2023年 インバウンド復調の成否に影響されないITインフラ更新提案のポイント

ノークリサーチはインバウンド復調への期待が高まる中、その成否に影響を受けずにITインフラ更新提案を進めるためのポイントを分析し、その結果を発表した。

<ITインフラ提案においても、業種毎に深く関連するビジネス環境変化を踏まえることが大切>
■小売業や一般サービス業では人材不足に悩む一方、インバウンド復調への期待が大きい
■訪日観光客の「購買」から「体験」への嗜好変化が結果的にIT支出の増減にも影響してくる
■「アプリケーション単位の接続許可」はIT支出増減に関係なく訴求可能なニーズ項目の1つ

PRESS RELEASE(報道関係者各位) 2023年9月19日

2023年 インバウンド復調の成否に影響されないITインフラ更新提案のポイント

調査設計/分析/執筆:岩上由高

ノークリサーチ(本社: 〒160-0022東京都新宿区新宿2-13-10武蔵野ビル5階23号室:代表:伊嶋謙ニ TEL:03-5361-7880URL:http//www.norkresearch.co.jp)はインバウンド復調への期待が高まる中、その成否に影響を受けずにITインフラ更新提案を進めるためのポイントを分析し、その結果を発表した。本リリースは「2023年版 中堅・中小企業のDXおよびITソリューション選定の実態レポート」および「2023年版 中堅・中小企業におけるネットワーク環境の実態と展望レポート」のサンプル/ダイジェストである。


<ITインフラ提案においても、業種毎に深く関連するビジネス環境変化を踏まえることが大切>
■小売業や一般サービス業では人材不足に悩む一方、インバウンド復調への期待が大きい
■訪日観光客の「購買」から「体験」への嗜好変化が結果的にIT支出の増減にも影響してくる
■「アプリケーション単位の接続許可」はIT支出増減に関係なく訴求可能なニーズ項目の1つ

調査対象企業: 年商500億円未満の中堅・中小企業700社(日本全国、全業種)(有効回答件数)
調査対象職責: 経営層およびIT活用の導入/選定/運用に関わる立場
調査実施時期: 2023年4月~5月
※調査レポートの詳細については本リリース末尾を参照


■小売業や一般サービス業では人材不足に悩む一方、インバウンド復調への期待が大きい
本リリースの元となる2つの調査レポートの1つ目「2023年版 中堅・中小企業のDXおよびITソリューション選定の実態レポート」では有効回答件数700社の中堅・中小企業に対して、経常利益の増減に影響を与える様々なビジネス環境変化を尋ねた結果を集計/分析している。以下のグラフはその中から、小売業と一般サービス業(IT企業を除く)において「インバウンドの復調」や「人材不足」が経常利益の増減とどのように関連しているか?のデータを抜粋したものだ。
小売業と一般サービス業のいずれも、「インバウンドの復調」(青帯)の値は経常利益の増減見通しが「減少」よりも「増加」の方が大きく、「人材不足」はその逆の傾向を示している。つまり、人材不足が収益を下げる要因となる一方、インバウンドの復調によって収益増を見込むユーザ企業が多いことがわかる。実際、2023年7月の訪日外国人数はコロナ禍以前の8割程度まで回復している。だが、小売業が期待を寄せる中国からの観光客については国内の不動産不況や原発処理水放出に対する中国政府の対応などの影響で今後の動向は楽観視できない状況と言える。 また、訪日外国人の嗜好が購買から体験に変わりつつある点にも注意が必要だ。
次頁以降では、インバウンドの動向予測が難しい状況下において、その影響を極力受けずにITインフラ更新の提案を進めるための施策を分析した結果を述べている。


