Singapore Airlinesは先週末、機内でのIPテレビサービスを開始した。これにより、乗客は機内の無線IPネットワーク経由で4つのチャンネルの番組を楽しめるようになった。
航空機メーカーBoeingの一部門であるConnexionは、航空会社向けのIPサービスを提供しているが、同社によると機内でのIPテレビサービスを実施したのはSingapore Airlinesが初めてだという。
現在、Singapore AirlinesはこのIPテレビサービスについてConnexionと独占契約を結んでいる。しかし、同社の話では、ほかの航空会社もこの契約期間が切れた時点で同様のサービスを提供するべく、列をなして待ち構えているという。
また、Connexionのワイヤレスチャネル担当ディレクターのAdla Hendryは、ロンドンで開催された「Mobility Sumit」での基調講演の中で、Wi-Fiネットワークが導入されている航空機内では、持ち込まれたWi-Fi対応機器の半数がネットワーク接続しているという試算を明らかにした。
Connexionは現在、Scandinavian Airlines System(SAS)、JML、Singapore、Lufthansa、さらにAustrianといった航空各社の所有する60以上の航空機にWi-Fiを提供している。
機内でのインターネット接続サービスの評判は非常に良く、今後はこれに続く別のサービスも提供される予定だと、Hendryは述べている。
「われわれは現在、一部の航空機にピコセルと呼ばれる小型モバイル受発信機を設置し、機内でのGSM(Global System for Mobile Communications)音声サービスを実現しようとしている」とHendryは述べ、さらに「われわれは、通常空き時間とされているものを生産的な時間に変えようとしている」と付け加えた。
Siemensは、すでに軽量のGSM用のピコセルを開発中で、今年2月にAirbusと航空機関連のアプリケーション開発を手がけるSITAが設立した合弁会社OnAirに、同製品を提供する契約を結んでいる。
OnAirによると、同システムがあれば乗客がフライト中に携帯電話を使っても航空機システムに干渉することはなく、また西ヨーロッパルートを飛行するAirbus A320機すべてに、2006年下期までに同システムが搭載される予定だと言う。
Boeingにとって、機内Wi-Fiサービスを実現するのは簡単なことではなかった。
「BoeingはWi-Fiネットワークと衛星間の通信が航空機内のシステムに干渉しないことを証明しなければならなかった」とHendryは言う。「航空機はたくさんの異なる空域に入ることから、私たちは航空機や無線通信に関係する各局からの承認をとらなければならならなかった。それも100カ国からの承認を取り付ける必要があった」(Hendry)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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