◆不使用表示で特に意識するのは昨年同様、「食品添加物」「遺伝子組み換え」
「○○は使っていません」「○○でない」「無○○」「○○不使用」「非○○」「ノン○○」の食品表示を「見たことがある」回答者のうち、商品を選ぶ際に不使用表示を意識したことがあるものでは(複数回答形式)、「食品添加物」がトップ、次いで「遺伝子組み換え」となっており、昨年同様、生活者の間で強く意識されている結果となった。また、非会員に比べ、生協会員での表示に関する意識が全体的に高い。
◆「遺伝子組み換え」消費者心理と表示のギャップ、昨年から埋まらず
現状、食品表示の基準としては、「遺伝子組み換え原料は使っていません」といった表示があっても、分別措置さえとっていれば5%まで遺伝子組み換え原料が含まれていても良いことになっている。この事実を知っていたかどうかを聞くと95%の回答者が「知らない」と回答、昨年と比率はほとんど変わっておらず、周知が進んでいない状況がうかがえた。
◆生協における「表示」実態と今後の取り組み
また、2006年4月から5月にかけて、遺伝子組み換えに関する表示を積極的に導入している生協を対象に、「遺伝子組み換えでない」「遺伝子組み換え原料は使っておりません」などの表示(以下:不使用表示)の取扱いや今後の意向などを聞いてみた(回答母数52)。その結果、不使用表示の中止をしているところはわずかだったものの、全体の約半数(48%)が「優良誤認(実際のものよりも著しく優良であると消費者が誤認する表示)」や、他社よりも著しく優良であると消費者が誤認する表示、「0%を保証できない」など表示の信頼性という観点からすでに不使用表示の中止や変更への意向を示していることが分かった。
また、豆腐メーカーの中には、不使用表示を取りやめたところがあった。その理由として、何度か消費者から混入比率について問い合わせがあり、分別措置さえとっていれば5%まで遺伝子組み換え原料が含まれていても良いことになっている事情を説明したものの、「適切ではない」「誤解する」といった指摘を受けたという。これを受けて社内で検討し、不使用表示を取りやめた商品もあるという。豆腐業界では珍しい試みではあるが、こうした消費者側の立場に配慮した取り組みをしている例も出始めているようだ。
表示の中止や変更理由には優良誤認のほか、遺伝子組み換え作物の栽培面積の増加などを背景に「原料調達が困難になった」といった事情もあるという。これらをすべて合わせると、現段階ですでに不使用表示を「とりやめた」は18%、「内容を変更した」は14%で全体の約3割が何らかの措置を講じていた。また今後についても、「とりやめを検討する」、「見直しを検討する」、「検討の必要性を感じる」など、約7割(68%)が、生活者の理解を求めるべく、改善に向けて何らかの取り組みの必要性や考えを示している。このうち6割は「優良誤認」や「0%保証できない」など表示の信頼性の問題を指摘、不使用表示を見直す機運も芽生えているようだ。
◆調査概要
調査実施日:2006/12/16~19
調査対象:20歳以上の女性インターネットユーザー
集計回答数:1000名
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