■訪日観光客の「購買」から「体験」への嗜好変化が結果的にIT支出の増減にも影響してくる
本リリースの元となる調査レポートでは以下の選択肢を列挙して、経常利益の増減に影響すると考えられる要因は何か?についても分析を行っている。(同じ要因でも、経常利益の増加と減少の双方に影響する点に注意する必要がある) 小売業と一般サービス業について、上記の中から「インバウンドの復調」と「人材不足」が経常利益の増減見通しに与える影響を示した結果が冒頭のグラフである。冒頭のグラフを見ると、インバウンドの復調が経常利益の増加に寄与する傾向は小売業の方が大きく(=経常利益の「増加」と「減少」の差を比べると、青帯の長さの差は小売業の方が大きい)、逆に人材不足が経常利益の減少に影響する傾向は一般サービス業の方が大きい(=経常利益の「減少」と「増加」の差を比べると、橙帯の長さの差は一般サービス業の方が大きい)。 つまり、外国人観光客の数自体が伸び悩んだ場合は両業種共に経常利益の増加が期待を下回るが、中国人観光客の「爆買い」が再来した場合は小売業がより多くの恩恵を受けることになる。一方で、訪日客の嗜好が購買から体験に移行した場合は一般サービス業にも商機が訪れるが、人材不足にどう対処するか?が大きな課題となる。 このようにインバウンドの復調が中堅・中小の小売業や一般サービス業の業績にどう影響するか?を判断/予測することは容易ではない。ただ、明らかなのは経常利益の増減はIT支出の増減にも直結するという点だ。 左記のグラフは中堅・中小企業に対して「IT支出の増減見通し」を尋ねた結果を経常利益の増減見通しが増加の場合と減少の場合に分けて集計したものだ。 経常利益の減少を見込む場合にはIT支出も減少し、逆に経常利益が増加となればIT支出も増加することが改めて確認できる。 つまり、小売業や一般サービス業ではインバウンドの復調が経常利益の増減見込みに大きく影響するが、その動向を予測/判断することは難しく、結果的にIT支出の増減見込みも見通しが立てづらい状況と言える。そのため、IT企業がこれらの業種に対してITインフラ更新の提案を行う際には IT支出が増加した場合/減少した場合の双方に対応できる製品/サービスを訴求する必要がある。次頁ではそうした観点からの分析結果を述べる。

■「アプリケーション単位の接続許可」はIT支出増減に関係なく訴求可能なニーズ項目の1つ
本リリースの元となる2つの調査レポートの2つ目「2023年版 中堅・中小企業におけるネットワーク環境の実態と展望レポート」では、以下のような選択肢を列挙してセキュリティやネットワークの製品/サービス導入に際して必須と考える機能は何か?を尋ねている。
※3・アプリケーション単位で接続許可などを管理できる 例) ユーザ単位や端末単位ではなく、利用するアプリ毎に接続を許可できる
・クラウドサービスの利用状況を把握/制御できる 例) クラウドサービスのアクセス権限が適切か?を確認できるサービスなど
・不正サイトへの接続による被害を防止できる 例) Webサイトから取得したファイルを隔離環境下で開いて検証するなど
・複数のネットワーク機器を遠隔で一括管理できる 例) 店舗に設置された無線LANアクセスポイントの設定を遠隔で更新できる
・ネットワーク機器を月額費用のみで利用できる 例) ローカル5Gのアクセスポイントを初期無償の月額課金で利用できる
・端末側にモジュールを導入しなくても利用できる 例) PCにモジュールを導入せずに、SSL-VPNで社外から社内に接続できる
※2・Wi-FiやLANケーブルの最新規格に対応している 例) Wi-Fi 6 規格対応のルータや通信速度10 GbpsのLANスイッチなど
・移動や高負荷に強い無線通信環境を実現できる 例) チャネルやアクセスポイントの自動切替に対応したWi-Fiルータなど
※1・多要素認証や二段階認証に対応している 例) ID/パスワードに加えて、スマートフォンのショートメッセージで認証する
・生体認証(顔、指紋など)に対応している 例) Windows OSが備える顔認証(Windows Hello)を用いてVPN接続を行う
・トラブル発生時の原因特定を支援してくれる 例) ネットワークの状況を可視化し、問題箇所を分かりやすく示すツールなど
・従業員のIDを集約して管理することができる 例) 複数システムのIDを集約して、従業員一人に一つのIDを割り当てる
・特権IDや放置IDの管理を支援してくれる 例) 使われていない管理者IDを特定し、不正アクセスを予防するツールなど
・セキュリティが十分でない端末を隔離できる 例) 最新のパッチが適用されていないPCはLAN接続時に自動隔離するなど
・遠隔で端末内のデータをロック/消去できる 例) ノートPCを紛失した際に、内蔵SIMを通じて遠隔でデータ削除を行うなど
ここでは一部の項目を抜粋しているが、調査レポートではセキュリティやネットワークに関する製品/サービスの導入における方針/ 課題/ ニーズなどを多岐に渡って集計/分析している。
以下のグラフは上記の中から※1、※2、※3の回答割合をIT支出の増減見通しが「減少」の場合(青帯)と「増加」の場合(橙帯)に分けて集計した結果である。
「多要素認証や二段階認証」(※1)の値はIT支出を減らす場合では5%未満に留まっている。セキュリティ対策の必要性は中堅・中小企業も理解しているが、IT支出を抑制しようとするユーザ企業では「パスワードを複雑にすれば対処できるのでは?」などのように手軽/安価な代替策で間に合わせようとする意向が働きやすい。そのため、認証を強化する施策はインバウンド復調が停滞した場合は訴求が難しくなる可能性がある。一方、「Wi-FiやLANケーブルの最新規格への対応」(※2)はIT支出を減らす場合でも16.9%に達している。これは「最新規格を採用して長く利用することでIT支出を抑制したい」という意向の表れと捉えることができる。だが、IT支出の増加を見込む場合の値は1割未満となっており(既に最新規格に対応済みであるケースが多いと考えられる)、成果を期待できる施策とは言いづらい。しかし、「アプリケーション単位の接続許可」(※3)はIT支出が増加/減少のいずれの場合でも約17%と比較的高い値を示している。クラウドサービスも含めた様々なアプリケーションが利用されている現状では「社外からの利用を許可するアプリはどれか?」などをきめ細かく設定できることが重要であり、不正アクセス被害を防止するという観点ではIT支出の増減に関係なく重視しているユーザ企業が多いと考えられる。したがって、インバウンド復調の動向が読みづらい状況下では(※3)のようにIT支出増減に依存しないITインフラ更新提案を訴求することが有効だ。ここでは多数のニーズ項目の中から一部を抜粋したが、調査レポートでは上記に列挙した項目がどのタイプに当てはまるか?の集計と分析を行っている。


