注目を集めるPowerEdge
Dellは、まもなく発売するブレードの設計に関して慎重な姿勢を保っており、非常に強気な価格設定と、ラックへのDellサーバの収容可能台数が約50%増しになるという点しか明らかにしていない。
それでも、少しずつ詳細が明らかになっている。
ある情報筋によると、どのブレードにも、前面に管理用のUSBポートが装備され、システムを稼働させたまま前面から交換できるSCSIハードディスクが2つ搭載されるという。
PowerEdge 1855と富士通のPrimergy BX600には、サイズや構造に関する類似点が見られるが、上記の点もそんな類似点の1つといえる。
両システムのシャーシの外観は、ネジの場所からベゼル幅まで一緒だが、しかしブレード自体には少なくとも1カ所の違いがある。それは、プロセッサとメモリ、ストレージ、そしてネットワークとを接続するチップセットだ。Dellは、同社のブレードにIntelのチップセットが搭載されると語った。これに対し、富士通のシステムはBroadcomのServerWorksチップセットを採用している。
これらの類似点はどこから来ているのだろうか。この点について、富士通米国法人でPrimergyを担当するシニアプロダクトマネジャー、Jon Rodriguezは、同社とDellの間にはブレードに関する提携はないと述べている。また、アナリストらは両社が同じ外注先を利用している可能性があると推測する。台湾を中心に、ラップトップやサーバなど各種の製品を開発する設計会社が多数存在しており、それらの製品は最終的に有名企業のブランド品として売られている。
「製品の80%を自社で設計し、残りの部分は顧客によるカスタマイズを認めるような外注先から、両社が製品供給を受けている可能性は非常に高い」(Ryder)
また、富士通では自社のブレードサーバ製品の多くを他社から調達している。「通常は設計の出所など明らかにしない。われわれのブレードサーバの設計には(富士通の)知的財産が大量に活用されている」(Rodriguez)
Rodriguezは、富士通がNoconaバージョンのXeonチップを採用した新型ブレードをまもなくリリースする計画であることを明かした。富士通のほかのNoconaサーバと同様、これもおそらくIntelのチップセットを採用することになるという。
静観するIBM
IBMによると、同社ではDellに優れたブレードをつくれるだけの開発力があるとは思っていないという。ブレードは高密度構成、熱の影響を受けやすい。同社ブレード事業担当バイスプレジデントのJeff Benckは、「今後も彼らが技術開発力を身に付けることはないだろう」と語っている。
IBMはこれまで、BladeCenterの低価格版や、新しい小型SCSIハードディスクを投入するなど、ブレードサーバ市場のリードを維持すべく各種の対策を講じてきた。今回の小型ディスク投入により、同社ではDellの製品と同じ高さのシャシーに14枚のブレードを収容できるようになる。「彼らがわれわれに勝る部分はないと思う」(Benck)
だが、Dellは自社の製品がブレード市場の90%をカバーし、ローエンドサーバ市場でライバルからのシェア奪取に成功してきたという。Gartnerのアナリスト、John Enckは、「1ウェイおよび2ウェイ市場ではDellが圧倒的な強さを見せている」と語った。
ただ、ブレードはDellに新たな課題も提起している。
「同社最大の弱点はソフトウェアの品揃えだと思う。IBMやHPがブレード関連で投入しているソフトウェア群はかなり強力だ。Dellがこのような製品を投入していくことはかなり厳しいだろう」(Enck)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
企業や自治体、教育機関で再び注目を集める
身近なメタバース活用を実現する
OMO戦略や小売DXの実現へ
顧客満足度を高めるデータ活用5つの打ち手
パナソニックのV2H蓄電システムで創る
エコなのに快適な未来の住宅環境
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」