中堅・中小企業におけるRPA(自動化)ツールの用途と社数シェア

ノークリサーチは中堅・中小企業におけるRPA(自動化)ツールの用途と社数シェアに関する調査を行い、その分析結果を発表した。

<RPA専用ツールに留まらない社数シェアの視点と有望な用途を見極める判断力が今後の成否を分ける>
■レイトマジョリティ向けに「書式が定まった紙面の転記/照合」の用途を訴求することが有効
■「ファイル配信」と比べて「メール配信」の用途は有望だが、誤送信などのトラブルに要注意
■独自開発およびERP/基幹系システム、ペーパレス化は自動化の対象だが、競合でもある

PRESS RELEASE(報道関係者各位) 2024年1月31日

中堅・中小企業におけるRPA(自動化)ツールの用途と社数シェア

調査設計/分析/執筆: 岩上由高


ノークリサーチ(本社〒160-0022東京都新宿区新宿2-13-10武蔵野ビル5階23号室 代表:伊嶋謙ニ TEL:03-5361-7880URL:http//www.norkresearch.co.jp)は中堅・中小企業におけるRPA(自動化)ツールの用途と社数シェアに関する調査を行い、その分析結果を発表した。本リリースは「2023年版 中堅・中小企業におけるRPAおよびノーコード/ローコード開発ツールの活用実態レポート」のサンプル/ダイジェストである。


<RPA専用ツールに留まらない社数シェアの視点と有望な用途を見極める判断力が今後の成否を分ける>
■レイトマジョリティ向けに「書式が定まった紙面の転記/照合」の用途を訴求することが有効
■「ファイル配信」と比べて「メール配信」の用途は有望だが、誤送信などのトラブルに要注意
■独自開発およびERP/基幹系システム、ペーパレス化は自動化の対象だが、競合でもある


対象企業: 年商500億円未満の中堅・中小企業1300社(日本全国、全業種)(有効回答件数)
対象職責: 情報システムの導入や運用/管理または製品/サービスの選定/決済の権限を有する職責
※調査対象の詳しい情報については本リリース4ページを参照


■レイトマジョリティ向けに「書式が定まった紙面の転記/照合」の用途を訴求することが有効
IT企業が中堅・中小企業におけるRPAツール活用の拡大を図るためには、自動化に適した業務は何か?を適切に把握する必要がある。そこで、本リリースの元となる調査レポート「2023年版 中堅・中小企業におけるRPAおよびノーコード/ローコード開発ツールの活用実態レポート」では、4グループ、14項目に渡る選択肢を提示して、RPAツールによる自動化が適した場面や用途は何か?を集計/分析している。 以下のグラフはその中から、「書式が定まった紙面の転記/照合」、「非定型である紙面の転記/照合」、「手書きを含む紙面の転記/照合」の3項目を抜粋し、RPAツールの活用状況別に集計した結果である。 グラフ中のRPAツールの活用状況は「2022年時点で導入済みの場合」(青帯)、「2023年時点で導入済みの場合」(橙帯)、「2023年時点で今後の導入を予定している場合」(灰帯)、「一旦導入したが、2023年時点で廃止してしまった場合」(黄帯)の4通りに分けている。 上記の結果を見ると、「書式が定まった紙面の転記/照合」は「2022年導入済み」と比べて「2023年導入済み」の値は下がったものの、「2023年導入予定」の値は「2023年導入済み」を上回っており、3項目の中では今後の導入予定が最も多い。したがって、今後は最も基本的な用途である「書式が定まった紙面の転記/照合」が再び増えていくと予想される。こうした傾向からもRPAツール活用の訴求対象がレイトマジョリティへと移りつつある状況が垣間見える。


