原告側が審問直後に記者会見を設定していたことに対して、被告側と裁判官がともに異議を表明した。小規模な法的審問の場をメディアの注目の的にした、不適当でルールに反するやり方だという指摘だ。原告側顧問のHornick氏によれば、記者会見を設けたのはオリンピックを目指すボート競技選手である双子のWinklevoss兄弟の生活スタイルが特別だからだという。「(同兄弟は今夏)ミュンヘンで開催されるFISA世界ボート選手権大会にむけてトレーニング中だ。彼らは真剣に集中的にトレーニングに参加している」とHornick氏は語った。
「これまでConnectUがマスコミから取材の要望をうけたことはほとんどなかった」と、Tyler Winklevoss氏は用意された声明で次のようにも述べた。「ここ数週間でマスコミからの問い合わせが急増し、記者会見は情報提供のためにも、われわれの日常生活を妨げないためにもよい方法だと思われた」。同氏はまた、憶測についても解消したかったとして、「われわれはメディアの報道に見られる不正確な点についても訂正したい。たとえば、ConnectUはFacebookを閉鎖させたがっていると報じられているが、それは真実ではない」と語った。
とはいえ、ConnectUがこの小規模な記者会見は注目を引くためではなく、論理的かつ実用的な手段だと主張していても、現実はそういう展開にはなっていない。一流のBoston Harbor Hotelで行われた会見には新聞記者のほかネットワーク局やケーブルテレビ局からのジャーナリストも集まった。
一方、Facebookの弁護団は裁判をなるべく目立たせたくない。審問に先だってFacebook社は、同社からは審問には誰も参加しないことを明らかにしていた。ConnectUの創設者が3年前にはじめて訴えを起こして以来、原告側によって展開された主張の数においてもメディアからの注目においても、この事件は不相応に膨れ上がっていると、被告人弁護団を率いるI. Neel Chatterjee氏は裁判官に語った。「この事件は多方向にもつれあった繊維のようなもので、手に負えなくなりかけている」(Chatterjee氏)
Chatterjee氏は、Facebookという企業の代理だけではなく、被告として名前があがっている個人について、既に退社した前最高財務責任者(CFO)Eduardo Saverin氏を除く全員の代理人も務めている。Saverin氏の別個の代理人を務める弁護士は、同氏がすでにFacebookとは関係がなくなっているとして、訴訟から除外するように強く要望した。
一方で被告側弁護団は、ConnectUがメディアの注目を引いて名を売ろうとしていると非難している。「ConnectUはマスコミを舞台にこの事件を争おうとしている」とChatterjee氏は言う。これには裁判官も同感のようだ。「不正に優位にたち、おそらくは機に乗じようとして、メディアの報道を利用している感がある」とWoodlock裁判官は述べている。
Facebookがマスコミを遠ざけるのは困難になるばかりだ。23歳にして驚くべき財を自力でなしたZuckerberg氏は、興味をそそられる人物であることに間違いない。また、審問に濃紺のピンストライプ柄のそろいのスーツ姿で現れたConnectUのWinklevoss兄弟も、マスコミを強く引き付ける要素を持っている。2人は、リオデジャネイロで開催されたパンアメリカン競技大会で、米国のボート競技チームの一員として金メダルと銀メダルを獲得したばかりだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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