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環境に優しく災害に強い「柏の葉スマートシティ」 日本初、分散電源による電力を地域で融通しあうスマートグリッドを実用化


三井不動産株式会社は、環境共生都市・健康長寿都市・新産業創造都市を目指して街づくりを進めている千葉県柏市「柏の葉スマートシティ」において、太陽光発電や蓄電池などの分散電源エネルギーを街区間で相互に融通するスマートグリッドを2014 年7 月より段階的に運用開始します。自営の分散電源や送電線を使い、公道をまたいで街区間で電力相互融通を行う日本初のケースとなります。今般、本取り組みの実現に向けて電力制御技術を確立するとともに、経済産業省より災害時において「特定供給」によって既存の住宅街区に電力供給を行うことに対する許可を受けました。

< 柏の葉スマートシティにおける電力融通の計画概要 >

■平常時の電力ピークカット

・ 各街区内の建物で電力会社の系統電力と太陽光発電や蓄電池などの分散電源を併用しつつ、分散電源の電力を街区間で融通しあうことで街全体の電力ピークカットを実現します。

・ 平日はオフィスでの電力需要が高まるため「ららぽーと柏の葉」(商業施設)から「ゲートスクエア」(オフィス・ホテルなど)に電気を供給し、休日は商業施設での電力需要が高まるため「ゲートスクエア」から「ららぽーと柏の葉」に電気を供給する計画です。

・ これらの取り組みにより地域レベルで約26%の電力ピークカットを行い、省エネルギー・CO2 削減に貢献するとともに、両施設合計で電力料金削減など年間約1,000 万円の経済的なメリットを見込みます。

■非常時の防災力強化

・ 系統電力が停電した際は、地域に分散設置した発電・蓄電設備の電力を「特定供給」として住民生活の維持に必要な施設・設備にまで供給し、街の防災力を高めます。

・ 具体的には、「ゲートスクエア」の発電・蓄電エネルギーを、「パークシティ柏の葉キャンパス一番街」(集合住宅)および「パークシティ柏の葉キャンパス二番街」(集合住宅)のエレベータ(各棟1 基)、共用照明、集会場などの共用設備に供給します。

< 柏の葉スマートグリッドの特長 >

■ 多様な電源を地域に分散設置

「ららぽーと柏の葉」には、ハーフメガソーラーとして太陽光発電(発電出力:約500kW、設置済み)と大規模蓄電池(蓄電容量:約11,850 kWh、出力:約1,800kW、2014 年6 月下旬設置予定)を設置します。現在開発中の複合施設「ゲートスクエア」にも、太陽光発電(発電出力:約220kW、設置済み)と蓄電池(蓄電容量:約3,800kWh、出力:約500kW、設置済み)を設置し、さらに非常時に稼働させるガス発電機(発電出力:約2,000kW、設置済み)を設置する計画です。

■ 系統電力と協調したスマートグリッドモデル

街区間で分散電源の電力を融通する際に、電力会社の系統電力と混ざることがないように制御を行う「電力融通装置」を設置します。また、天候により発電出力が変動する太陽光発電を、大規模蓄電池と組み合わせて電力量の安定性を確保することで、太陽光発電設備が電気事業法上の特定供給における「発電設備」として国内で初めて許可されるに至りました。これらの仕組みにより、系統電力網に負担をかけずに区域内で分散電源の電力供給を行うことが可能となります。

■ 地域エネルギーマネジメントを実現

各施設や分散電源をICT ネットワークでつなぐAEMS(Area Energy Management System)を構築します。AEMS は各施設の発電量や蓄電量、電力使用量、地域の気象情報や災害情報などのデータを収集・分析して今後の電力需要や発電・蓄電量を予測し、地域における最適な電力供給計画を策定します。

■ 「柏の葉スマートセンター」の設置

AEMS による地域エネルギーマネジメントの拠点として、ゲートスクエア内に「柏の葉スマートセンター」を設置します。柏の葉スマートセンターでは、地域電力の監視や発電・蓄電設備の制御、電力融通量の調整などを行ないます。また、各施設のエネルギー利用傾向を分析し、省エネにつながるアドバイスを発信する「行動ナビゲーション」を行います。

