NASの主要2大メーカーに聞いた、これからのNAS運用のポイント
NASの"兆候"を素早く察知、対応する-アイオーデータ機器
事業戦略部 コーポレート製品戦略課 課長 宇津原 武氏
「これまで、HDDベンダーは、ハードを企業の資産と考えてきました。しかし、仮想化が普及した現在では、データこそが企業資産と考えなければ、お客様の要望を満たす事ができないと感じていました」と、まず語った宇津原氏。
NASに限らずハード機器は稼働部がある限り作りが堅牢であってもいつかは壊れてしまう。たとえ、故障をした際に内部部品を変えてすぐに再稼働が出来たとしても、肝心のデータが失われてしまっては意味が無いのだ。それに対してアイオーデータ機器では、法人向けNASの4ドライブモデルに対して状況管理サービス「NarSuS」を無償で提供を開始している。
これは、企業が使用しているNASの稼働状況をアイオーデータ機器のデータセンターで管理し、お客様自身でも過去からの変化や推移を確認することができるサービスである。トラブルが発生した際は、対応ガイダンスを表示したり、別途有償の保守サービスを利用したりすることで迅速な対処が可能。また、環境監視機能も備えており、容量の使用量を確認することでリソースの最適化を行うこともでき、NASの温度やファンの回転数などの環境も把握できる。
事業戦略部 コーポレート製品戦略課 課長 宇津原 武 氏(左)、事業戦略部 コーポレート製品戦略課 チーフリーダー 新明 征和 氏(中央)、事業戦略部 コーポレート製品戦略課 リーダー 櫻庭 豪 氏(右)
「実は予算などの問題で、データのバックアップを取っているお客様はそれほど多くありませんでした。いざとなった時にバックアップがないというご相談を受けることは多く、それならば『いざとなった時』を予期して先手を打てるようにしよう、と考えました」(宇津原氏)
このサービスにより、大きな故障の前にバックアップを取りデータを守ることができるだけでなく、消耗部品を早めに交換する事でNASを長く使うこともできる。そのため、コストの削減や高い事業継続性にもつながるのだ。「NarSuS」は、NASを取り巻く環境が変化して行く中で、「そもそも企業がストレージに求めているのは何か?」と基本に立ち返ったサービスとも言えるのではないだろうか。
また、同社は2012年5月にセキュリティ機能を搭載したビジネスNASを発売している。これはITが多様性を持ち高い汎用性を持つにつれ、脅威と接する機会も増えると考えた同社が、安全にNASを使用していただこうと考えて市場に投入した。
宇津原氏は、「セキュリティで最も重要なのは、利便性や機能を制限しないということです。トレンドマイクロ社のTMNASは、ウイルスパターンファイルを自動で更新するため、管理の手間がありません。またリアルタイムスキャンにより、ユーザー側が意識をしなくともセキュリティを確保できる点が魅力でした」と続けた。同社は、セキュリティ機能を搭載したUSBメモリ、HDDの提供には、早くから積極的に取り組んできた。このノウハウから、ユーザー側がまず"使ってくれる"にはどうしたら良いのか、ということを徹底的に研究し、追求していたのだ。
「今後はNASが小型であることを考慮し、持ち出しなどの危険や被害も回避できるような機能も追加していきたいと考えています。利便性を維持したまま、高いセキュリティ性を確保する。これが今後の目標です。」(宇津原氏)
企業ITの中心となるであろう「NAS」をフル活用するために
二社とも現在は中小企業からの引き合いが多いと話していた。NASは、従来のファイルサーバとしても使用できるほか、自社でクラウド環境を構築する際にとても頼りになる。また、先に語ったように大企業でも部署内のデータを共有、バックアップする際などにもNASが導入されるというケースも増えている。
こうした場合、現状では安価なエントリー型NASが選定されやすいだろうが、NASは企業のデータを中心から支える存在になる。NASを最大限活用するためにも、機器の価格や性能だけではなく、保守サービスやセキュリティに対する機能などを確認することも忘れないでおこう。決して「高い」買い物にはならないはずだ。
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[PR]企画・制作 朝日インタラクティブ株式会社 営業部 掲載内容有効期限:2013年6月13日