エネルギー効率に優れたCPO用外部光源を開発、ECOC 2023にて発表


● CPO(Co-Packaged Optics)向けに低消費電力の外部光源を開発
● ハイパースケールデータセンタ、エッジデータセンタにおける次世代ネットワークスイッチ装置の実現に貢献
● 2023年10月に開催される「ECOC 2023」にて口頭発表と本製品の展示をおこなう

 古河電気工業株式会社(本社:東京都千代田区大手町2丁目6番4号、代表取締役社長:森平英也)は、ハイパースケールデータセンタやエッジデータセンタにおけるCPOを用いた次世代ネットワークスイッチ装置の実現にむけ、低消費電力の外部光源を開発しました。

■背景
 クラウドサービスや5Gなどの新しい情報通信サービスの普及にともない、データセンタにおける高速なデータ処理の重要性が増してきています。ハイパースケールデータセンタおよびエッジデータセンタにおいては、使用されるネットワークスイッチ装置の大容量化と消費電力の削減が大きな課題となっており、次世代のネットワークスイッチ装置内の電気配線の一部を光に置き換えるCPOの導入が期待されています。CPOでは高速に電気信号処理をおこなうスイッチASIC(Application Specific Integrated Circuit、特定用途向け集積回路)と、その周りにシリコンフォトニクスを用いた光トランシーバを同一基板に実装します。シリコンフォトニクスは発光しないことから、外部に光源をおいて光を供給する形態が提案されています。また、環境温度が低い筐体のフロントパネルに外部光源を配置しているので、信頼性にも配慮した形態となっています(図1)。外部光源(図2)は、プラグ着脱可能なハウジングの中に複数のレーザを搭載しています。この外部光源には、高い光出力と電力変換効率の最大化が期待されてきました。



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図1 CPOを用いたスイッチ装置の上面概略図



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図2 外部光源例

(ピグテイル型QSFP外部光源)

■内容
 この度、当社で開発したCPO用外部光源は、光トランシーバで一般的に用いられるQSFPハウジング、8チャンネルTOSA(Transmitter Optical Sub-assembly)と制御回路で構成されています(図3)。8チャンネルTOSAには、非冷却状態で高い光出力を得るために、自社製高出力DFB(Distributed Feedback)レーザダイオードを内蔵し、さらに高い光結合効率を有する光学系を実現しました。TOSAの放熱構造も最適化し、TOSAケース温度55℃、チャンネル当たりの光出力100mWの駆動条件において、レーザ駆動電流を300mA以下まで抑制しました(図4)。8チャンネルTOSAを駆動する駆動回路は、MCU(Microcontroller Unit)、温度センサ、レーザ駆動回路で構成され、ホストからのコマンドに基づく制御をおこないます。ハウジング温度55℃、チャンネル当たりの光出力100mWの駆動条件では、TOSAと制御回路をあわせた消費電力で5.6Wを達成しました。電力変換効率としては14.3%となり、業界最高レベル(当社調べ)を達成しています。このように、小型のQSFPハウジングを用いても十分に低消費電力で動作する外部光源を実現し、CPOを用いたスイッチ装置の実用化に向けて、サンプル出荷を既に開始しています。また、量産開始は、2025年度以降を予定しています。
 なお、2023年10月1日から5日に英国・グラスゴーで開催されるECOC 2023において、2日から4日に本製品の展示(FITEL-FURUKAWA ELECTRIC EUROPEブース内・ブース番号230)、4日に口頭発表をおこないます(ECOC 2023:リンク )。
 当社は、CPOの導入に必要な外部光源の提供を通して、引き続き、大容量情報通信と高効率エネルギー社会の実現に貢献してまいります。



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図3 QSFP外部光源内部構造



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図4 I-L特性(ケース温度55℃)



■主な製品仕様




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■古河電工グループのSDGsへの取り組み
 当社グループは、国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」を念頭に置き、2030年をターゲットとした「古河電工グループ ビジョン2030」を策定して、「地球環境を守り、安全・安心・快適な生活を実現するため、情報/エネルギー/モビリティが融合した社会基盤を創る。」に向けた取り組みを進めています。ビジョン2030の達成に向けて、中長期的な企業価値向上を目指すESG経営をOpen,Agile,Innovativeに推進し、SDGsの達成に貢献します。

古河電工グループのSDGsへの取り組み
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