中堅・中小企業におけるノーコード/ローコード開発ツールの用途と社数シェア

ノークリサーチは中堅・中小企業におけるノーコード/ローコード開発ツールの用途と社数シェアに関する調査を実施し、その分析結果を発表した。

<今後の伸びが期待できる場面/用途を把握し、社数シェアで上位に位置するツールを提案することが得策>
■「クラウドサービス間の連携」は2022~2023年に増加し、今後も伸びる有望な用途の1つ
■「レガシーマイグレーション」は今後は減少してリスクも高い、「Excel代替」は1割強を維持
■「超高速開発ツール」が多くを占めるが、今後は「PaaS形態」(kintone,Power Apps)が増加

PRESS RELEASE(報道関係者各位) 2024年1月29日

中堅・中小企業におけるノーコード/ローコード開発ツールの用途と社数シェア

調査設計/分析/執筆: 岩上由高


ノークリサーチ(本社〒160-0022東京都新宿区新宿2-13-10武蔵野ビル5階23号室 代表:伊嶋謙ニ TEL:03-5361-7880URL:http//www.norkresearch.co.jp)は中堅・中小企業におけるノーコード/ローコード開発ツールの用途と社数シェアに関する調査を実施し、その分析結果を発表した。 本リリースは「2023年版 中堅・中小企業におけるRPAおよびノーコード/ローコード開発ツールの活用実態レポート」のサンプル/ダイジェストである。


<今後の伸びが期待できる場面/用途を把握し、社数シェアで上位に位置するツールを提案することが得策>
■「クラウドサービス間の連携」は2022~2023年に増加し、今後も伸びる有望な用途の1つ
■「レガシーマイグレーション」は今後は減少してリスクも高い、「Excel代替」は1割強を維持
■「超高速開発ツール」が多くを占めるが、今後は「PaaS形態」(kintone,Power Apps)が増加


対象企業: 年商500億円未満の中堅・中小企業1300社(日本全国、全業種)(有効回答件数)
対象職責: 情報システムの導入や運用/管理または製品/サービスの選定/決済の権限を有する職責
※調査対象の詳しい情報については本リリース4ページを参照


■「クラウドサービス間の連携」は2022~2023年に増加し、今後も伸びる有望な用途の1つ
IT企業が中堅・中小企業に対してノーコード/ローコード開発ツール導入を提案する際は、どのような場面/用途に適用するか?を適切に判断することが不可欠だ。そこで、本リリースの元となる調査レポート「2023年版 中堅・中小企業におけるRPAおよびノーコード/ローコード開発ツールの活用実態レポート」では10項目に渡る選択肢を提示し、ノーコード/ローコード開発ツールが適した場面や用途は何か?を集計/分析している。 以下のグラフはその中から、「新規の業務システム開発」、「レガシーマイグレーション」、「クラウドサービス間の連携」、「Excel代替のシステム開発」の4項目を抜粋し、ノーコード/ローコード開発ツールの活用状況別に集計した結果である。 グラフ中のノーコード/ローコード開発ツールの活用状況は「2022年時点で導入済みの場合」(青帯)、「2023年時点で導入済みの場合」(橙帯)、「2023年時点で今後の導入を予定している場合」(灰帯)、「一旦導入したが、2023年時点で廃止してしまった場合」(黄帯)の4通りに分けている。上記の結果を見ると、「クラウドサービス間の連携」は2022年から2023年にかけて増加し、今後の導入予定においても伸びが期待できることがわかる。このように活用状況別に見た推移を把握することによって、適切な用途/場面に沿ったノーコード/ローコード開発ツールの提案が可能となる。次頁では、他の用途に関する傾向も述べていく。


