RapidArc放射線治療技術が複数の脳転移治療に有効かつ時間短縮との研究結果

バリアン メディカル システムズ(Varian Medical Systems) 2015年06月08日 10時45分
From 共同通信PRワイヤー

RapidArc放射線治療技術が複数の脳転移治療に有効かつ時間短縮との研究結果

AsiaNet 60764 (0753)

【パロアルト(米カリフォルニア州)2015年6月8日PRN=共同通信JBN】
*さまざまな研究チームは、RapidArc放射線治療技術が複数の(がんの)脳転移を個別ではなく同時に、より素早く治療するため用いられ、別のタイプの放射線手術に匹敵する成果を得たと報告

カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)、アラバマ大学バーミングハム校(UAB)、その他研究機関の研究チームによると、同時にいくつかの腫瘍を治療する技術であるシングルアイソセンターのRapidArc(R)放射線治療技術で複数の脳転移を治療することは、ほかのタイプの放射線手術と同等もしくは比較可能な成果を出すことができる。

研究者のリポートによると、バリアン メディカル システムズ(Varian Medical Systems)の医療用直線加速器(リニアック)を使ってもたらされる強度変調アーク放射線治療(VMAT)であるRapidArc放射線治療はまた、実質的に短時間で完了できる。スピードが上がる1つの理由は、マルチリーフ・コリメーターと呼ばれるバリアンのビーム整形装置の特質であり、事実上どのような形でも複数の開口部(隙間)をつくり出すため、互いに滑り込んだり、滑り出したり、通過できる120の薄いスラットを備えており、治療中に同時に複数の腫瘍をターゲットにすることができる。サイバーナイフ(R)、ガンマナイフ(R)のようなコーンビームおよびコバルトベースのシステムは、概して同時に1つの腫瘍をターゲットにするよう限定利用される。

2009年と2011年の間にRapidArc放射線治療技術で治療された複数の脳転移にかかった15人の患者をシングルセンターで遡及的検討した結果、UCSDの研究者たちは、胸部の腫瘍管理と全生存期間は通常の放射線手術的アプローチと同等もしくは比較可能なものであることに気づいた。Neurosurgery誌でのプリント発行に先立つオンラインで公表されたこの研究は、グレード2以上の毒性は観察されなかった。

UCSD脳神経外科の定位放射線治療部長兼学術問題副議長のクラーク・C・チェン医師(MD、PhD)は「RapidArc放射線治療技術によるわれわれの臨床経験は、それによって治療時間が短縮され、目的とするターゲットへの照射計画と正確に一致している。研究における複数の脳転移のそれぞれの治療は、8分以下で完了した。治療時間の短縮は、組織のワークフロー効率を最適化するばかりでなく、より重要なのは、患者の安心感と治療体験を最大化することである」と語った。

米脳神経外科学会(AANS)年次総会で先月、アラバマ州バーミングハム大学(UAB)のエバン・トーマス医師(MD、PhD)のポスター付き発表で2010年から2014年までのRapidArc放射線治療技術で治療された複数脳転移患者34人の遡及的検討結果を報告した。UABチームは昨年発行されたNeurosurgery誌に記述したように、治療アングルの数を最大化するとともに、治療中に正常な脳細胞に達する低線量の漏出量を最低限に抑える主要な最適化基準を持って、同一平面上にないアーク利用を取り入れたRapidArc放射線治療に対する特に計画されたアプローチを追尾した。

トーマス医博は「予備的結果は、これら治療に関連する毒性特質がガンマナイフ、サイバーナイフなどマルチアイソセンター・アプローチを含むほかの手段と同様だったことを示した。われわれはグレード4、グレード5の毒性を一切見つけていない。グレード3の毒性も患者の1人に発生しただけである。グレード2毒性は8人の患者に発生したが、主としてそれはステロイドには十分反応した主として頭痛で構成されている。この患者集団の中で、毒性の可能性は主としてそれ以前の頭部放射線照射治療と大容量照射された細胞に関連して発生したものだった」と語った。

トーマス医博は今週横浜で開かれる国際定位放射線治療学会でRapidArc放射線治療技術へのUABのアプローチについて2つの発表を行う。1つは、RapidArc放射線治療技術が再発した複数の脳転移を持つ1人の患者(Abstract O-59)を治療する5つの別々の機会で用いられたケーススタディーであり、もう1つは、VarianのTrueBeam(R)STxシステムを使ってRapidArc放射線治療技術による多数(例えば15)の脳転移治療(Abstract O-48)の実行可能性を示すものである。トーマス博士は「そのような治療は20分以下で極めて正確に非常に素早く実行することができるので、全脳部放射線治療あるいはガンマナイフによる放射線手術より好ましい技術だとみる人もいる」と語った。

ISRS会議ではまた、4つの別の研究チームが脳部のターゲットを治療する質の高い治療計画を作成するため、RapidArc放射線治療技術の利用法を記述した論文を発表する。

