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【腎臓病と塩の深い関係】減塩の極意は「塩を減らさない」?人気TV番組でも紹介された塩分メリハリ作戦の内容とは

NPO法人 腎臓サポート協会 2016年04月15日 17時30分
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NPO法人腎臓サポート協会では、会報誌『そらまめ通信』の送付やホームページ『腎臓病なんでもサイト』などを通じて、腎臓病の皆様に役立つ情報を提供しています。

今回は、2015年10月に近江八幡市立総合医療センター主催で開催された市民公開講座の内容を、八田内科医院 院長で近江八幡市立総合医療センター 腎臓センター顧問の八田告先生にご執筆いただきました。

腎臓のはたらきと塩との関係について、わかりやすくまとめられており、また、挫折しやすい減塩食を継続するコツについて、経験から得たユニークな方法をご紹介されています。
ぜひ参考になさって下さい。

■腎臓の働きと塩の調節
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 腎臓は、大きく分けて4つの働きを有しています。

(1)体の水分量を調整する(2)体液中の成分(ミネラル、酸塩基)を調整する (3)身体で作られた老廃物をろ過して、尿として排泄する (4)ホルモンを作る(エリスロポエチン→赤血球をつくる、レニン→血圧を上げる、ビタミンD→骨代謝の調節)

ミネラルのなかの一つがナトリウム、「塩」です。体のなかの塩は、細胞の浸透圧を一定に保つ、神経や筋肉の働きの調整、たんぱく質を溶解するなど食物の消化(胃酸)にも関与する大変重要なミネラルです。例えば、体内のナトリウムが不足すると、筋肉のけいれん(「つる」状態)、大きな血圧低下、ひどいときには意識障害を起こします。体内はおよそ体重の約0.2%の塩を保持しています(60kgの人なら120g)。

その塩分量を調節しているのが「腎臓」なのです。この調節には、レニンというホルモンが大きく関わっています。我々の祖先は大昔、4億年前まで海で生活していました。その後、陸に上がり二足歩行を始めたときに、体に塩を溜めて血圧を保とうとするホルモンを作りました。これをレニンといい、腎臓で作られることが分かっています。つまり腎臓は、塩調節ホルモンのレニンを通じて塩の出し入れを決めて、体内の塩分量を一定に保とうとしているのです。

■腎臓病になると塩が出にくい
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腎臓病や加齢により、腎臓の機能は低下します。腎臓の機能が低下すると塩を出しにくくなり、体にたまりやすくなります。たまった塩分は血管の外から水分を引き寄せ、血管内に塩分を含んだ水が増えるので、血圧が上がるわけです。これが塩分のとりすぎで高血圧になる理由です。

皆さん、腎臓病を悪化させる2大因子をご存知ですか?それは高血圧とタンパク尿です。高血圧になると、腎臓からタンパク尿が出やすくなります。このことに大きく関係しているのが塩分なのです。だから腎臓病を進行させないためには、塩分を控える必要があるのです。

人間が生活するのに必要な最低限の塩分は3gといわれています。しかし、現代人は塩分のとりすぎです。日本人の塩分摂取量は年々減少傾向にありますが(図1)、それでも世界的に見てもまだ多いとされています(図2)

図1. 食塩摂取量の平均値の年次推移 (20 歳以上)
図2. 食塩摂取量の各国比較

■減塩の極意
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 減塩の極意、それは“塩を減らさない”です。えっ?なにそれ?と思われるでしょう。2015年7月29日にNHKの”ためしてガッテン”で、近江八幡市立総合医療センターの塩分メリハリ作戦が紹介されました。すべての食事を減塩して薄味にしてしまうと、美味しくないので減塩が続かないという経験はないでしょうか?番組で紹介した塩分メリハリ作戦は、近江八幡市立総合医療センターの栄養士が、長年築き上げてきた指導の中で、得た手法です。

主になるおかず、あるいは好きな一品は、しっかりと味をつけて、その周りを囲む副菜は塩分をできるだけひかえて他の調味料で味をつけます。これによりトータルの塩分をぐっと減らすことができます。塩分にメリハリをつけることで美味しい食事をしながら減塩できる、これが塩分メリハリ作戦です。番組では、ゼロ塩レシピなども紹介され、塩を含まなくてもパンチのある美味しい食事が作れることも併せて紹介されました。また、減塩という言葉を極力使わないこと。減塩というとマイナスイメージで、味がない、美味しくない!につながる。塩を控えていても、“だしを効かせた”“スパイスを効かせた”“お酢を効かせた”などと紹介すると、減塩食でも美味しく食べられるようです。皆さんもどうぞお試しあれ!また我々の病院では、「○○はだめ」という指導は一切せず、むしろ禁句と考えています。何でも食べてよろしい、その代わり、トータルの塩分量を守ればよろしいと、指導しています。

今回は、塩分と腎臓病をテーマにした滋賀県近江八幡市の公開講座の内容の一部を紹介していただきました。皆様の腎臓病療養生活にお役立て頂ければ幸いです。この公開講座は毎年秋に実施しており、当協会も後援していますので、ご興味のある方は、どうぞご参加ください。

また、自分が摂取した塩分を知るためには、早朝の尿から前日の塩分摂取量をグラム(g)表示する「減塩モニタ」や、みそ汁やスープに直接入れて塩分を計る「塩分測定器」など、いろいろなグッズがあります。「塩分測定器」はそらまめ通信の「読者サロン」の景品にしていますので、すでにお使いの方もいらっしゃるでしょう。使った方々からは、「感覚でやっていた塩分調整がいかに主観的かがよく分かった」との意見が寄せられています。ご自分の塩分摂取量、一度、きちんと測定してみるのも良いかもしれません。


※この記事は、会報誌『そらまめ通信 Vol.84 腎臓病教室』の引用です。

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