世界血栓症デーに65カ国の関係者が入院患者の血栓評価試験システム実行呼びかけ

国際血栓止血学会 2015年10月13日 15時02分
From 共同通信PRワイヤー

世界血栓症デーに65カ国の関係者が入院患者の血栓評価試験システム実行呼びかけ

AsiaNet 62141 (1329)

【カーボロ(米ノースカロライナ州)2015年10月13日PR Newswire=共同通信JBN】
*世界の病院内で防ぎうる主たる死亡原因を減らすことによって、数十万の人命を救助する手助けをするため、より警戒心を持って行動する「患者の安全の呼びかけ」に重点的に取り組む

65カ国の300人余りの医療科学者、政府保健当局、支援団体関係者が、脚部や胸部で発症するさまざまな静脈血栓閉塞症(VTE)、血栓(血液凝固)について病院に起因するリスク評価を必要とするヘルスシステム確立を呼びかけるため参集した。世界保健機関(WHO)の患者安全プログラム(注1)によると、VTEは感染あるいは肺炎に先だって、世界の病院で防ぎうる死亡の主要な原因となっている。

リンク

世界血栓症デー(WTD)(リンク )は、10月13日に国際血栓止血学会(ISTH)が中心になって行われる行事であり、血栓あるいは世界の約4人に1人が死に至る症状(注2)である血栓症に対する関心を高める活動である。

*世界では年間推計約1000万人がVTEにかかっている(注3)。

*欧州と米国だけで、VTEにかかって毎年60万人が死亡している。これは前立腺がん、乳がん、AIDS、自動車事故を合わせた死亡数より多い(注4、5)。

現在、ほとんどすべてのヘルスシステムは、すべてのVTE症例の最高60%までが病院関連(注6)であるという事実があるにもかわらず、入院患者がVTEにかかるリスクを評価するようよう病院に求めていない。もしそれが義務化されれば、リスク評価は入院患者のVTE関連死亡の減少につながる(注7)。

オクラホマ大学健康科学センターの公衆衛生カレッジ学長で世界血栓症デー運営委員会会長であるゲーリー・ラスコブ博士は「病院に入院する患者は、外科もしくは内科疾患のいずであろうが、VTEにかかるリスクが増大する。入院はVTEの主要なリスク要因であり、病院はすべての患者についてVTEリスク評価を実行することに配慮する義務があることを知っておくべきだ。評価の結果は、VTEに対する証拠に基づく予防措置を取るかどうかの決定に利用される必要がある」と語った。

国際血栓止血学会(International Society on Thrombosis and Haemostasis、ISTH)のために世界的調査会社イプソス(Ipsos)が行い、Journal of Thrombosis and Haemostasis誌(リンク )が今年初め刊行した9カ国調査によると、入院はVTEのリスク要因であると考えている成人は、世界でわずか25%にとどまっている(注8)。この調査は7233人の回答者に質問、この種最大の国際的調査となった。

WTD開催中の病院とヘルスシステムに義務づける行動の呼びかけ問題に加えて、WTD期間中の努力は一般への啓蒙教育に集中的に取り組み、入院する人々はVTEリスク評価を積極的に求めるよう勧告する。

VTEは総じて以下のような症状である。
 *深部静脈血栓(DVT):深部静脈(通常は脚部)に発症する血栓。
 *肺塞栓症(PE):解き放たれて肺に飛ぶ血栓。これは直ちに医療措置が必要な致死的な症状。

事象を示唆する兆候、症状を認識することが人々にとって重要なことである。
 *脚部のDVTもしくは血栓:指標はふくらはぎに発症することが多い痛みか(触れると感じる)痛みもしくはむくみで、色が赤っぽく顕著な変化が起きたり脚部が熱っぽくなる。
 *肺塞栓症(PE)もしくは血栓:指標は原因不明の息切れもしくは呼吸促迫、胸の痛み(時に深呼吸でさらに悪化)、心拍数増加、そして意識もうろう(朦朧)もしくは気絶することもある。

これら指標は必ずしもVTEの存在を意味するものではないので、医療専門家は直ちに評価検査すべきである。

VTE、兆候・症状、主要なリスク要因、防止法に関する詳しい情報はWorldThrombosisDay.org (リンク )を参照。

VTEの動画はリンク を参照。

脚注

(注1)Jha AK, Larizgoitia I, Audera-Lopez C, Prasopa-Plaizier N, Waters H, Bates DW. The global burden of unsafe medical care: analytic modelling of observational studies. BMJ Qual Saf 2013; 22: 809-15.
(注2)Lozano R, Naghavi M, Foreman K, Lim S, Shibuya K, Aboyans V, Abraham J, Adair T, Aggarwal R, Ahn SY, Alvarado M, Anderson HR, Anderson LM, Andrews KG, Atkinson C, Baddour LM, Barker-Collo S, Bartels DH, Bell ML, Benjamin EJ, et al. Global and regional mortality from 235 causes of death for 20 age groups in 1990 and 2010: a systematic analysis for the Global Burden of Disease Study 2010. Lancet 2012; 380: 2095-128.
(注3)Jha AK, Larizgoitia I, Audera-Lopez C, Prasopa-Plaizier N, Waters H, Bates DW. The global burden of unsafe medical care: analytic modelling of observational studies. BMJ Qual Saf 2013; 22: 809-15.
(注4)Beckman MG, Hooper WC, Critchley SE, Ortel TL. Venous thromboembolism: a public health concern. Am J Prev Med 2010; 38:495-501.
(注5)Heit JA. Poster 68 presented at American Society of Hematology, 47th Annual Meeting, Atlanta, GA, December 10-13, 2005.
(注6)Heit JA. The epidemiology of venous thromboembolism in the community. Arterioscler Thromb Vasc Biol 2008; 28: 370-2.
(注7)Catterick D and Hunt BJ. Impact of the national venous thromboembolism risk assessment tool in secondary care in England: retrospective population-based database study. Blood Coagulation and Fibrinolysis 2014; 25: 00-00.
(注8)Wendelboe AM, McCumber M, Hylek EM, Buller H, Weitz JI, Raskob G, for the ISTH Steering Committee for World Thrombosis Day. Global public awareness of venous thromboembolism. J Thromb Haemost 2015; 13: 1365-71.

ソース:International Society on Thrombosis and Haemostasis

▽問い合わせ先
Louise Bannon
louise_bannon@isth.org
+1-919-929-3807

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