■「ファイル配信」と比べて「メール配信」の用途は有望だが、誤送信などのトラブルに要注意
本リリースの元となる調査レポートでは、中堅・中小企業がRPAツールを適用する場面や用途は何か?を以下のような選択肢 を列挙して集計/分析している。
<<データの転記や照合に関する項目>>
・書式が定まった紙面の転記/照合 (※) 例) マークシート方式で記入する申込書をシステムに転記する作業を自動化する
・非定型である紙面の転記/照合 (※) 例) 名刺のように書式が一定でない紙面のデータを転記する作業を自動化する
・手書きを含む紙面の転記/照合 (※) 例) 手書きの自由記述を含むアンケートをシステムに転記する作業を自動化する
・ Webサイトの転記/照合 例) 競合他社の価格情報を検索して一覧に整理する作業を自動化する
・メール文面の転記/照合 例) メールで送られた注文を販売管理システムに入力する作業を自動化する
<<データの配置や配信に関する項目>>
・ファイルを定期的に配置する (※※) 例) 毎日所定の時刻に売上速報をアップロードする作業を自動化する
・メールを定期的に配信する (※※) 例) 定例会議の前に事前資料をメールで送信する作業を自動化する
<<データの作成や加工に関する項目>>
・資料やレポートの作成 例) 会計システムのデータを経営層向けにグラフ化する作業を自動化する
・データの集約と修正 例) 店舗や拠点の売上データを統一された書式にまとめる作業を自動化する
・データや書式の変換 例) システムAのデータをシステムBに読み込むための変換作業を自動化する
<<高度な判断を伴う処理に関する項目>>
・ Q&Aサイトの自動応答 例) 過去の履歴などを元にQ&Aサイトに書かれた質問に対して自動的に応答する
・メールの自動返信 例) 過去の履歴などを元にメールで送られた問い合わせに対して自動的に応答する
・ワークフローの分岐 例) 過去の履歴などを元にワークフローにおける条件分岐を自動的に判断する
・データ分析と予測 例) 顧客情報や履歴データを元に優良顧客や要注意顧客(支払遅延など)を推定する
<<その他>>
・その他:
上記の中から(※)の3項目を抜粋し、RPAツールの活用状況別に集計した結果が前頁のグラフだ。さらに、(※※)について同様の集計を行った結果が以下のグラフである。
「ファイルを定期的に配置する」の値は導入状況によって目立った変化は見られない一方で、「メールを定期的に配信する」は「2022年導入済み」と比べて「2023年導入済み」は増加しており、「2023年導入予定」も同程度の値となっている。そのため、IT企業としては2022年~2023年にかけて伸びが見られた「メールを定期的に配信する」の場面/用途を引き続き訴求することが得策と考えられる。ただし、この場面/用途は「2023年導入あり&廃止」の値も高いため、メール誤送信などのトラブル発生によってRPAツール活用が中断するなどの事象が起きないように注意しておくことも大切だ。
次頁ではRPAツールの社数シェアについて詳細を述べていく。


■独自開発およびERP/基幹系システム、ペーパレス化は自動化の対象だが、競合でもある
さらに本リリースの元となる調査レポートでは、国内ベンダ25項目、外資系ベンダ11項目、その他(業務システムの一機能としての自動化や独自開発システムなど)として8項目、合計44項目に渡る具体的な製品/サービス名を列挙して、RPAツールの社数シェアを年商などの企業属性を含めた様々な観点から集計/分析している。 例えば、年商区分は5億円未満 / 5~10億円/ 10~20億円/ 20~50億円/ 50~100億円/ 100~300億円/ 300~500億円の7区分で集計を行っているが、以下のグラフはその中から3つの年商区分を抜粋し、国内ベンダ、外資系ベンダ、その他のグループで見た場合の社数シェアを集計したものだ。
国内ベンダ、外資系ベンダ、その他といったグループ単位で見た場合は、年商規模によって導入済み/導入予定のRPAツールの社数シェアがそれほど変わらないことが確認できる。
さらに以下の数表は「導入済み」と「導入予定」におけるRPAツールの社数シェア順位で10位以内に位置する製品/サービスを列挙したものだ。(調査レポートには全44項目の製品/サービスのシェア数値が収録されている) 「導入済み」における社数シェアが1割以上であるのは「WinActor」 > 「BizRobo!」 > 「Auto名人シリーズ」 > 「OCEVISTAS」 >「SynchRoid」 > 「GENEST/EntreQue/Axelute」 > 「Power Automate Desktop」の7つの製品/サービスである。「WinActor」(NTTアドバンステクノロジ)はRPAツールの社数シェアで首位を堅持しているが、2位の「BizRobo!」を提供するRPAテクノロジーズは「OCEVISTAS」や「SynchRoid」の開発にも関わっている。したがって、RPAツールでは依然としてNTTアドバンステクノロジとRPAテクノロジーズの2強体制が続く状況となっている。 一方で、「導入予定」における社数シェアの上位を見ると、「独自開発システム」や「ERP/基幹系システムの一機能として利用」および「ペーパレス化のソリューションの一部として利用」が浮上してきている。RPAツールベンダにとって独自開発システム、ERP/基幹系システム、ペーパレス化は自動化を適用する対象や契機だが、同時に競合となる可能性もある点に留意する必要がある。さらに、調査レポートでは 「導入あり&廃止」(ツールを一旦導入したが、中断してしまったケース)ではどのような製品/サービスが多いのか?などについても集計/分析を行っている。


