外にも商品の選定には、カフェグルーヴに対して出資をしている伊藤忠の繊維カンパニーも関係し、今後は両社でのこのビジネスでの協業も模索していくとしている。

 また、isolaでは購買者にisola内で利用できるポイント「ソラ」を付与するという。興味深いのは、一般のポイントは商品価格の割引などに使われるが、isolaではポイントを購買行動に結びつくような「体験」のためのに利用するシステムと考えていることだ。

 どういうことかというと、たとえば、ポイントがたまったユーザーには、醸造家を招いてのセミナーに参加できる権利や、あるいは製品が生まれる現場を見学できる権利など、製品に対する知識を得るための機会を提供することで、新たな商品に対する理解度を深めるような体験をしてもらうようにしていくのだと言う。

 カフェグルーヴでは、isolaのビジネスで、3年後に10億円の売上を目指すとしている。また、今後はisolaで生かしたノウハウをもとに、値引きをしない商品を持つ他社のECサイトの運営なども受注していきたいとしている。

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