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エンタシス社とGARDP(グローバル抗菌剤研究開発パートナーシップ)による薬剤耐性淋菌感染症に対する新たな治療法の開発

特定非営利活動法人DNDi Japan 2017年07月13日 17時31分
From Digital PR Platform


<2017年7月6日DNDiが発表したプレスリリースの参考和訳です。>
薬剤耐性淋菌感染症に対抗するための、アクセスと適正使用に関する戦略が組み込まれた、新生GARDPによるエンタシス社との初の連携案件

[2017年7月6日ボストン/ジュネーブ]急速に拡大する薬剤耐性淋菌感染症の脅威に対処する数少ない開発中の治療薬の一つとしてファースト・イン・クラス(first-in-class)の新規経口抗菌剤ゾリフロダシン(Zoliflodacin)を用いた重要な臨床試験が、非営利組織GARDPとエンタシス社による新規パートナーシップの下に開始されます。本日発表されたWHO(世界保健機関)の新しいデータによると、調査に参加した世界77カ国のうち60%以上から淋菌感染症の最後の手段とされる治療法に対し耐性の報告があったとして注意を喚起しています。

ファースト・イン・クラスの抗菌剤ゾリフロダシンを共同開発するエンタシス社とGARDPは、南アフリカ、米国、タイにおいて国際共同第3相臨床試験を実施します。米国国立衛生研究所(the National Institutes of Health: NIH )の下部機関である米国国立アレルギー・感染症研究所( the US National Institute of Allergy and Infectious Diseases: NIAID )は、開発プロジェクトの一部である薬理試験の支援を計画しています。GARDPとDNDi(Drugs for Neglected Diseases initiative: 顧みられない病気の新薬開発イニシアティブ)が出資する上記の第3相試験と並行して、GARDPはエンタシス社の研究者と共同で、地域的に多様な最新の淋菌に対する抗菌剤の有効性を担保するための微生物検査を含む非臨床研究活動を行います。ゾリフロダシンが当局の承認を得た場合、エンタシス社は低・中所得国において、サブライセンス(再実施権)を伴う独占実施権(exclusive license)をGARDPに許諾する一方で、高所得国においては商業権を留保します。GARDPとエンタシス社は、低・中所得国および高所得国それぞれにおいて製品が公平で入手可能な価格設定となるよう力を尽くします。

「淋菌感染症は、治療のために処方される医薬品に対し耐性を獲得し続けており、最終手段を含むすべての治療法に耐性を得つつあります。エンタシス社とのパートナーシップにおいては、たとえ淋菌感染症治療の最後の手段が効果を失っても、淋菌感染症が治療不可能となる最悪のシナリオが現実とならないよう予め準備することを目指しています。すべての新規の抗菌剤に対し効果的な”適正使用”を義務付けるとともに、必要とするすべての人々が使用できるようにとの観点から、私たちは製品の薬事承認の必要性のみならず、ゾリフロダシンが公衆衛生上において最も効果的に使用されるために必要な試験を、追加して実施します。つまりこれはグローバルな課題に対するグローバルなアプローチと言うことができます。」とGARDPディレクターのマニカ・バラセガラム(Dr. Manica Balasegaram)博士は述べています。

毎年、約7,800万件の淋菌感染症の新規感染例が報告されています。淋菌感染症の起炎菌であるNeisseria gonorrhoeaeは、生殖器、直腸、および咽喉に感染を引き起こし、重症化すると特に不妊症、子宮外妊娠、HIVリスクの上昇、および骨盤内感染症を引き起こす可能性があります。現在推奨されている主たる治療法は、セフトリアキソン(ceftriaxone)の注射およびアジスロマイシン(azithromycin)の経口投与です。

本日公表されたWHOの資料によると、耐性化がさらに進めば、これらの治療法でさえ、過去数十年の間に淋菌感染症に対して効果を失った抗菌剤リストに加えられる危険性があることを示しています。

「薬剤耐性は公衆衛生上の重要な問題であり、世界中の多くの地域においてアンメット・ニーズ(unmet needs 満たされないニーズ)がますます高まっています。淋菌感染症は、罹患した患者さんに重大な弊害をもたらすと同時に、他の性感染症の拡散をも助長します。ゾリフロダシンは、患者さんとそのパートナーに簡便な経口治療を提供することにより、淋菌感染症の薬剤耐性の進展を阻止できる可能性があります。GARDPとの共同開発は、適正使用の順守とすべての患者さんが私たちの薬にアクセスできることを可能にする一方で、新しい抗菌剤を開発することにより強いアンメット・メディカル・ニーズに取り組む私たちの決意を示すものです。」と、エンタシス社CEOのマノス・ペロス(Dr. Manos Perros)博士は述べています。