本リリースの元となる調査レポート

『2023年版 中堅・中小企業におけるRPAおよびノーコード/ローコード開発ツールの活用実態レポート』
今後はレイトマジョリティへの訴求が焦点。課題/ニーズの変化を捉え、市場拡大を阻む障壁を打開するためには何をすべきか?
【対象企業属性】(有効回答件数:1300社、調査実施期間:2023年7月~8月)
年商: 5億円未満 / 5億円以上~10億円未満 / 10億円以上~20億円未満 / 20億円以上~50億円未満 /50億円以上~100億円未満 / 100億円以上~300億円未満 / 300億円以上~500億円未満
従業員数: 10人未満 / 10人以上~20人未満 / 20人以上~50人未満 / 50人以上~100人未満 /100人以上~300人未満 / 300人以上~500人未満/ 500人以上~1,000人未満 /1,000人以上~3,000人未満 / 3,000人以上~5,000人未満 / 5,000人以上
業種: 組立製造業 / 加工製造業 / 建設業 / 卸売業 / 小売業 / 流通業(運輸業) /IT関連サービス業 / 一般サービス業 / その他:
地域: 北海道地方 / 東北地方 / 関東地方 / 北陸地方 / 中部地方 / 近畿地方 / 中国地方 /四国地方 / 九州・沖縄地方
その他の属性: 「IT管理/運用の人員規模」(12区分)、「ビジネス拠点の状況」(5区分)
【分析サマリ(調査結果の重要ポイントを述べたPDFドキュメント)の概要】
RPA(Robotic Process Automation)ツールとは、ヒトによる手作業を自動化するアプリケーションを指す。(具体例は次頁を参照)ノーコード/ローコード開発ツールとは、プログラミングが全く不要(ノーコード)、もしくは簡易なプログラミング(ローコード)によって業務システムを作成できる開発環境を指す。
以下では「ノーコード/ローコード開発(No-Code Low-Code Development)」をNLDと略記し、ノーコード/ローコード開発ツールを「NLDツール」と記載する。また、RPAツールとNLDツールを合わせて「RPA/NLDツール」と記載する。
第1章: RPA/NLDツールの認知と導入状況
ユーザ企業はどのような場面をRPA/NLD活用に該当すると考えているのか?(RPA/NLDツールと従来ツールとの混同はないか?)を確認した上で、RPA/NLDツールの導入状況を「導入済みで今後も拡大する」や「導入したが廃止した」などの詳細なパターンに分けて集計/分析。
第2章: RPA/NLDツール活用における課題
RPA/NLDツールを活用する際にユーザ企業が直面する課題をRPAツールに固有の項目、NLDツールに固有の項目、両者に共通する項目に整理し、計23項目に渡って集計/分析。
第3章: RPA/NLDツール活用における取り組みや方針
RPA/NLDツールを活用する際にユーザ企業が取り組んでいる事柄や実践している方針について、RPAツールに固有の項目、NLDツールに固有の項目、両者に共通する項目に整理し、計24項目に渡って集計/分析。
第4章: RPA/NLDツールを適用する場面や用途
RPAツールとNLDツールのそれぞれについて、ユーザ企業が各ツールを適用する場面や用途を具体的に列挙し、今後はどのような場面や用途が増えるか?などを集計/分析。(RPAツールに関する用途/場面の選択肢は計14項目、NLDツールに関する用途/場面の選択肢は計10項目)
第5章: RPAツールの社数シェア
計36項目に渡る具体的な製品/サービスを列挙し、RPAツールの導入済み/導入予定の社数シェアを集計/分析。
第6章: NLDツールの社数シェア
計40項目に渡る具体的な製品/サービスを列挙し、NLDツールの導入済み/導入予定の社数シェアを集計/分析。
第7章: RPA/NLDツールの導入費用と導入元
RPA/NLDツールの導入費用(ハードウェアやOSは除外)および導入元(プライムの販社/SIerか、それ以外の販社/SIerか、ベンダからの直販か?)について尋ねた結果を集計/分析。
【発刊日】 2024年1月31日
【調査レポートの詳細な案内】 リンク
【価格】 180,000円(税別) RPAツールとNLDツールのどちらか一方のみの販売は行っておりません