■「レガシーマイグレーション」は今後は減少してリスクも高い、「Excel代替」は1割強を維持
本リリースの元となる調査レポートでは、中堅・中小企業がノーコード/ローコード開発ツールを適用する場面や用途は何か?を以下のような選択肢を列挙して集計/分析している。
・新規の業務システム開発(※) 例) OutSystemsで自社向けの独自CRMを開発する
・既存システムの機能追加 例) 既存システムにLightning Platformでスマートフォン向け画面を追加する
・既存システムの再構築 例) Lotus Notes/Dominoの独自データベースをHCL Domino Leapで作り直す
・レガシーマイグレーション(※) 例) COBOLで構築されたシステムと同じ仕様のものをGeneXusで再構築する
・クラウドサービス間の連携(※) 例) Power AutomateでDropboxとSlackを連携させる
・オンプレミス/クラウド連携 例) Boomiで社内システムとクラウドを連携する
・オンプレミス同士の連携 例) ASTERIA Warpで異なるデータベースを連携する
・簡易な業務ツールの作成 例) 部署内の工程管理ツールをFile Makerで作成する
・ Excel代替のシステム開発(※) 例) Excelのマクロで作成したシステムをkintoneに移行する
・ヒトによる手作業の自動化 例) AppSuiteで週次の売上計算処理を自動化する
・その他
上記の中から(※)の4項目を抜粋し、ノーコード/ローコード開発ツールの活用状況別に集計した結果が前頁のグラフである。
同じグラフを以下にも再掲し、前頁で述べた「クラウドサービス間の連携」以外の場面や用途についても見ていくことにする。 「新規の業務システム開発」は「2022年導入済み」と比べて「2023年導入済み」の値が下がっており、「2023年導入予定」の値も「2023年導入済み」と同程度となっている。したがって、2023年以降は2022年ほどの活用は期待できないと予想される。
「レガシーマイグレーション」は「2022年導入済み」と比べて「2023年導入済み」は増加したが、「2023年導入予定」の値は下がっている。つまり、既にピークが過ぎた可能性が高いと考えられる。さらに、「2023年導入あり&廃止」の値も高いため、難易度やリスクが高い用途である点に注意が必要だ。 「Excel代替のシステム開発」はいずれの活用状況の値も目立って高い値は見られず、活用状況の違いによる変化も小さい。そのため、今後も1割強の割合を維持した状態が続くと予想される。
このように、ノーコード/ローコード開発ツールを適用する場面/用途は「今後の更なる伸びが期待できるもの」、「ピークを過ぎており、ツール活用の中断リスクも高いもの」、「活用割合は低めだが、今後も持続するもの」といったように幾つかのグループに分けることができる。ここでは4つの場面/用途を抜粋したが、本リリースの元となる調査レポートでは上記に列挙した計10項目の場面/用途をグループに分類し、IT企業が注力すべき場面/用途はどれか?を分析/提言している。


■「超高速開発ツール」が多くを占めるが、今後は「PaaS形態」(kintone,Power Apps)が増加
さらに本リリースの元となる調査レポートでは、<<超高速開発ツール>>、<<PaaSとして提供されているもの>>、<<カジュアルデータベース>> 、<<グループウェアと関連が深いもの>>、<<CRMや基幹系システムと関連が深いもの>>、<<iPaaS/データ連携ツール>>の6種別、計40項目に渡るノーコード/ローコード開発ツールの具体名を列挙して、導入済み/導入予定の社数シェアを集計/分析している。(集計対象となったツール一覧は本リリースの5ページを参照)
以下のグラフはノーコード/ローコード開発ツールを導入済みの企業における6つのツール種別の割合を集計した結果である。
<<超高速開発ツール>>の値が突出して最も高く、2番目は<<PaaSとして提供されているもの>>、3番目に<<iPaaS/データ連携ツール>>が位置している。昨今は<<超高速開発ツール>>でもクラウド形態を選べるようになってきているが、元々の経緯からどちらかと言えば現時点でもオンプレミスでの導入が多い。そのため、全体としてはオンプレミスでは<<超高速開発ツール>>、クラウドでは<<PaaSとして提供されているもの>>が多く、さらに既存の業務システムとの連携手段として<<iPaaS/データ連携ツール>>が選ばれている状況と捉えることができる。ここでは「導入済み」における割合のみを掲載したが、調査レポートでは「導入予定」と「導入あり&廃止」の場合についても同様の集計を行い、活用状況に応じた傾向差も確認している。
さらに以下の数表は「導入済み」と「導入予定」におけるノーコード/ローコード開発ツールの社数シェア順位において10位以内に位置する製品/サービスを列挙したものだ。(調査レポートには全40項目の製品/サービスのシェア数値が収録されている)
「導入済み」の上位は<<超高速開発ツール>>(赤字)が多くを占めており、 <<PaaSとして提供されているもの>>(青字)と比べて上位に位置している。
一方で、「導入予定」は首位が「kintone」、2位が「Power Apps」となっており、 <<PaaSとして提供されているもの>>が上位に浮上している。 したがって、<<超高速開発ツール>>と<<PaaSとして提供されているもの>>の2つがノーコード/ローコード開発ツールの主要な種別である状況は変わらないが、今後は後者に属する製品/サービスのシェアが高まっていくと予想される。社数シェアを把握する上でもう1つ重要となるのが、「導入あり&廃止」(ツールを一旦導入したが、中断してしまったケース)ではどのような製品/サービスが多いのか?という点だ。本リリースの元となる調査レポートでは「導入あり&廃止」で上位に挙げられた製品/サービスにも着目し、中断を回避するための留意点や自社の製品/サービスをリプレース提案できる可能性はあるか?などに関する分析/提言を述べている。


