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生物時計の生後発達を制御する神経ペプチドの同定に成功 -- 北海道大学

北海道大学 2016年09月15日 08時05分
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・生後発達に伴い生物時計の神経ネットワークに機能変化が生じる。
・神経ペプチドVIPは新生児期の生物時計(視交叉上核)の細胞間カップリングを制御することを発見。
・神経ペプチドAVPは時計遺伝子Cry依存的に発現し細胞間カップリングを制御することを発見。
・視交叉上核の振動細胞には複数のサブタイプが存在し、VIP、AVPがこれらを統合して時計機能を維持。


■研究成果の概要
 睡眠・覚醒などさまざまな生体機能には24時間周期のリズムが認められ、私たちヒトを含めた哺乳類では、これらのリズムは視床下部視交叉上核に存在する生物時計により調節されている。生物時計は約1万個の神経細胞からできており、一つひとつの細胞が振動している。視交叉上核が時計として機能するためには、これらの多数の振動細胞を結合する神経ネットワークが必要である。生物時計は出生前から振動を開始する。本間客員教授らの研究グループは以前、生後発達に伴い視交叉上核の神経ネットワークが質的に変化することを示し、この変化には時計遺伝子であるCryptochrome(Cry)が関係することを明らかにした。しかしCryが視交叉上核の神経ネットワークをどう変化させるのか、それにはどのような分子が関係するのかは不明だった。
 本研究では、発光タンパク質であるルシフェラーゼを利用して、時計遺伝子発現リズムを光イメージングで可視化することで、生物時計の解析を可能にした。その結果、視交叉上核神経ネットワークの発達に伴う機能変化に、血管作動性腸管ペプチド(VIP)とアルギニンバソプレシン(AVP)が関与していることを発見した。VIPは新生児期における視交叉上核神経ネットワークの機能維持に必須であるが、成長とともにその役割は低下し、その後Cry依存的に発現するAVPが重要になる。これらの神経ペプチド(VIP、AVP)は視交叉上核の領域振動体の形成と結合に関わっていることも明らかになった。本研究成果は、発達過程における生物時計の機能維持に係る神経ネットワークを分子レベルで明らかにし、今後、小児の行動リズム異常や睡眠障害を伴うことの多い発達障害などの病態解明に結び付くことが期待される。
 本研究は文部科学省先端融合領域イノベーション創出拠点形成プログラム補助金により実施された。

■論文発表の概要
【研究論文名】
 Differential roles of AVP and VIP signaling in development of neural networks for coherent circadian rhythms in the SCN(AVPとVIPは視交叉上核の概日リズム形成のための神経ネットワーク発達に独自の役割をもつ)
【著 者】
 小野大輔(北海道大学大学院医学研究科、現 名古屋大学環境医学研究所)、本間さと(北海道大学脳科学研究教育センター)、本間研一(北海道大学)
【公表雑誌】 Science Advances (Science社の発行するオープンアクセスジャーナル)
【公表日】
 日本時間(現地時間) 2016年9月10日(土)午前3時(米国東部時間 2016年9月9日(金)午後2時) (オンライン公開)

※リリース全文は、PDFファイルを参照願います。

▼本件に関する問い合わせ先
 所属・職・氏名: 北海道大学脳科学研究教育センター 客員教授 本間 さと(ほんま さと)
 TEL: 011-706-4778
 FAX: 011-706-4737
 ホームページ: リンク

【リリース発信元】 大学プレスセンター リンク

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