サンフランシスコ発--「iTunes」クラウド音楽サービスの迅速なローンチは、大手レコード会社の多くの人々が予期していたとおりには実現していない。
Appleが2009年12月にLala.comを買収して以来、一部の音楽業界関係者は、Appleが適切な音楽ライセンスを取得すれば、Lalaの音楽ストリーミング技術をiTunesに簡単に組み込むことができると考えていた。2006年にローンチされ、2010年5月にAppleによって閉鎖された音楽サービスLala.comは、ハードドライブをスキャンして既存の音楽ライブラリを検出した後、ユーザーがそのライブラリに含まれているのと同じ楽曲をウェブ接続デバイス経由でLalaのサーバから再生できるようにする技術を所有していた。
しかし、複数の情報筋が米CNETに述べたところによると、Lala買収から8カ月が経過した今、Appleは4大音楽レーベルの幹部陣に対して、もしAppleが今後数カ月以内に何らかのクラウド音楽機能を提供するとしても、それは「控えめな範囲」のものになり、同社がレーベルとの会議で説明したような機能(例えば、同社サーバ上にユーザーの音楽を保存する機能)は含まれない可能性が高い、と話しているという。Appleはクラウドからの音楽配信に必要なライセンシング契約について、まだ交渉を開始していない、と情報筋は付け加えた。
Appleの広報担当はコメントを控えた。
事態が進展していない原因ははっきりしないが、買収後のほとんどの時間、Lalaチームが音楽ではなく、未公開の動画機能の開発に取り組んでいること、そして、Appleの経営陣(Appleのインターネット部門を担当し、iTunesチームを何年も率いたEddy Cue氏さえも)が長い間、Lalaの社員から何を求めているのかを明確に述べなかったことが事態の好転に寄与していないのは確かだ、と情報筋は述べた。Cue氏はLalaの創設者であるBill Nguyen氏と親しく、Appleの社内でLalaを最も熱烈に支持していた。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」