編集部注:今回のiPhone 4Sレビューは、前編、中編、後編に分けてシリーズ化し、デザインやカメラ、「iOS 5」の新機能、スピードなどを詳しくレビューしていく(使ったのは64Gバイトのブラックモデル、キャリアはSprint)。本稿はその後編である。
Safari: このAppleのウェブブラウザのモバイル版には、2010年のWWDCで発表されたリーダー機能が付いている。リーダーは様々なウェブサイトの複雑なレイアウトを処理するのではなく、複数ページの記事をRSS的な見せ方に要約し、その際広告は外すが、写真は残すようになっている。テキストサイズを変更することや、Safariのページのテキスト全体を連絡先に電子メールで送ることもできる(iOS 4では、リンクを送ることしかできなかった)。
リーダー機能を使うのは、おかしなレイアウトのウェブページをスキャンしようとしており、モバイル用サイトが用意されていない場合にはよい選択肢だ。わたしがリーダーに感じた唯一の問題は、情報を削除しすぎているかもしれないということだ。わたしは記事のコメントを見たいと思うことが多いのだが、リーダーはコメントを不要なものと見なしている。またSafariの他の新機能として、ウェブページをリーディングリストに追加することで、後でどのiOSデバイスでもそのページをゆっくり読めるようになった。
リマインダー: この便利な新規追加アプリを使うと、複数のto-doリストを保存し、それぞれのイベントに日付を設定できる。リマインダーは、特定のGPS位置を離れるとき、または到着時にそのリマインダーを通知するかで分類できる。例えば、「職場を出発時に家に電話」というリマインダーがあれば、このアプリはGPSを使って、ユーザーが移動したときにプッシュ型通知でリマインダーを送る。リマインダーは複数のデバイス間で共有でき、CalDAVを使ったMac上のiCalとの同期やMicrosoft Exchangeを使ったWindows上のiCalとの同期も可能だ。このアプリは、見栄えのよいスクロール可能なカレンダーを独自に持っており、未来の日付のタスクとリマインダーの閲覧と追加ができる。
わたしは、場所情報を利用したリマインダーをテストするため、CNETの建物を離れたときに「iPadを忘れないように」と知らせるリマインダーを作成してみた。思った通り、iPhoneは建物から半ブロックほど離れたところで通知してくれた。リマインダーの閲覧は最初のページから簡単に行うことができ、そこから検索フィールドを使って、リマインダーの追跡と検索を素早く行える。また、特定の時間までに終わらせる必要のない、締め切りの決まっていないタスクを作成することもできる。
メール: iOSのメールアプリには、リッチテキスト形式への対応、改良されたインデントの処理、メッセージへのフラグ設定、宛先、CC、BCCの行の間でアドレスを移動させる機能が追加された。また、差出人、宛先、件名だけでなく、メッセージ本文の内容についても検索できるようになった。
PC FreeとiCloud: ほぼ間違いなくiOS 5のもっとも大きな変更点であるPC Freeは、無線経由でのソフトウェアアップデートとデバイスのアクティベートを可能にした。AndroidやWindows Phone 7、BlackBerry OS 5のデバイスと同じように、デバイスをコンピューターに接続する必要はなくなり、コンピューターを持っている必要さえなくなった。iPhoneのアクティベートには多くの手順を必要とするが、その手順は簡単ですぐに終わる。わたしはたった数分で使い始めることができたが、自分のApple IDをiPhoneに認識させるには何度か試行錯誤が必要だった。iPhone 4SのセットアップにWi-Fiネットワークは不要だが、あれば役に立つ。
アプリの無線アップデートでは、差分しか提供されないため時間も短縮され、新しい機能であるiCloudを使用したデバイスの同期、バックアップ、復元も可能になった。また、アプリ自体にも、無線での写真の編集、電子メールフォルダーの管理、カレンダーの作成と削除といった新機能が追加されている。iCloudについては、さらに調査が進んだ時点で詳しくお伝えしたい。
iOSデバイスをコンピュータ上のiTunesと同期するには、コンピュータとデバイスが同じWi-Fiネットワーク上にあり、デバイスが充電中である(充電器に接続されている)必要がある。その状態で、iPhoneの「設定」>「一般」を開き、「iTunes Wi-Fi同期」を選択する。そこから、iPhoneで「今すぐ同期」を選択すれば、写真、音楽、カレンダーがiTunesにバックアップされる。
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