< 電力融通における従来課題と柏の葉スマートシティの新規性 >

電気事業法上の「特定供給」はこれまで、自営発電設備を有する大規模工業団地などで敷地内の各施設に電気を供給する際に用いられてきた制度です。特定供給には経済産業大臣の許可が必要であり、その許可基準は、供給先となる場所の電力需要に対して50%以上を満たす発電設備の保有(自己電源保有比率)が条件となっています。このためスマートシティで電力供給を実現するためには、過大な設備投資が必要となる課題がありました。また太陽光発電などの再生可能エネルギーは、気象条件による発電出力の不安定性から、これまでは発電設備として認められていませんでした。

柏の葉スマートシティではこれらの従来課題の解決に向けて関係各所と協議を続けた結果、今回以下4点の特長がある電力供給を具現化することとなりました。

(1) 特定した一つの建物内への供給により実現する電力融通

「ららぽーと柏の葉」と「ゲートスクエア」のように異なる街区であっても、特定した一つの建物内への電力供給の場合、自営の送電線を利用することで電力融通を行うことが可能となりました。このため両施設間では平常時でも電力融通を行うことが可能となり、地域レベルでの電力ピークカットが実現します。

(2) 特定供給における需要の考え方

特定供給の許可が必要となる集合住宅街区への非常時(系統電力が途絶えた状態)の電力供給に関しては、供給先をエレベータ、共用照明、集会場などの共用設備に限定することで、「非常時に需要家が必要とする共用設備部分の電力」を基準に算出され、供給許可を受けました。

(3) 太陽光発電設備を「発電設備」に認定

2014 年3 月、電気事業法に基づく経済産業大臣の処分に係る審査基準等の一部改正が行われ、自然環境の影響等により出力が変動する太陽光発電設備や風力発電設備については、蓄電池または燃料電池発電設備と組み合わせることで安定的な供給を確保できる場合に限り、一定量を供給能力として認められることとなりました。
柏の葉スマートシティでは、天候により発電出力が変動する太陽光発電を、蓄電池と組み合わせて使用し電力量を管理することにより、発電出力の安定性を確保することが可能となりました。この有効性が評価され、審査基準改正後、国内で初めて特定供給の発電設備として太陽光発電設備が許可されました。

(4) 供給先と協定書を締結することで、電気事業法が定める「密接な関係」を構築

経済産業省との協議により、2012 年12 月、電気事業法に基づく経済産業大臣の処分に係る審査基準等の一部改正が行われました。改正前は特定供給の許可を行うに当たり、供給元と供給先が組合を設立して「密接な関係」を有することが要件の1つとされており、組合の構成員が原則として金銭による出資を行うことを求めていました。改正ではこの要件を緩和し、組合の構成員による出資の有無にかかわらず、供給元である三井不動産株式会社が供給先であるマンション管理組合と電力供給に係る条件を明記した協定を締結することで特定供給の許可を受けることが可能となりました。

これらの認定は、過大な設備投資負担を抑えてスマートグリッドを実現することにつながるため、全国の既存都市においても今後スマート化の取り組みが一層加速するものと考えられます。また分散電源を地域で有効活用してピークカット効果や防災機能を高める柏の葉スマートシティの取り組みは、環境に優しく災害に強い街づくりが求められる被災地や、急速な経済成長で新たな都市開発やエネルギー不足の課題が顕在化している新興国など、幅広い地域に展開可能なモデルとなります。

三井不動産株式会社のスマートシティ開発は、柏の葉エリアのほか都心部では日本橋エリアでも既存都市のスマート化を目指した「日本橋スマートシティ(日本橋室町三丁目)」プロジェクトを進めています。同地域では、電力供給可能量約5 万kW の高効率ガス発電を導入し、開発区域外地域にも電気と熱を供給する「特定電気事業」を2019 年より行う計画です。今回柏の葉エリアで実現する郊外型スマートシティモデルと、日本橋エリアで実現を目指す都心型スマートシティモデルの双方のノウハウを蓄積することで、スマートシティ開発の世界的リーディングカンパニーとしての地位を確立してまいります。

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