株式会社 ICT総研 (東京都千代田区)は5月9日、「2018年 モバイルニュースアプリ市場動向調査」の調査結果をまとめた。
■ニュースアプリの利用者は2017年度末に4,683万人、2020年度末には5,630万人へ
スマートフォン、タブレット端末などの普及に伴い、モバイルニュースアプリの利用者が急拡大している。新聞・雑誌などの紙媒体から、パソコン上でのニュースサイト閲覧へと利用者が移行し、現在ではモバイル端末上でのニュースコンテンツ利用が主流となってきた。
日本国内におけるモバイルニュースアプリの利用者数(アクティブユーザー数)は2014年度末に2,264万人だったが、2015年度末には3,378万人、2016年度末に4,093万人と増加が続いており、2017年度末(2018年3月末)には4,683万人に拡大した。今後は伸び率こそ落ち着くものの順調に増加を続け、2018年度末 5,156万人、2019年度末 5,431万人、そして2020年度末には 5,630万人がモバイルニュースアプリを中心としてニュースコンテンツを利用するものとICT総研は予測する。
従前は、モバイル端末上でニュースを見るユーザーの多くは、ニュースアプリではなくインターネットブラウザ上のニュースサイトを利用するケースが圧倒的であった。今後もブラウザ上のニュースサイトでニュースを閲覧するユーザーは3,000万人以上の規模で安定して推移すると見込まれるが、ニュースアプリの利用者数は増加を続け、これを上回る利用者規模で成長を続けている。
■ニュースアプリ利用率1位はYahoo!で27.7%、LINE NEWSが24.6%で2位
ICT総研では2018年4月27~5月2日にモバイルニュースアプリの利用実態について、インターネットユーザー 4,036人にWebアンケート調査を実施した。その結果、「1年以内にニュースアプリを利用したことがある」とした回答者は58.7%を占め、前回調査時(2017年3月)の52.4%から6.3ポイント増加した。
また1年以内に利用したことがあると回答した人の中で「1ヶ月以内に利用した」という回答者は9割近くに達した。多くの利用者が頻繁にモバイルニュースアプリを利用するアクティブユーザーであると思われる。
アンケート回答者の中で主に利用されているポータル系ニュースアプリは、Yahoo!ニュース(アプリ版)が27.7%でトップとなった。利用率2位はLINE NEWS(24.6%)、以下スマートニュース(18.3%)、グノシー(12.1%)、Googleニュース(11.4%)と続いた。
前回調査(2017年3月実施)と比較するとほとんどのサービスの利用率が高まっており、サービスが浸透し続けていると言える。
新聞系ニュースアプリでは、朝日新聞デジタルが最も多く、7.6%の利用率となった。次いで日経電子版が7.1%、読売プレミアムが5.6%、毎日新聞ニュース、産経電子版が4%台で続いている。
■ポータル系アプリの利用者満足度1位はスマートニュース、新聞系1位は日経電子版
モバイルニュースアプリの利用者に対して、満足度を聞いたところ、ポータル系アプリの利用者満足度1位はスマートニュースで74.0ポイントとなった。2位はYahoo!ニュースで73.0ポイント、以下LINE NEWS(72.5ポイント)、Googleニュース(72.2ポイント)、グノシー(70.2ポイント)と続いている。
新聞系アプリ利用者の満足度評価では、日経電子版が72.4ポイントで1位となった。2位は朝日新聞デジタルで72.2ポイント、3位以下は読売プレミアム(72.0ポイント)、毎日新聞ニュース(70.4ポイント)、産経電子版(70.3ポイント)と続く。
■日経電子版の利用者に占める男性比率は82.7%、LINE NEWSは48.3%が女性利用者
モバイルニュースアプリの多くはターゲット層が異なるため、利用者の男性比率・女性比率にも違いが見られる。ニュースアプリ利用者の性別を分類したところ、男性比率が最も高かったのは日経電子版で82.7%が男性利用者であった。産経電子版の男性比率も77.1%と高く、Google ニュースの男性比率も74.7%であった。
逆に女性比率が最も高かったのはLINE NEWSで48.3%、次いでグノシー34.3%、毎日新聞ニュース33.3%となっている。女性比率の高いLINE NEWSはこの数年間で利用者数を大きく伸ばしており、女性利用者の獲得が利用者増大のためには不可欠と言えそうだ。
また、LINE NEWSや、グノシー、スマートニュースは20代〜30代の利用者が多いのに対して、Yahoo!ニュースは50代以上の利用者が多い傾向にある。
新聞系アプリでは、日経電子版の利用者は50代がメインユーザーとなっているが、朝日・読売・毎日の利用者は20代が多いという特徴が見られる。これまで若年層の新聞離れが指摘されてきたが、スマートフォンなどのモバイルアプリを通じて新聞記事を読む10代・20代の利用者は意外に多く、新聞記事などのニュースコンテンツ自体は以前にも増してニーズが高まっていると言えそうだ。新聞・雑誌記事などを横断的に読むことのできるアプリやサービスも普及しており、様々な形でニュースコンテンツ利用者が増えていくことになるだろう。
【本資料の調査結果・推計データについて】
*この調査は、ニュースサイト運営会社・関連企業への取材結果に加え、インターネットユーザー4,036人へのWebアンケート調査、各種公開資料などをまとめて分析したものである。
*本資料における全ての文章、数値、表、グラフデータは、ICT総研スタッフによる取材やアンケート調査、各種文献等を元に当社アナリストが記述・推計したものであり、当該企業や公的機関等の公表値と異なる場合がある。
*本資料における全ての文章、数値、表、グラフデータは、資料公開時点のものであり、その後の市場環境等の変化や新たな分析に基づき予測データ等を予告なく変更する場合がある。
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