本リリースの元となる調査レポート

『2023年版 中堅・中小企業におけるRPAおよびノーコード/ローコード開発ツールの活用実態レポート』
今後はレイトマジョリティへの訴求が焦点。課題/ニーズの変化を捉え、市場拡大を阻む障壁を打開するためには何をすべきか?
【対象企業属性】(有効回答件数:1300社、調査実施期間:2023年7月~8月)
年商: 5億円未満 / 5億円以上~10億円未満 / 10億円以上~20億円未満 / 20億円以上~50億円未満 /50億円以上~100億円未満 / 100億円以上~300億円未満 / 300億円以上~500億円未満
従業員数: 10人未満 / 10人以上~20人未満 / 20人以上~50人未満 / 50人以上~100人未満 /100人以上~300人未満 / 300人以上~500人未満/ 500人以上~1,000人未満 /1,000人以上~3,000人未満 / 3,000人以上~5,000人未満 / 5,000人以上
業種: 組立製造業 / 加工製造業 / 建設業 / 卸売業 / 小売業 / 流通業(運輸業) /IT関連サービス業 / 一般サービス業 / その他:
地域: 北海道地方 / 東北地方 / 関東地方 / 北陸地方 / 中部地方 / 近畿地方 / 中国地方 /四国地方 / 九州・沖縄地方
その他の属性: 「IT管理/運用の人員規模」(12区分)、「ビジネス拠点の状況」(5区分)
【分析サマリ(調査結果の重要ポイントを述べたPDFドキュメント)の概要】
RPA(Robotic Process Automation)ツールとは、ヒトによる手作業を自動化するアプリケーションを指す。
ノーコード/ローコード開発ツールとは、プログラミングが全く不要(ノーコード)、もしくは簡易なプログラミング(ローコード)によって業務システムを作成できる開発環境を指す。(具体例は次頁を参照)
以下では「ノーコード/ローコード開発(No-Code Low-Code Development)」をNLDと略記し、ノーコード/ローコード開発ツールを「NLDツール」と記載する。また、RPAツールとNLDツールを合わせて「RPA/NLDツール」と記載する。
第1章: RPA/NLDツールの認知と導入状況
ユーザ企業はどのような場面をRPA/NLD活用に該当すると考えているのか?(RPA/NLDツールと従来ツールとの混同はないか?)を確認した上で、RPA/NLDツールの導入状況を「導入済みで今後も拡大する」や「導入したが廃止した」などの詳細なパターンに分けて集計/分析。
第2章: RPA/NLDツール活用における課題
RPA/NLDツールを活用する際にユーザ企業が直面する課題をRPAツールに固有の項目、NLDツールに固有の項目、両者に共通する項目に整理し、計23項目に渡って集計/分析。
第3章: RPA/NLDツール活用における取り組みや方針
RPA/NLDツールを活用する際にユーザ企業が取り組んでいる事柄や実践している方針について、RPAツールに固有の項目、NLDツールに固有の項目、両者に共通する項目に整理し、計24項目に渡って集計/分析。
第4章: RPA/NLDツールを適用する場面や用途
RPAツールとNLDツールのそれぞれについて、ユーザ企業が各ツールを適用する場面や用途を具体的に列挙し、今後はどのような場面や用途が増えるか?などを集計/分析。(RPAツールに関する用途/場面の選択肢は計14項目、NLDツールに関する用途/場面の選択肢は計10項目)
第5章: RPAツールの社数シェア
計36項目に渡る具体的な製品/サービスを列挙し、RPAツールの導入済み/導入予定の社数シェアを集計/分析。
第6章: NLDツールの社数シェア
計40項目に渡る具体的な製品/サービスを列挙し、NLDツールの導入済み/導入予定の社数シェアを集計/分析。
第7章: RPA/NLDツールの導入費用と導入元
RPA/NLDツールの導入費用(ハードウェアやOSは除外)および導入元(プライムの販社/SIerか、それ以外の販社/SIerか、ベンダからの直販か?)について尋ねた結果を集計/分析。
【発刊日】 2024年1月31日
【調査レポートの詳細な案内】 リンク
【価格】 180,000円(税別) RPAツールとNLDツールのどちらか一方のみの販売は行っておりません


