業界最小かつ高精度な地震検知が可能な感震センサモジュール「BW9577」を開発

ローム株式会社 2017年03月16日 10時14分
From Digital PR Platform


<要旨>
ローム株式会社(本社:京都市)は、地震検知機能が必要とされる分電盤や家電、給湯器など向けに、3軸加速度センサで計測した地震波で地震レベルを判断し、検出信号を出力する業界最小・高精度な感震センサモジュール「BW9577」を開発しました。
本製品は、地震の揺れを表わす震度と高い相関性を有するSI値*1)を用い、独自の演算アルゴリズムを新たに開発。信号処理方法、計算パラメータ、計算シーケンスを最適化することで、高精度な感震判定が可能になりました。また地震と人為的な振動を区別する為の誤検知防止機能を搭載。これにより、地震発生時に的確に分電盤の制御を行うことができます。さらに、グループ会社ラピスセミコンダクタ製マイコンおよびKionix製MEMS 3軸加速度センサを採用し、最適設計を行うことで、業界最小の9.3×9.8×2.1mmサイズのモジュール形状を実現。アプリケーションの小型化に貢献するとともに、モジュール形状にしたことで、お客様の設計負荷の軽減にも寄与します。
なお、今回開発した感震センサモジュールは、8月からサンプル出荷を開始し、12月に量産を開始する予定です。
ロームは位置や動作を検出するモーションセンサや周囲の環境を検出するフィールドセンサといった幅広いセンサラインアップに加え、センサを統括して制御するマイコンや各種無線デバイスなど、お客様のアプリケーションにあったトータルソリューションを提供しています。今後もロームは、用途が拡大するセンサ市場に向けて、社会の安全・快適を実現する製品を開発していきます。


<背景>
近年、大規模地震による電気火災などの二次災害を防ぐため、地震発生時に正確に揺れを検知し、各種機器・装置などを安全に停止させる機能が注目されています。また、2015年には感震ブレーカーに関するガイドラインが策定され、住宅密集地の住宅用分電盤に地震監視機能の設置が勧告されるなど、漏電監視だけではなく地震監視の需要が高まりつつあります。一方で、各アプリケーションにおいては、電子化が進んでおり、新機能を搭載する際にスペース確保や設計負荷に対する課題がありました。
ロームは、長年培ってきたセンサ技術を駆使することで、業界最小サイズかつ高性能を両立する感震センサモジュールを開発することができました。


<特長>
1. SI値を用い、計算処理を最適化することで高精度な地震検知を実現
通常、地震の揺れの指標としては、体感的なものを「震度」、測定値には加速度の振幅で判定する「Gal値」が用いられています。一方で、地震の建物被害判定には、気象庁から出される計測震度と相関性が高いSI値が採用されています。
今回、ロームはこのSI値に着目した独自のアルゴリズムを開発。実測した加振データの解析を通じ、加速度データのデジタル信号処理、計算パラメータ、計算シーケンスの最適化を行うことで、従来の機械式センサに比べ、高精度な地震検知を実現します。

2. 誤検知防止機能により、地震と人為振動を区別
ブレーカーやコンセントなど、感震センサが搭載されるアプリケーションでは、人の日常生活に起因する様々な振動(人為振動)が発生しており、誤検知を起こす要因となっています。今回、各振動波形を分析し、新たに誤検知防止機能を搭載したことにより、地震波形と人為振動波形を区別することが可能となりました。これにより、地震発生時に的確な信号を出力し、ブレーカーやコンセントなどの適切な制御・遮断を実現します。

3. 業界最小サイズのモジュール形状
本感震センサモジュールは、グループ会社Kionix製MEMS 3軸加速度センサおよびセンサ制御に特化したラピスセミコンダクタ製CMOS 32bitマイコンを採用し、最適設計を行うことで、業界最小※の9.3×9.8×2.1mmサイズのモジュール形状を実現しました。これにより、機器の小型化寄与はもちろんのこと、各種アプリケーションに新機能を搭載する際の設計負荷の軽減にも貢献します。

※加速度センサおよび震度レベルを算出する演算アルゴリズムを搭載するモジュール製品として。


<アプリケーション>
●ブレーカーやコンセントなどの分電盤
※日本配線器具工業会規格「JWDS 0007 付2」に準拠。
●地震検知による家庭内の家電製品の稼働停止 など



<用語説明>
*1) SI値
地震によって一般的な建物にどの程度被害が生じるかを数値化したもの。

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