今週のAppleに関連するCNET Japan/ZDNet Japanのニュースをまとめた「今週のApple一気読み」。
WWDCにて発表された注目の新製品MacBook Proは、オンラインストアでは3~4週間の納期となっている。筆者も1台手に入れようとオーダーしているが、BTOのカスタマイズモデルでなければApple Storeに毎日入荷しているという。より早く手に入れたい人は朝一番でApple Storeに行くとよさそうだ。
まずはそのApple Storeの話題から。
米国で先行して行われていたApple StoreのiPhoneアプリによる、リアル店舗でのセルフ決済。店頭の商品のバーコードをスキャンすると、Apple IDに紐づけられているクレジットカードを使って、ワンタッチで購入が行える。緑の購入ボタンを押した瞬間から、手に持っている商品は自分のものだ。これまでの購買体験に比べて、購入の境目は曖昧そのもの。そのまま持ち帰るのが心配な人は、店員に「袋を下さい」と申し出て、買った商品を袋に入れ、店外に持ち出してほしいとのことだ。
ノートブックのディスプレイはきっちり70度--Apple Storeの集客の秘訣(6月18日)そのApple Storeの展示の秘密の記事も面白い。整然と並べられたApple Storeの店頭に置いてあるノートブック型パソコンのディスプレイの角度は70度(机の面からディスプレイの背面までの角度)に統一されているそうだ。最もパソコンに歩み寄りたくなる角度を分析して割り出されているという。
アップルのクックCEO、サプライチェーンの管理を強化か(6月19日)それにしても「いつもすごいな」と思うのが、「Today」というスライド。Appleが新製品を発表すると、今日から購入できることが告げられる。日本の場合午前2時から午前4時頃にかけて行われる発表会を聴いて、翌朝10時にApple Storeに行ってみると、早速展示されていたり、販売が始まっていたりするのだ。今回のMacBook Pro Retinaディスプレイモデルのように発売当初の数量が少ない場合もあるが、他のメーカーではなかなか世界規模でこれをマネできるところはない。
スティーブ・ジョブズ氏が「Today」のスライドで聴衆を沸かせることができた理由も、現在のCEOであるティム・クック氏が築き上げたサプライチェーンと生産管理の賜。クック氏がこれの管理を強化するというニュースが今週流れている。
特にメモリやバッテリ、LTEの通信チップなど、世界的に授業が爆発的に伸びている領域の部材を積極的に活用しているApple。次の大型リリースとみられているテレビやiPhoneの新型について、サプライチェーンからニュースを読んでみても面白い。
iOS 6の新機能については先週多くが紹介されているが、これから明らかになる機能も出てくるだろう。その中で、ポッドキャストアプリによって、音声は「ミュージック」アプリ、映像は「ビデオ」アプリに分かれてしまっているポッドキャスト購読を統合しようという狙いが示唆されている。
ポッドキャストについては、大学が提供する講義の音声や動画を視聴出来るiTunes Uのアプリを、2012年1月の新しいiPadのローンチイベントで披露した。iTunes Uアプリでは、ポッドキャスト形式の講義ビデオに加えて、iBooksやAppStore上にある教材となる電子書籍やアプリにリンクさせ、より本格的なカリキュラムを無料で体験できるようになった。
iTunes Uアプリでは、新着の講義が届くとプッシュ通知が届くが、ポッドキャストアプリが独立すれば、プッシュ通知の機能はサポートするだろう。また位置情報に応じてポッドキャストの配信が行える仕組みで、美術館や町を挙げた芸術祭の際のコンテンツ流通をサポート知る可能性もある。誰でもコンテンツが作れるポッドキャストの活用に、新たな局面が与えられる可能性がある。
NTTドコモがiPhoneを展開しない3つの理由(6月22日)WWDCでは発表されなかったiPhone 5について、また将来の日本でのiPhone活用については、多くの人が注目していることだ。今週開催されたNTTドコモの株主総会で新たに代表取締役社長に就任した加藤薫氏のiPhone取扱に関するコメントが注目されたが、基本的には現状を維持。ドコモが提供するクラウドと端末という2つの価値をiPhoneが叶えることができないとの考え方から、ドコモからiPhoneが発売される可能性は依然不透明なままとなった。
iPhoneの次の機種については、4G LTEがサポートされることがほぼ確実視されているが、どこの国の4Gに対応するか、について議論がある。米国はもちろんだが、日本でもiPhoneを展開するKDDI、ソフトバンクモバイルの方式と周波数がサポートされることも期待されている。
しかしAppleの戦略上最も重要な市場は中国だ。iOSやOS Xの中国語対応や中国のウェブサービス対応の手厚さから見ても明らかだ。iPhone 5は米国や日本での魅力はLTE対応となるだろうが、中国のChina Mobile独自の3G規格であるTD-SCDMAをサポートするという重要なミッションが課せられているようだ。
最後に、今週話題になったiPhoneの動画をご紹介する。透けたディスプレイを持つiPhone 5のコンセプトイメージだ。現在の端末デザインだとA5チップはもちろん、バッテリやその他の回路に至るまで、すべてを透明化する必要があるのだが、こういうiPhoneがあったら、確かに素晴らしいだろう。
それにしても17歳にしてこのコンセプト動画のテクニック。デジタルの素晴らしさもまたにじみ出ている。
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