高出力低消費電力駆動のラマン増幅器用ポンプレーザFRL1441Uシリーズの帯域拡張でS帯・L帯に対応


● 高出力低消費電力のラマン増幅器用励起光源FRL1441Uシリーズの帯域拡張でS帯・L帯に対応
● S帯は高出力低消費電力駆動(700mW)、L帯は低消費電力駆動(当社比33%減)を重視
● 本年9月より量産を開始し、S帯~C帯~L帯で任意の信号光源を増幅できる部品供給が可能に

 古河電気工業株式会社(本社:東京都千代田区大手町2丁目6番4号、代表取締役社長:小林敬一)は、高出力低消費電力駆動のラマン増幅器用励起光源FRL1441Uシリーズについて、従来のC帯からの帯域拡張として、新たにS帯・L帯用途を開発し、ラインナップを拡充しました。本年4月よりサンプル出荷、本年9月より量産を開始します。
 なお、今回のS帯・L帯用ラマン増幅器用励起光源の開発は、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT(エヌアイシーティー))の委託研究「Beyond 5G超高速・大容量ネットワークを実現する帯域拡張光ノード技術の研究開発」(基幹課題045)の一環として実施しており、その成果の一部となります。

■背景
 通信伝送速度の高速化に伴い、信号受信側のOSNR(注1)の劣化により伝送距離が短尺化し、特に既存の通信システムを活用して高速化する場合、信号光の品質を劣化させずに光出力を増幅するラマン増幅器の役割がより重要となってきます。また、高速伝送により信号の波長幅が拡がるため、大容量伝送を行うためには波長帯域の拡大が必要となり、励起用光源の波長を選択することで任意の信号光源を増幅できるラマン増幅器は最も柔軟性が高い光増幅器となります。
 当社は20年以上にわたりラマン増幅器のキーコンポーネントであるポンプレーザを製造するリーディングカンパニーとして光通信の発展に貢献してきました。

■内容
 当社は、ラマン増幅器用励起光源FRL1441Uシリーズについて、昨年開発したC帯700mWに加えて、新たなラインナップとしてS帯・L帯用途の製品を拡充します。光伝送における誘導ラマン散乱の影響により短波長側のエネルギーが長波長側へシフトする現象を考慮して、S帯用途では高出力低消費電力駆動、L帯用途では低消費電力駆動を重視し、設計の最適化を図りました。S帯用途では700mW(図2)、L帯用途では低消費電力駆動(当社比33%減、図3)の500mW品を開発しました。本開発は、25年以上培ってきたInP(注2)系光半導体材料を用いた光半導体プロセス技術と高精度のファイバ結合技術に加え、当社独自の低損失・高効率の半導体レーザ素子構造を採用し、高出力化・広帯域化を実現しました(当社特許取得済み)。本年4月よりサンプル出荷、9月より量産開始を行います。
 本製品を用いることにより、高出力化のため従来2台必要な励起光源を1台に置き換える省スペース化、かつ、低消費電力化によりラマン増幅器の省電力化に貢献することができます。また、ラインナップ拡充によりS帯からL帯まで任意の信号光源を増幅できるラマン増幅器への部品供給を可能とし、超高速・大容量ネットワーク構築の実現に貢献します。



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図1 FRL1441Uシリーズ










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図2 電流ー光出力特性(S帯)、チップ温度35℃






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図3 消費電力削減効果(L帯)

■主な特性





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(注1)OSNR(Optical Signal to Noise Ratio):光信号 対 雑音比を表すパラメータ。
(注2)InP(Indium Phosphide):レーザダイオードチップ、高速トランジスタの製造に使用されるIII-V族半導体の一種。

なお、2023年3月7日~9日に米国サンディエゴで開催される「OFC 2023」で本製品を展示(OFS Fitel, LLCブース内・ブース番号3229)します。
OFC 2023: リンク

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■古河電工グループのSDGsへの取り組み
当社グループは、国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」を念頭に置き、2030年をターゲットとした「古河電工グループ ビジョン2030」を策定して、「地球環境を守り、安全・安心・快適な生活を実現するため、情報/エネルギー/モビリティが融合した社会基盤を創る。」に向けた取り組みを進めています。ビジョン2030の達成に向けて、中長期的な企業価値向上を目指すESG経営をOpen,Agile,Innovativeに推進し、SDGsの達成に貢献します。

古河電工グループのSDGsへの取り組み
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