液体合成燃料製造に向けた「SOEC共電解実用化の研究開発」をNEDO委託事業として4者共同で開始

CO2を原料とする液体合成燃料の高効率な製造の研究開発を推進し、カーボンリサイクルを実現



                                     一般財団法人 電力中央研究所
                                         日本特殊陶業株式会社
三菱電機株式会社

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  図1 CO2を原料にした液体合成燃料のカーボンリサイクルプロセスのフローと今回の研究開発の概要

 一般財団法人 電力中央研究所(以下、「電力中央研究所」)、日本特殊陶業株式会社(以下、「日本特殊陶業」)、国立大学法人 東京工業大学(以下、「東京工業大学」)、三菱電機株式会社(以下、「三菱電機」)は、二酸化炭素(CO2)を原料にした液体合成燃料の高効率な製造を目指し、SOEC(※1)共電解の実用化に関する研究開発を2023年12月20日に開始します。本研究開発は、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、「NEDO」)が「カーボンリサイクル・次世代火力発電等技術開発(JPNP16002)/CO2排出削減・有効利用実用化技術開発/液体燃料へのCO2利用技術開発/次世代FT反応と液体合成燃料一貫製造プロセスに関する研究開発」において追加公募した「SOEC共電解実用化の研究開発」に採択(※2)されたものです。
 CO2を原料とした液体合成燃料は、ガソリンや軽油、灯油、ジェット燃料など、さまざまな燃料に転換できるため、燃料を取り扱う既存の石油サプライチェーンを継続して活用することができます。また、燃料の利用によって発生したCO2から再び液体合成燃料を製造できることから、カーボンリサイクルの有効な手段として注目されています。一方で、液体合成燃料の普及に向けては生産効率の低さやコストの高さなどが課題となっています。液体合成燃料の製造方法の一つとして、水素(H2)と一酸化炭素(CO)の合成ガスから触媒反応を用いて液体炭化水素を生成するFT合成(※3)が注目されていますが、高効率化と低コスト化に向けては、必要となる合成ガス(H2とCO)の生成効率の向上が求められています。本研究開発で取り組むSOEC共電解は、水蒸気(H2O)とCO2を電気分解してH2とCOを生成する技術であり、合成ガスの生成の大幅な効率化が期待されています。
 現在、先行するNEDO事業ではSOEC共電解とFT合成を組み合わせた高効率で低コストな液体合成燃料の一貫製造プロセスを構築し、実用化を目指す研究が進められています。

 今後、4者はそれぞれに保有するSOEC共電解に関する技術を結集し、共電解システムの高効率化や大容量化、信頼性向上に向けた研究開発に取り組むとともに、先行するNEDO事業に参画し、液体合成燃料一貫製造プロセスに関する研究開発に取り組んでいる一般財団法人 石油エネルギー技術センター、国立研究開発法人 産業技術総合研究所とも連携し、FT合成を含めた液体合成燃料一貫製造プロセスの構築に関する技術実証に向けて研究開発を進めていきます。
 本研究開発により、カーボンリサイクルを通じて脱炭素社会の実現に貢献します。

■「SOEC共電解実用化の研究開発」の概要
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■今後の予定・将来展望
 今回のSOEC共電解システム技術は、資源エネルギー庁が2025年度から5ヶ年計画で予定している100kW級液体燃料一貫製造のパイロットプラント実証研究への採用を目指しています。


※1 SOEC:Solid Oxide Electrolysis Cell 固体酸化物形電解セル
※2 本事業の採択に関するNEDOの発表 リンク
※3 FT合成:Fischer-Tropsch(フィッシャー・トロプシュ)反応により一酸化炭素と水素から炭化水素を合成する技術
※4 電解質をアノードとカソード、およびそれぞれの流路で挟み込んだ単一の電気化学反応器(セル)を積層したもの

プレスリリース提供:PR TIMES リンク

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