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STとMicropelt、熱から発電し、永続的な電力供給を可能にするデモを発表

STマイクロエレクトロニクス 2010年05月25日 19時00分
From PR TIMES

エネルギー・ハーベスティングと固体薄膜バッテリを組合わせた
自給型ワイヤレス・センサの評価キットを共同開発




パワー・ディスクリート製品および電源管理用半導体の世界第1位のサプライヤで
あるSTマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)と、斬新な薄膜熱電
デバイスを専門とするドイツの新興企業であるMicropelt GmbHは、共同開発した
自給型ワイヤレス・センサの評価キットを発表しました。TE-Power NODE評価
キットは、電力バックアップおよびパルス電流用の電力ストレージとして、
MicropeltのサーモジェネレータとSTのEnFilm(TM)固体薄膜バッテリを組合せて
います。電源管理および充電監視回路は、2.4GHzのワイヤレス・リンクを介して
付属のグラフィカル・ユーザ・インタフェース・ソフトウェアに接続されます。
Micropeltは、ニュルンベルク(ドイツ)で開催されるSensor and Test 2010
(5月18日~20日)において、同製品のデモを展示しました。

振動・熱・光といった自由に利用できる資源から有効な電気エネルギーを生成する
エネルギー・ハーベスティングは、バッテリ維持が不要な自給型ワイヤレス・
センサを構築する上で不可欠な要素です。現在、特にプロセス・オートメーション、
コンディション・モニタ、スマート・ビルディング等のアプリケーションにおいて、
ワイヤレス・センサ・ネットワークを構築する傾向が強まっています。真の
「インテリジェントな環境」に向けたアプローチでは、有用なすべての測定
ポイントに大量のセンサを配置することになりますが、これらのワイヤレス・
センサ・ネットワークにより、センサの配線コストが不要なると共に、従来は
アクセスできなかった場所に容易に配置できるようになります。これらのセンサは、
温度・圧力・振動などのパラメータを測定し、データを制御システムや監視
システムに無線送信します。そしてこの情報が、プロセス制御やエネルギー管理の
改善、メンテナンス費用の低減、ビルの効率向上などに利用されます。

新しい評価キットの心臓部であるThermoelectric Generator(以下TEG)は、熱電
微細構造層の両端の温度差により生じる熱流束によって電力が発生する物理現象
「ゼーベック効果」を利用しています。TEGは、10℃の有効温度勾配から1.4Vの
電圧を生成します。Micropelt独自のパワー・コンディショニングが、この電圧を
ワイヤレス・センサ・ノードの駆動に十分な電力に変換し、さらに、余剰熱
エネルギーによるバッテリの充電を行います。MicropeltのTEG MPG-D751は、
TE-Power NODE評価キットの丈夫なアルミ製ベース・プレートとフィン付きヒート
シンクの間に実装されています。ベース・プレートを適切な熱源に装着すると、
ヒートシンクの冷却効果により、埋め込まれたTEGの両側に温度差が生じます。

Micropeltの最高経営責任者(CEO)であるFritz Volkertは、次の様にコメント
しています。「熱エネルギーの収集は、これまで無駄にされてきた余剰熱を活用
する事実上無限の自給エネルギー源として、大きな可能性を秘めています。当社の
先進的な熱電電源技術の性能を最適化するためのパートナーとして、電源管理
分野のリーダーであるSTを選択したことは当然の決断でした。」

高機能なTE-Power NODEキットに使用されている充電式バッテリは、STの固体薄膜
バッテリEFL700A39 EnFilm(TM)です。この充電式バッテリ(700マイクロ・
アンペア/時、UL1642認定済み)は、ネットワークと通信中のワイヤレス・センサ・
ノードに給電するための大きなパルス状のピーク電流(最大10mA)を出力すること
ができます。評価キットのベース・プレートが熱源に接触している間は、
MicropeltのTEGがシステムへの給電とEnFilmの充電を行います。熱源が除去される
とTEGは停止し、EnFilmバッテリのみがワイヤレス・センサへの給電を行います。
TEGとEnFilmバッテリの組合せにより、熱給電のギャップが平準化され、対象の
ワイヤレス・システムに対して実質的に永続的なエネルギー供給が確立されます。

