Microsoft会長のBill Gatesは28日(米国時間)、顧客に宛てて同社のスパム対策についての最新状況を知らせるメールを送った。
Gatesは、世界各国の登録者宛てに送付したこのメールの中で、現在同社が取り組んでいるいくつかのスパム対策について説明した。現在、ネット上を行き来しているスパムの数については、合法メールの3倍に上るという試算もあるが、これに対する同社の戦略には、偽造メールを見破るための技術標準の策定、インターネットサービスプロバイダ(ISP)各社と連携して行なう業界のベストプラクティスの明確化、警察によるスパマー逮捕への協力などが含まれている。
Gatesは、「Progress Report(進捗報告)」と題したこのメッセージの中で、「(スパムは)依然として重大な問題だ...ライバシーの侵害であるうえに、時間と資源の浪費を招き、さらにワームやウイルスの送信手段としても利用され、コンピュータセキュリティに対する重大な脅威となっている」と述べている。
またGatesは、今日までに同社が開発したスパム対策技術の成功を自賛した。たとえば、Microsoftの無料ウェブメールサービス「Hotmail」では、送られてくるジャンクメールの約95%、数にして1日当たり30億通を遮断しているという。GatesはHotmailサービスにおけるスパム対策の成功の要因として、同社独自のフィルタリング技術「SmartScreen」を挙げている。現在Microsoftは、同技術をMSN 8、MSN Premium、Hotmail、Outlook 2003に採用している。
Microsoftは先ごろ、Exchange Server 2003のユーザーも Exchange ServerのページからExchange Intelligent Message Filterをダウンロードして、SmartScreen技術を利用できるようにした。Gatesによると、同社は来年、ネットワーク管理者向けにSmartScreenをアップデートし、自社ネットワークへのスパム送信に利用されているウイルス感染済みデスクトップコンピュータを、管理者がもっと簡単に発見できるようにするという。
Gatesは、スパム対策の1つの手段としての、第3者認定プログラムの可能性について説明している。この認定プログラム(もしくは保証された送信者プログラム)では、企業は自社のメールが信頼できるメールであることを担保するための保証金を用意し、仮にベストプラクティスに違反するようなことがあれば、その保証金は没収される。Gatesによると、Microsoftは先ごろ、メール関連インフラ/サービス企業のIronPortSystemsの保証金付き送信者プログラムの実験を行ない、成功を収めたという。これらのサービスについては、メールに送料を課金するための裏手段になるとの指摘もあるが、Gatesはその可能性を否定した。
Gatesはメールの中で「サービスの有料化は不適切であり、大変効率的かつ安価な通信媒体としてのインターネットの基本目的に反すると確信している」とした上で、「サービスの目的はスパマーによるインターネットの悪用を阻止し、全てのユーザーがインターネットの多大な恩恵を享受し続けられるようにすることにある」と述べている。
MicrosoftのGates会長とCEOのSteve Ballmerは、同社のウェブサイトへの登録者にメールを送信している。メールは主に、様々な技術問題についての同社の見解を扱ったものが多い。過去のメールではセキュリティ問題や同社のサーバ戦略といったテーマが取り上げられた。
Gatesは以下のような前向きのコメントで、このメールを締めくくっている。「われわれはスパマーを孤立させ、彼らの行為を阻止する努力を続けると同時に、電子メール、インターネット、さらにはコンピューティング全般の信頼性、効率性、安全性を向上させるためのインフラ構築を支援している」
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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