IT専門調査会社 IDC Japan 株式会社(所在地:東京都千代田区九段北1-13-5、代表取締役:竹内正人、Tel代表:03-3556-4760)は、国ITアウトソーシング市場規模予測について発表しました。これによると、2005年の国内ITアウトソーシング市場規模は前年比6.7%増の1兆7,635億円でした。同市場は、2005年~2010年の年間平均成長率(CAGR)5.8%で成長し、2010年には2兆3,382億円に達する見込みです。
国内ITアウトソーシング市場は、企業の情報システムに関する「コスト削減」「技術・要員の補填」「安定運用」に対する期待から高い成長を続けています。しかし、市場規模の拡大と共に安定成長期を迎え、2007年以降緩やかに前年比成長率を下げながら推移するとIDCでは予測します。
2005年、国内ITサービス市場では需要の増加とITエンジニア不足から、ソフトウェア開発などのサービス単価は下げ止まり、上昇傾向となりましたが、ITアウトソーシングにおけるサービス単価の下落は継続しています。このことは、サービス内容の精査、契約の見直しを進める顧客の増加や、サービスベンダー間の競合激化、IT製品価格の低価格化が大きな要因となっています。また、人月/製品単価を基本としたITアウトソーシングには成熟感がみられ、サービスベンダー間の技術格差も減少し、同サービスのコモディティ化が見られます。
IT製品・ソリューションの発展、BPO/SaaSなどアウトソーシングの多様化、ITアウトソーシングのコモディティ化などにより、情報システムの導入・運用における顧客の選択肢は増加しています。今後、複数のアウトソーシングやインソースを組合わせて活用するマルチソーシング化を図る企業の増加が予測されます。しかし、マルチソーシング化には、ベンダーや製品・サービスの評価、関連市場の把握、業務との連携などIT統制を始めとした高い能力が企業には求められます。「安定成長期を迎え、コモディティ化が見られる国内ITアウトソーシング市場では、顧客のマルチソーシング化に対応したサービスの提供がサービスベンダーには求められる。マルチソーシング時代では、サービス内容の明確化は勿論のこと、業界標準への対応などが必要となる。また、顧客のIT戦略を理解し、IT統制を支援・実行するサービスなど新たなビジネス展開が重要になる」とIDC Japan ITサービス担当シニアマーケットアナリスト松本 聡は述べています。
今回の発表はIDCが発行したレポート「国内ITアウトソーシング市場 2005年の分析と2006年~2010年の予測」(J6100105)にその詳細が報告されています。本レポートでは、国内ITアウトソーシング市場をISアウトソーシング、ネットワーク&デスクトップサービス(NDOS)、アプリケーションマネージメント(AM)、ホステッドアプリケーションマネージメント(Hosted AM)、ホスティングインフラストラクチャサービス(HIS)のセグメントに分け、市場を分析し、2010年までの市場規模予測を行っています。なお、本レポートよりIDCではITサービス市場定義を変更しており、SaaS市場を「Hosted AM」と「Software on Demand」に区分し、ITサービス市場に含めるのは「Hosted AM」のみとしています。
(※レポートの詳細についてはIDC Japanへお問合せ下さい。)
(※本リリースはこちらでもご覧いただけます。リンク)
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