Connexion by Boeingカスタマーおよびリレーションシップ マーケティング担当マネージャーのブルック・エイドサウン氏によると、Connexion by Boeingの平均的なユーザーは過去12カ月で飛行機を27回利用しており、57%がビジネスクラスを利用しているという。平均年齢は41歳。これらのことから、出張の多いビジネスマンが主にConnexion by Boeingを利用していることがうかがえる。
実際、ユーザーにアンケートを取ってみると、Connexion by Boeingの利点を「VPNを介して会社のEメールを利用できる点」と答えた人が89%にのぼる。ほかに利用したいサービスとしては、携帯電話やIP電話と答えた人がそれぞれ半数以上となっている。
課題については、「ユーザーが飛行機に載る前にConnexion by Boeingを知っている必要がある」と話すスコット氏
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このため、今後は携帯電話への対応に力を入れる。ユーザーが機内でも自分の携帯電話で音声通話やEメールができるようにする。まずは欧州で普及しているGSM/GPRSの規格に対応し、2006年にもサービスを始める予定だ。第3世代携帯電話については「市場の要望に応じて対応する」(Connexion by Boeingメディアリレーションズ担当ディレクターのテランス・スコット氏)という。
ただし実際の導入には「安全性や顧客および航空会社のニーズ、各国の規制といった課題がある」とスコット氏は話しており、「欧州でサービスを始める場合にも、我々が一番最初でない可能性はある」とした。
Connexion by Boeingの現在の主なターゲットは出張に飛行機を利用するビジネスマンだが、今後はエンターテインメントの分野にも力を入れていく。すでにシンガポール航空は無線ネットワークを利用したテレビ放送サービスを7月より開始している(関連記事)。ここではNBC Universal、BBC World、EuroNews、EuroSport Newsがコンテンツを提供している。
また、乗客へのインターネットサービス以外に、機内でのさまざまなサービスにもインターネットを活用していく考えだ。航空機と管制官とのやり取りや、急病人が出た場合の地上との連絡に活用するほか、機内販売でクレジットカードが利用できるようにもなる。飛行機にセンサーを取り付け、地上にセンサーのデータを送ることもできる。
このほか、ノートPCだけでなく、座席に搭載されたモニターでもインターネットを楽しめるようにしていく。現在、一部の飛行機ではIn-Flight Entertainment(IFE)と呼ばれるシステムを使って機内でニュースやゲームなどが楽しめるようになっているが、Boeingではこれをインターネットと組み合わせることで、ノートPCを持たないユーザーでもオンラインゲームやチャット、オンラインショッピングなどが楽しめるようにする。
ただし、テレビ放送やゲームなどをたくさんのユーザーが同時に利用するようになれば、帯域が足りなくなる可能性がある。この問題についてスコット氏は「データの圧縮やアプリケーションの管理が鍵になるだろう。また、(飛行機と衛星間の)通信速度は最大20Mbpsまで高められるため、ユーザーが増えれば速度も上げていく」と話している。
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