補記:社数シェア集計/分析の対象となっているノーコード/ローコード開発ツールの一覧

本リリースの元となる調査レポートでは具体的なノーコード/ローコード開発ツールの導入済み/導入予定の社数シェアを集計/分析している。選択肢に掲載される製品/サービスは過去の調査結果や最新の市場状況などを踏まえた上で選定される。
自由回答の中から多く挙げられたものは選択肢として新たに取り上げ、逆に一定期間以上シェア数値がないものは割愛するという方針で年毎に調整を行っている。 <<超高速開発ツール>>
データ構図や画面レイアウトなどをツール上で設計/指定することで、プログラムを自動生成するもの
・GeneXus  ジェネクサス・ジャパン
・OutSystems  OutSystems
・Magic xpa(dbMagic)  マジックソフトウェア・ジャパン
・Web Performer  キヤノンITソリューションズ
・AppSQUARE  日立ソリューションズ東日本
・楽々Framework3  住友電工情報システム
・Sapiens eMerge  サピエンステクノロジー・ジャパン
・intra-mart Accel Platform(Accel-Mart Quick/Plusを含む)  NTTデータ イントラマート
・HCL Domino Leap(HCL Domino Volt)  HCL Software
・AWS Amplify  Amazon Web Services
・Adalo  Adalo
・Bubble  Bubble
・Click  NoCode Japan
<<PaaSとして提供されているもの>> (PaaSを出自としているもの)
クラウド上に開発環境と実行環境が配備されており、月額/年額のサービスとして提供されているもの
・Lightning Platform(Force.com)  セールスフォース・ドットコム
・kintone  サイボウズ
・Power Apps  日本マイクロソフト
・AppSheet  グーグル
<<カジュアルデータベース>> (超高速開発ツールと比べて、やや簡易なもの)
ExcelやAccessのようにデータ構造を定義し、部品を組み合わせて操作/表示の画面を作成するもの
・Claris FileMaker  Claris(クラリス)
・JUST.DB / UnitBase  ジャストシステム
・Zoho Creator  ゾーホージャパン
・コンテキサー  アプストウェブ
・Forguncy  グレープシティ
・CELF  SCSK
<<グループウェアと関連が深いもの>> (グループウェアから派生した出自をもつもの)
グループウェアベンダによって提供され、独自のアプリケーションを作成できる仕組みを備えたもの
・AppSuite  ネオジャパン
・SmartDB  ドリーム・アーツ
・POWER EGG Webデータベース  ディサークル
<<CRMや基幹系システムと関連が深いもの>> (CRMや基幹系システムから派生した出自をもつもの)
CRMの一環として導入されることが多く、独自のアプリケーションを作成できる仕組みを備えたもの
・SMILE V Custom AP Builder  OSK(大塚商会)
・SMILE V CRM Quick Creator  OSK(大塚商会)
・SPIRAL  スパイラル(パイプドビッツ)
<<iPaaS/データ連携ツール>>
複数のシステムやクラウドサービス間を連携することに重点を置いたもの
・DataSpider Cloud  セゾン情報システムズ(HULFT)
・ASTERIA Warp  アステリア
・Anypoint Platform  MuleSoft
・Workato  Workato
・Informatica Intelligent Cloud Services  インフォマティカ
・Boomi  Boomi
・Power Automate  日本マイクロソフト
・IFTTT  IFTTT
・Zapier  Zapier
・Anyflow  Anyflow
・Claris Connect  Claris(クラリス)
<<その他>>
・その他:


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