補記:社数シェア集計/分析の対象となっているRPAツールの一覧

本リリースの元となる調査レポートでは具体的なRPAツールの導入済み/導入予定の社数シェアを集計/分析している。選択肢に掲載される製品/サービスは過去の調査結果や最新の市場状況などを踏まえた上で選定される。自由回答の中から多く挙げられたものは選択肢として新たに取り上げ、逆に一定期間以上シェア数値がないものは割愛するという方針で年毎に調整を行っている。

<<国内ベンダ>>
・WinActor  NTTアドバンステクノロジ
・BizRobo!  RPAテクノロジーズ
・Auto名人シリーズ  ユーザックシステム
・SynchRoid  ソフトバンク、RPAホールディングス
・OCEVISTAS  大崎コンピュータエンヂニアリング、RPAテクノロジーズ
・パトロールロボコン/ロボシュタイン  コムスクエア
・ipaSロボ  デリバリーコンサルティング
・NEC Software Robot Solution(BizRobo!は除く)  NEC
・GENEST/EntreQue/Axelute  富士通
・NaU DSP  なうデータ研究所
・Robo-Pat  FCEプロセス&テクノロジー
・Owlgarden RPA  エクス
・batton  batton
・AUTORO(Robotic Crowd)  オートロ(チュートリアル)
・BizteX cobit  BizteX
・アシロボ  ディヴォートソリューション/ドヴァ
・RoboTANGO  スターティアレイズ
・JobAuto  シジャム・ビーティービー
・Ez Robot  RPAソリューションズ
・クラウドBOT  C-RISE
・EzAvater  テリロジーサービスウェア
・コボットPlatform  ディップ
・ziggxa flow  ジグザ
・マクロマン  コクー
・ロボオペレータ  グローシップ・パートナーズ
<<外資系ベンダ>>
・UiPath  UiPath
・Blue Prism  SS&C Blue Prism
・NICE APAシリーズ  NICE
・Power Automate Desktop  日本マイクロソフト
・Automation 360(Anywhere Enterprise)  オートメーション・エニウェア
・Pega Robotic Automation  Pegasystems
・WorkFusion(RPA Expressを含む)  WorkFusion
・Kofax RPA  Kofax Japan
・Verint RPA  ベリントシステムズジャパン
・AutoMate  Fortra(HelpSystems)
・OpenRPA  OpenIAP
<<その他>>
・その他:
・Webサービス連携ツールの一機能として利用
・ERP/基幹系システムの一機能として利用
・コラボレーションの一機能として利用
・ワークフロー・ビジネスプロセス管理の一機能として利用
・ペーパレス化のソリューションの一部として利用
・テレワークのソリューションの一部として利用
・独自開発システム

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当調査データに関するお問い合わせ
株式会社 ノークリサーチ 担当:岩上 由高
〒160-0022 東京都新宿区新宿2-13-10 武蔵野ビル5階23号室
TEL 03-5361-7880 FAX 03-5361-7881
Mail: inform@norkresearch.co.jp
Web: www.norkresearch.co.jp

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