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「モバイルマルチメディア放送市場の展望と課題」出版

BeeTVからモバイル放送まで通信と放送の融合時代を考察 - ROAグループ社日本語調査報告書

【エグゼクティブサマリー】

NTTドコモが2009年5月、BeeTVというドコモ動画の新サービスをスタートさせた。そのキャッチフレーズである「ケータイ専用放送局」に、驚きと戸惑いを禁じえなかった業界関係者も多かったと思われる。携帯電話専門は問題ないとして、「放送局」という言葉をあえて喧伝文句にし、事業サービス開始を「開局」と銘打ったマーケティングには、放送業界に無用の刺激を与えた感も否めない。

しかし、一方でこのキャッチーなコピーは、ユーザーへの訴求点としては大成功した。唐突で派手な宣伝効果もあって、認知度が高まる一方で"ワンセグ放送局"もしくは"携帯放送局"といったやや誤解を受けるような表現もメディアで行き交った。いずれにしても、放送と通信の融合に焦点を当てた試金石となるこの携帯向けの「放送局」は、破竹の勢いで加入者を獲得している。それは、これまでタブー視された業界の垣根をなくし、新たな再編のうねりを感じさせるのに十分である。

元来、放送と通信は一部で連携関係にあったものの、お世辞にも融合という言葉が似合うほどの関係ではなかった。一切同報性が原則の放送とピアツーピアで安全性を確保する通信では、その事業モデルも収益モデルも異なる。事業場の融合が期待された携帯向けのワンセグ放送も、結局のところ、サービスは普及しながらも、日本国内では収益プラットフォームとして日の目を見ていない。

この状況に一石を投じたのが、総務省が主導するマルチメディア放送への取り組みである。地上放送のデジタル化に伴うアナログ放送の周波数再編において、2011年以降に収益を勘案できる携帯端末向けの放送事業が検討開始されたのである。そして、まさにそのマルチメディア放送の事業性のテストベッドのように、NTTドコモとエイベックスが類似事業モデルのBeeTVを先行登場させたのである。

BeeTVの成功が一過性でない限り、今後は本格的に携帯電話を含むモバイル機器向けに多様なマルチメディアコンテンツがプッシュ式で送られてくる時代が来る。そのサービスの伝送経路がHSPAであろうが、放送波であろうが、パケット定額制のユーザーにとっては基本的に直接関係はない。別の言い方をすれば、動画サービスの差別化要因は、コンテンツのオリジナル性や完成度、利便性、価格帯などであって、伝送路の種類そのものではないのである。

斬新なBeeTVの事業アプローチに将来性を感じ、ROA Groupにおいて本レポートの企画が立ち上がったが、調査を介してマルチメディア放送の類似性や影響度などを考慮し、放送・通信の双方の事業を単一の定義でモバイルマルチメディア放送と位置付けるのが妥当であるとの結論に達した。それが、今後の進展がみられる通信と放送の融合という方向性にも合致すると考えた。そのため、繰り返しになるが本レポートでは伝送路に関係なく、携帯電話機を中心にリアルタイム配信もしくはダウンロード等によるマルチメディアコンテンツの配信サービスを、広義の定義でモバイルマルチメディア放送として分析している。従って、総務省が提唱する「マルチメディア放送」が放送網を使ったブロード・マルチキャスティングサービスに限定して議論されている一方で、本レポートでは「モバイルマルチメディア放送」として通信上のサービスをも含めた広い定義である点をご了承いただきたい。

上記の定義を前提に、今後のモバイルマルチメディア放送の市場規模予測を勘案した場合、通信サービスと放送サービスとの間にカニバリゼーションが起きる可能性も考えられるが、ROA Groupでは、むしろ相乗効果による市場拡大のシナジーが発揮されるのではないかと考えている。それは、人口数に等しいほどの携帯利用件数が存在する市場において、少なくともある程度のサービス普及による飽和状態が現出されない限り、双方が事業を拡大し続けていける素地が十分あると考えているからである。

モバイルマルチメディア放送サービスの市場規模算出においては、本レポートの定義に基づいて想定される新たな有料ビジネス領域として、以下の項目を含めるべきであると解釈される。

-携帯キャリアを介した既存の有料動画配信サービス(公式・勝手サイトを含む)市場
-BeeTVやS-1バトルなど通信による月額定額制や無料参加型の新モデル市場
-2011年以後の新しいマルチメディア放送市場
-携帯の既存有料配信(動画以外)サービスの放送DLサービスへの移行市場

なお、コンテンツ制作市場からの収益増などは、著作権処理が進む中でマルチユースが浸透するため、携帯向けコンテンツの一次利用のみを抽出するのが困難であることから、あえて今回の市場規模の試算には加えていない。また、対応端末の販売やインフラ投資などもサービス市場に関しては直接関係ないとの立場から算出に加えてはいない。

人気がありながらも、事業モデルとしては完全に失敗に終わったワンセグの後継として、今後、放送と通信をうまく掛け合わせたモバイル向けマルチメディア放送サービスに一層の期待がかかっている。本レポートが、今後目覚ましく発展する可能性の高い新たなコンテンツ市場を形成するための一助になれば幸いである。

【調査レポート】
モバイルマルチメディア放送市場の展望と課題
BeeTVからモバイル放送まで通信と放送の融合時代を考察
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このプレスリリースの付帯情報

モバイルマルチメディア放送サービスの市場規模予測(2009年-2014年)

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