携帯電話1億契約時代のモバイルビジネス - (page 3)

村上勇一郎(ドコモ・ドットコム)2008年02月21日 18時14分

大きな2つの誤解

 携帯電話からのインターネットアクセスは、どんなときに行われているのだろうか。外出先等のニッチタイムだけと考えるのは早計である。携帯電話のインターネット利用のピークは、多くの人が自宅にいる午後9時から11時で、自宅に居ながら携帯電話を使っているのだ。当社が行ったアンケート結果にもその兆候は読み取れる。携帯電話を利用する時間帯の答えで最も多いのは、「自宅でリラックスしている時」だった。パソコンは、たとえノートパソコンでもリラックスして使うものではなく、ソファーに寝転がって片手で気軽に利用できるという点で携帯電話に分がある。

 携帯電話と言うと、若年層が使っているだけと認識している人が多いが、これもまた間違いである。先ほど例に出したmixiは、18歳未満の利用を禁じている。20代から30代のPC世代が多く存在するサービスでさえ、携帯電話からアクセスする人が多いのが現状である。

 また、自宅に居ることの多い主婦層もモバイルインターネットのメインターゲットである。契約者の性別、年代別のショッピングサイトの利用率を見ると、30代から40代の利用もかなり多い。

 つまりは、近年では「携帯電話=外出中に利用するもの」、「携帯電話=若年層が利用するもの」という考え方は通用しないという事である。この生活者の利用習慣の変化を誤解したままマーケットを捉えていると、将来にわたるビジネスチャンスを逃すことになりかねない。

 元来ビジネスマンは男女を問わず生活習慣が画一的になる傾向が強く、マーケティング担当者はここに注意しなければいけない。結婚を境に家庭に入り、携帯電話を主なデバイスとして利用する層が家庭内の決裁権を握っている。マーケットに関しては会社の決裁権者を見るよりも、家庭の決裁権者に注目するべしと言ったところであろうか。

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