日本工業大学が特殊災害現場で消防隊員の安全確保を行う「突入撤退判断システム」を共同開発

日本工業大学 2015年04月15日 08時05分
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 日本工業大学は、災害現場で消防隊員の安全を確保する「突入撤退判断システム」を杏林大学、東京消防庁と共同開発を進めている。
 福島第一原発事故における注水作業の際、現場で活動する消防隊員の安全管理や危険回避の面でさまざまな課題が浮き彫りとなった。この教訓を踏まえ、消防隊員の安全を現場指揮所で一元的に管理するためのシステムを総務省・消防庁の委託事業として開発したのが本システムである。


 本システムは、特殊災害現場において放射線量や有毒ガス等を無人探査機で測定し、突入可否判断などを行う「突入判断システム」、消防隊員が装着するウェアラブルセンサーのデータから活動限界を早期に判断し撤退を指示する「撤退判断システム」で構成されている。
 3月4日(水)に埼玉県宮代町の同学屋外実験場においてデモンストレーションを行った。

■突入判断システム
 放射線量や有毒ガスの測定センサーを搭載した水陸両用無人探査車両を災害現場に投入し、現場の危険度を指揮所の端末にマッピングすることで、突入可否や突入最適ルートを判断するための情報を提供する。日本工業大学機械工学科の石川貴一朗助教が中心となり、消防隊員の要望を取り入れながら開発が進められている。探査車両は、搭載したセンサーや位置情報を頼りに、設定された目的地まで自律的に移動する。無線中継器を約200mおきに投下しながら走行し(※1)、その数によっては数km離れた指揮所の端末へも情報を送信することができる。水上走行やガレキ上の自律走行も可能。
(※1)見通しの場合200m、現場の状況によって距離は変化

(写真説明)
写真A.探査車両を開発した石川貴一朗助教
写真B.車両は中継器を投下しながら走行
写真C.現場指揮所の端末に情報を集約
写真D.端末に表示された放射線量マップ

■撤退判断システム
 突入判断と突入最適ルートが決定された後、消防隊員は防火服内にウェアラブルセンサーを装着して現場へと突入する。心拍数や血中酸素飽和度などから隊員の体調を分析するセンサーと、隊員周辺の放射線量と位置情報を測定する環境センサーの2種類が搭載されている。センサーからの情報は、隊員が腕に装着している警告表示器に危険度レベルで表示されると同時にリアルタイムに指揮所へと送信され、指揮所のコンピュータがガイドラインに従って隊員の撤退を判断する。この判断基準策定については、杏林大学医学部の山口芳裕教授が担当した。

 本システムの開発は、総務省・消防庁の「消防防災科学技術研究推進制度」における平成25年度の新規研究課題に「福島第一原発での教訓を踏まえた突入撤退判断システムの開発」として応募し、採択されたもの。プロジェクトの代表は杏林大学の山口教授が務めており、平成27年度中の完成を目指している。

(写真説明)
写真E.ウェアラブルセンサーと杏林大・山口芳裕
写真F.隊員の身体危険度を表示する警告表示

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 日本工業大学 総務部広報室
 埼玉県南埼玉郡宮代町学園台4-1
 TEL: 0480-33-7519
 FAX: 0480-33-7525
 E-mail: kouhou@nit.ac.jp

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