本リリースの元となる調査レポート

『2023年版 中堅・中小企業のDXおよびITソリューション選定の実態レポート』
自動化、データ共有、ペーパレス化、生成AI、IoT、ドローン、VR/AR/デジタルサイネージ、3Dプリンタ、ロボットなど、50項目に渡る具体的なDX/ITソリューションの導入状況、ユーザ企業が抱える課題とニーズ、IT商材の訴求手段(メディア、SNS、セミナー、展示会など)の選択までを網羅したIT活用提案における必携書
【レポートの概要と案内】 リンク
【リリース(ダイジェスト)】
中堅・中小市場で選ぶべき顧客接点とは?(Webサイト/SNS/メール/電話/Web会議など)
リンク
中堅・中小企業のIT支出を左右する経常利益の増減見通しとその要因分析
リンク
12分野、50項目に渡るDX/ITソリューションの活用実態における変化
リンク
中堅・中小市場で留意すべきユーザ企業とIT企業の「すれ違い」ポイント
リンク
年商別/業種別のIT支出増減予測およびIT支出を増やす商材と減らす商材
リンク
【価格】¥180,000円(税別)

『2023年版 中堅・中小企業におけるネットワーク環境の実態と展望レポート』
今後はネットワーク環境(LAN、VPN、SASE、5G、IoT、FMCなど)とセキュリティ対策(IdP/IAM/IDaaS、NGAV、EDR/NDR、MDM、DLPなど)を同時に考慮したITインフラ整備が不可欠、それを実現するための提案ポイントを有効回答件数700社の調査データを元に徹底解説
【レポートの概要と案内】 リンク
【リリース(ダイジェスト)】
セキュリティ対策を起点とした中堅・中小向けネットワーク製品/サービスの訴求
リンク
IT企業が見落としやすい中堅・中小ネットワーク環境の意外な課題/ニーズ
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中堅・中小企業におけるネットワーク製品/サービスの市場規模と導入時の基本方針
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【価格】¥180,000円(税別)

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当調査データに関するお問い合わせ

株式会社ノークリサーチ 担当:岩上由高
〒160-0022 東京都新宿区新宿2-13-10 武蔵野ビル5階23号室
TEL03-5361-7880 FAX03-5361-7881
Mail: inform@norkresearch.co.jp
Web: www.norkresearch.co.jp

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