エンタシス社のゾリフロダシンは全く新しい種類の抗菌剤で、淋菌感染症治療に特化して新たに開発された唯一の薬剤候補であり、これは適正使用推進のために重要な点です。ゾリフロダシンは、臨床分離されたフルオロキノロン(fluoroquinolones)および広域スペクトルセファロスポリン(extended spectrum cephalosporins)耐性菌などのNeisseria gonorrhoeaeに対して強力なin vitro抗菌活性を示し、NIAIDの出資によって最近行われた第2相臨床試験において、単回経口投与により優れた有効性を示しました。ゾリフロダシンは米国食品医薬品局( FDA )から認定感染症薬(Qualified Infectious Disease Product: QIDP)に指定され、ファストトラックステータス(優先審査)の対象となりました。

薬剤耐性は、地球規模の危機としてWHOやG20でも取り上げられ、新規治療法を開発するための新しいメカニズムが求められています。6月にはG20が初の保健大臣会合を開き、”抗菌剤に対するサイエンスと医薬品産業における研究開発を活性化させる”ために、GARDPに代表される組織に対する”自発的な資金援助の拡大”を呼びかけました。

以上

【Global Antibiotic Research & Development Partnership: GARDP(ガードピー)について】
2016年5月にWHO およびDNDiにより設立されたGARDPは、既に薬剤耐性のある、あるいは起こりつつある、または不適切な治療が行われている細菌感染に対する新規治療法を開発・供給することを目的としています。ゾリフロダシンは、GARDPの最初の研究開発プロジェクトの一つであり、製薬企業との最初のライセンス契約の対象となります。GARDPは現在、GARDPのガバナンスを担っているDNDi内で運営されています。GARDPの最初の資金援助は、ドイツの連邦保健省(Federal Ministry of Health)、 英国の国際開発省(Department for International Development: DFID), 国境なき医師団(Medecins Sans Frontières: MSF), スイスの連邦公衆衛生局(Federal Office of Public Health: FOPH), オランダの厚生労働省 (Ministry of Health, Welfare and Sport)および南アフリカの医学研究審議会(Medical Research Council: MRC)より提供されました。必要とされる当該プログラムへの資金援助‐推定予算50百万ユーロ‐に関して現在確保を進めています。www.gardp.org

【Entasis Therapeutics(エンタシス セラピューティクス社)について】
エンタシス社は、何百万人もの患者さんの生命に影響を及ぼし、地球規模で人々の健康に害を与える危機とされる、重篤な薬剤耐性細菌感染症に対する革新的治療薬のポートフォリオを作り上げています。エンタシス社の抗感染創薬プラットフォームでは、ETX2514SUL (適応:Acinetobacter baumannii感染)、 ETX0282CPDP (適応:Enterobacteriaceae感染)、およびゾリフロダシン(適応:Neisseria gonorrhoeae感染)など、重篤な細菌感染症に的を絞り適応別に差別化した各開発プログラムにより開発品パイプラインが構成されています。 www.entasistx.com

【Drugs for Neglected Diseases initiative, DNDi :顧みられない病気の新薬開発イニシアティブについて】
1990年代後半、発展途上国の現場で医療活動に従事していた国境なき医師団のチームは、顧みられない病気に苦しむ患者を治療できないことに苛立ちを募らせていました。患者の治療に使用する医薬品の効果がなかったり、強い副作用があったり、あるいは製造中止になって使用ができないなどの問題があったためです。そこで、国境なき医師団は、1999年に受賞したノーベル平和賞の賞金の一部を、患者のニーズを重視して、顧みられない病気に対する治療薬の研究開発(R&D)に取り組むための革新的な組織の設立に充てることに決定し、スイス・ジュネーブに本部を置く非営利財団として2003年7月に正式に発足しました。DNDiはヨーロッパを中心とした多くの政府機関および私設財団から資金援助を受けて活動しています。2013年度からは日本政府も参画する公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)による資金援助も受けています。また、WHOの熱帯病医学特別研究訓練プログラム(WHO-TDR)が常任オブザーバーとして参加しています。www.dndi.org/

【DNDi Japanについて】
DNDi Japanは、2003年に日本の活動を開始し、2009年に特定非営利活動法人として東京都の認証を受けました。顧みられない熱帯病(NTDs)に苦しむ途上国の人々を援助するために日本の窓口として、DNDi本部のプロジェクトを支援し日本国内外の協力先と協働して、NTDsの治療薬開発、それに関連する能力開発、ならびに啓発活動など、発展途上国の人々の保健医療、福利厚生に貢献することを目的とした活動を行っています。www.dndijapan.org/

お問合せ:広報担当 松本眞理(mmatsumoto@dndi.org/ TEL03-4550-1195)

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