STが設計したバッテリ基板には、EnFilmバッテリの他、バッテリ充電レベルと
エネルギー・バランスの制御・監視を行う電子回路が含まれています。この基板
には、超低消費電力で動作する必要がある環境に向けて特別に設計されたBiCMOS
リニア・レギュレータSTLQ50と、バッテリの電圧・電流・温度を監視するバッテリ
管理IC STC3100が搭載されています。また、この回路には充放電状態を追跡管理
するクーロン・カウンタも集積されています。

STのグループ・バイスプレジデント兼ASD & IPAD 事業部ジェネラル・マネージャ
であるRicardo de Sa Earpは、次の様にコメントしています。「ユビキタス・
モニタやより高度な制御を実現するためには、利用可能な環境エネルギーを最も
効果的に取得する再生可能な電源が必要です。最小限のコストで最高の性能と高い
信頼性を兼ね備えた斬新なエネルギー・ハーベスティング技術を実現する
Micropeltのような革新的な企業にとって、電源管理分野で世界をリードする専門
技術を持つSTは、理想的なパートナーです。」

評価キットに含まれているワイヤレス・センサ・モジュールはMicropeltによって
設計され、TE-Power SCOPEと呼ばれるグラフィカル・ユーザ・インタフェースと
非常に低い消費電力によりリンクされています。そして、ソフトウェアが、TEGと
EnFilmバッテリ間の電力バランスの継続的な測定値を含む、重要な熱的/電気的
システム・パラメータの表示と記録を行います。この仕組みにより、ユーザは
対象のアプリケーションにおけるEnFilmのバッファを備えた熱電電源の性能評価が
可能になり、システム設計の簡略化と開発期間の短縮に繋がります。

また、本プレスリリースは以下のURLでもご覧いただけます。
リンク

STマイクロエレクトロニクスについて
STマイクロエレクトロニクスは、多種多様な電子機器向けに革新的な半導体
ソリューションを提供する世界的な総合半導体メーカーです。STは、高度な技術力
と設計ノウハウ、そして幅広いIP(Intellectual Property)ポートフォリオ、
戦略的パートナーシップ、大規模な製造力を駆使することにより、マルチメディア・
コンバージェンスとパワー・アプリケーションにおいて他社の追随を許さない
リーダーとなることを目指しています。2009年の売上は85.1億ドルでした。
さらに詳しい情報はSTのホームページをご覧ください。
ST日本法人:リンク
STグループ(英語):リンク

Micropeltについて
Micropelt GmbHは、半導体メーカーのInfineon TechnologiesとFraunhofer IPM研
究所からのスピンオフ企業としてベンチャー・キャピタルの出資で2006年に設立さ
れ、フライブルク(ドイツ)に本社を置いています。約20名のスタッフを擁する同
社は、クリーン技術のエネルギー・ハーベスティング、熱検知、熱サイクリング、
および熱冷却向けに、世界最高の電力密度を持つ熱電素子の開発とマーケティング
を行っています。熱電薄膜蒸着およびMEMS技術の組合せをコア技術とすると共に、
アプリケーションに関する深い専門知識も有しています。ドイツを拠点とする量産
施設は、2010年第3四半期より操業開始する予定です。

注記
高い電力密度を実現する次世代固体薄膜バッテリ技術であるEnFilmは、充放電サ
イクル数の多い充電式バッテリです(1000回以上:放電深度50%時)。EFL700A39
(実装面積:25.4×25.4mm、パッケージ高さ:0.2mm)は、薄さが極めて必要とさ
れるシステムに使用することができます。このバッテリは、4.2Vdcの定電圧を印加
することにより20分で初期容量の80%まで充電でき、充電電流制限は不要です。溶
剤を含まないことから、EnFilmバッテリは完全な安全性を実現しており、短絡や過
充電による発火の危険性がありません。

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