*米カリフォルニア州サンフランシスコにあるカリフォルニア・パシフィック・メディカルセンターのジョー・ホ医博とその同僚は、RapidArc技術に基づく実践的治療計画プロトコルを発表する。同プロトコルはUABモデルに極めて近似しており、ブレインラボ(Brainlab)やガンマナイフの手法と同等もしくは匹敵するRapidArc放射線治療計画を生み出す(Abstract O-55)。

*インド・コインバトールにあるKovai Medical Center and Hospitalのセンティルクマール・ナタラヤン上級医学物理士とその同僚は、UABアプローチが正常の脳細胞への照射線量を38%削減し、屈折率勾配の30%削減(ターゲット部位外の健康細胞に影響を与える量と関連する)、適合性の30%増(Abstract P-77)をどの程度まで達成する治療計画を作成することができるかについてポスター発表を報告する。

*オクラホマ大学健康科学センターのサビル・ホサイン准教授(PhD)は、それぞれ4から6の脳転移を持つ3人の患者を治療するため、RapidArc放射線治療計画とガンマナイフ計画を比較した論文を発表する。同准教授と同僚はRapidArc放射線治療技術に対するアプローチが特定の一致指数、積分線量、正常脳細胞屁の線量など特定のパラメーターについて、ガンマナイフ計画より上回る質の高い治療計画を生み出すことを可能にすることを発見した(Abstract O-56)。

*米ケンタッキー州ルイビルにあるノートンがん研究所の胸部腫瘍学および定位放射線療法計画の共同ディレクターであるヨン・チャ医師(MD、PhD)は、それぞれ2つから8つの脳転移を持つ10人の患者を治療するために、RapidArc放射線治療技術の利用について報告する。ノートン・チームはリニアック・シングルアイソセンター脳放射線治療(SICR)としてのアプローチに言及する。発表論文によると、「複数脳転移に対するSICRは実現可能であり、優れたローカルコントロールを示す。SICRはその短い治療時間より優れた計画の質を考慮すれば、一部の臨床シナリオの患者には優れた治療オプションとなる」という(Abstract O-50)。

Varian Oncology Systemsのコリーン・ケネディ社長は「リニアックに基づくRapidArc放射線手術による複数の脳転移処理の裏づけに焦点を当てる多くの臨床研究に接して大変うれしく思う。速度、効率、患者の便宜を相当高め、少なくとも同等か比較可能な結果を出すことから、このアプローチが放射線治療のほかのフォームに比べて実行可能なオプションであるという初期の科学的根拠がわかることを楽しみにしている」と語った。

▽免責条項
ここで言う論文、ポスター、プレゼンテーションは、同じもしくは類似する技術を使って行われたほかのセンター(複数)の結果で確認されるシングルセンターの結果およびニーズを表している。治療計画の質を比較する限定された再計画研究だった諸研究は、臨床もしくは治療の等価を立証するものではない。チェン博士、マーフィー博士、トーマス博士を含む著者の一部は、Varian からレクチャーに対する控えめな報酬を受け取っている。

▽重要な安全性に関する情報
放射線療法は、治療されている身体の一部に依存して変わる副作用を起こすことがありうる。最もよく見られる副作用は概して一時的なものであり、呼吸器、消化器、泌尿器、生殖器系の過敏症、疲労感、吐き気、皮膚過敏症、脱毛などであるが、それに限るものではない。治療セッションは複雑さと時間によって変わりうる。放射線療法はすべてがんに適切ではない。

(1)  Lau SK, Zakeri K, Zhao X, Carmona R, Knipprath E, Simpson DR, Nath SK, Kim
GY, Sanghvi P, Hattangadi JA, Chen CC, Murphy KT. Single-Isocenter Frameless
Volumetric Modulated Arc Radiosurgery for Multiple Intracranial Metastases. (
リンク ) Neurosurgery. Published online
2015 Apr 7. [Epub ahead of print]

(2)  Thomas EM, et al. Incidence of treatment related toxicity in brain
metastasis patients treated with flattening filter free linear accelerator
based stereotactic radiosurgery [poster].  Presented at: American Association
of Neurological Surgeons (AANS) Scientific Meeting; May 2-6, 2015; Washington,
D.C.  

(3)  Thomas EM, Popple RA, Wu X, Clark GM, Markert JM, Guthrie BL, Yuan Y,
Dobelbower MC, Spencer SA, Fiveash JB. Comparison of plan quality and delivery
time between volumetric arc therapy (RapidArc) and Gamma Knife radiosurgery for
multiple cranial metastases.(リンク )
Neurosurgery. 2014 Oct;75(4):409-17; discussion 417-8.

(4)  Abstracts for all of the ISRS presentations noted here were published in:
Jour. of Radiosurgery and SBRT, Vol. 3, Suppl. 1 (2015), (
リンク ) pp. 1-237

▽報道関係問い合わせ先
Meryl Ginsberg
Varian Medical Systems
+1 (650) 424-6444
meryl.ginsberg@varian.com

ソース:Varian Medical Systems

本プレスリリースは発表元企業よりご投稿いただいた情報を掲載しております。
お問い合わせにつきましては発表元企業までお願いいたします。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]