2022年 定額制音楽配信サービス利用動向に関する調査

株式会社 ICT総研 (東京都中央区)は11月11日、「2022年 定額制音楽配信サービス利用動向に関する調査」の概要をまとめた。

■定額制音楽配信サービス利用者数は2022年末に2,770万人、2025年末に3,250万人へ

 日本レコード協会の統計によれば2021年の日本の音楽コンテンツ市場は、CDなどのオーディオレコード市場が1,280億円で前年比1%の減少であったのに対し、音楽配信市場は895億円で前年比14%増となった。音楽配信の市場規模は年々拡大しており、パッケージ型のオーディオレコードの減少を補完している。
 ICT総研では、音楽サービスの主流となりつつある定額制音楽配信サービスの市場動向について調査を行い、現在の市場規模を推計した。ICT総研の需要予測では、2021年末時点で日本国内の音楽配信サービスの利用者数は約2,590万人と推計される。
 2,590万人の利用者のうち毎月一定額の料金が発生する有料サービス利用者数は1,520万人、無料のお試しサービスなどを利用中の無料サービス利用者数は1,070万人となる。また、2022年末の時点では有料サービス1,720万人、無料サービス1,050万人で2,770万人に達する見込みだ。さらに2023年末には有料・無料サービス合計で2,930万人、2022年末に3,090万人、2023年末には3,250万人に拡大すると予測される。


■定額制音楽配信サービスの有料サービス利用率は24.2%、無料サービス利用率は22.0%

 ICT総研が2022年10月に実施したWebアンケート調査の結果では、定額制音楽配信有料サービス利用者は1,066人(24.2%)、無料サービス利用者は971人(22.0%)であった。Webアンケートを実施した4,409人のうち46.2%にあたる2,037人が有料または無料の定額制音楽配信サービスを利用していることがわかる。2020年10月に実施した前回の調査と比較して有料サービスで5.0%、無料サービスで8.7%利用率が向上する結果となった。有料サービスの利用率は年々増加傾向で成長率が高く、無料サービス利用率はこの二年間で大きく利用率を伸ばした。
 定額制音楽配信サービスのうち有料サービスでは20代~30代の利用率が最も高く、無料サービスでは10代~20代の利用率が高い傾向が見られる。総じて年齢層が高くなるほど音楽配信サービスの利用率は低下する傾向が見られ、現時点では10〜30代が音楽配信サービス市場を支えていると言えそうだ。


■利用者数トップはPrime Music、2位はSpotify、 3位 Apple Music、4位 YouTube Music

 アンケート調査の結果では、Prime Music(Amazon)の利用者が最も多く551人だった。2位はSpotify で479人、3位はApple Musicで411人、4位はYouTube Musicで326人となった。さらにAmazon Music Unlimitedが 295人、LINE MUSICが250人、 AWA 85人、dヒッツ 67人、 auうたパス56人、TOWER RECORDS music 56人、KKBOX 44人と続く。前回の調査では6位だったSpotifyが4位に上がり、LINE MUSICが6位に後退した。
Prime Musicは、月額500円(年間契約4,900円)のAmazon Prime会員であれば利用できる音楽配信サービスで200万曲をラインナップしており、同時にプライムビデオのサービスも利用できる。価格が安いことから人気を集めており利用者数トップとなった。Amazonには、この他に9,000万曲以上が聴き放題となるAmazon Music Unlimitedもあり、両サービスを合わせたシェアは他を圧倒している。
前回の調査と比較すると各サービスの利用率は上がっているが、中でも最も利用者数が増えたのがYouTube Musicで、昨年の利用率3.7%から今年は4.7%へと3.7%増加している。この他では、Spotifyが1.6%増、Amazon Music Unlimitedが1.0%増、Apple Music が0.6%増、となった。その他のサービスの利用率は前年並みかマイナスとなっているものが多く、シェア上位のサービスに利用者が集中する傾向が見られる。


■顧客満足度トップ3は、KKBOX、Apple Music、TOWER RECORDS MUSIC

 Webアンケートの顧客満足度調査結果では、KKBOXが84.1ポイントで1位、Apple Musicが83.6ポイントで2位、TOWER RECORDS MUSICが82.1ポイントで3位につけている。さらにSpotify、LINE Music、AWAが79ポイント台で近接している。Prime Musicは利用率1位だが、視聴できる楽曲が200万曲程度しかないため満足度は低くなっている。


■定額制音楽配信サービスは7割以上のユーザーが個人用プランで契約

 Webアンケートの調査結果では、定額制音楽配信サービスで利用しているプランは個人用プランが最も多く399人、ファミリープラン(※)契約者が119人、契約者以外のファミリープラン利用者が32人、という回答だった。
現在有料サービス利用者のボリューム層にあたるのは20~30代の個人プラン契約のユーザーだが、今後家庭を持ちファミリープランに移行する事などが考えられる。ファミリープランの契約者数が増えることで定額制音楽サービスの利用者が増えていくことは間違いないだろう。

このプレスリリースの付帯情報

表1.定額制音楽配信サービス利用者数需要予測

(画像をクリックすると拡大画像をご覧いただけます。)

用語解説

【本資料の調査結果・推計データについて】

*この調査は、定額制音楽配信サービス運営会社・関連企業への取材結果に加え、インターネットユーザー4,409人へのWebアンケート調査、各種公開資料などをまとめて分析したものである。アンケート実施時期は2022年9月22日~10月4日。
*定額制音楽配信サービスの利用状況や満足度に関するWebアンケート調査では、4,409人の中から定額制音楽配信サービスを利用している1,632人を抽出し分析した。
*本資料における全ての文章、数値、表、グラフデータは、ICT総研スタッフによる取材やアンケート調査、各種文献等を元に当社アナリストが記述・推計したものであり、当該企業や公的機関等の公表値と異なる場合がある。
*本資料における全ての文章、数値、表、グラフデータは、資料公開時点のものであり、その後の市場環境等の変化や新たな分析に基づき予測データ等を予告なく変更する場合がある。
*本資料は報道・ニュースメディア向け資料であり、ICT総研の許可無く、データ、グラフ等を広告および販促活動に利用することを禁止する。
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