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NASの主要2大メーカーに聞いた、これからのNAS運用のポイント

 PCサーバと比較して安価に購入ができる上、TCP/IPを使用するため汎用性が高く、設定も容易という利点を持つNAS(Network Attached Storage)。バックアップストレージやプライベートクラウドストレージとしても使用できるファイルサーバ専用機である。安価で入手しやすいエントリー型製品から、仮想化ソフトを搭載し、ストレージプールを自在に分割・統合も可能な高価なモデルまで、選択肢も幅広い。昨今、オンラインストレージサービスも注目を集めているが、転送速度や容量を自由に選べるという点でNASに軍配が上がるだろう。

 最近では、こうしたNASの利便性や汎用性を鑑みて、ビジネスの場に取り入れる企業も増えてきている。今回は、NAS製品の主要2大メーカー、バッファローとアイオーデータ機器に自社NAS製品の特長や注力ポイント、展望などを聞いた。

スペック向上で需要拡大のエントリー型NAS製品

 NASは、安価であることや設定が容易なことから、消費者を中心に市場に広がりを見せている。この背景には、エアコンや洗濯機などの家電がコンテンツ化し遠隔で操作ができるようになることが考えられる。これは実際にスマートフォンなどから操作ができる家電が現実に登場していることから、容易に想像することも可能だ。また、スマートフォンの普及により、コンシューマクラウド需要が増加していることも影響しているのだろう。

 これまでエントリー型のNASは安価である反面、拡張性に乏しいと言われてきた。拡張する際はスケールアップ、または機器をそのまま追加という形で対応せざるを得なく、これではミッションクリティカル性が求められるビジネスの現場では頼りにはしづらい面があった。しかし、近年ではミラーリングやRAID機能を備える上、複数ドライブを持ち故障したドライブ単体が交換できるようなモデルも登場してきている。また、高速処理が出来るCPUが採用され、ビジネスシーンでも十分通用する性能を持つのだ。このため、企業としてはエンタープライズ向けのNASを導入していても、部署や部門ごとに独自にこうしたエントリー型のNASを導入するケースが増えてきている。

 価格が安く性能も高いエントリー型NASだが、ホットスワップに対応をしていなければ、ドライブの交換時に機器を停止させなければいけない。また、企業のデータ資源を狙ったサイバー攻撃を受けた際など、適切な対処ができない可能性もある。エンタープライズ向けのNASはエントリー型と比較して、価格面で割高な印象を持つだろう。 しかしNASに万一のことがあった場合、その代償はエントリー型NASとエンタープライズ向けNASの差額を大幅に上回る可能性がある。今回はこうしたエンタープライズ向けのNASの特徴を細かく紹介していく。

NASの主要2メーカーの代表的なビジネスNASシリーズ

 まずは早速、エンタープライズ向けのNASシリーズを紹介したい。

バッファロー TeraStationシリーズ


※ドライブベイの数が異なる

 バッファローでは、ビジネス規模に応じて2シリーズのNAS製品を用意。企業が必要とする機能を網羅しているのが特徴的だ。

 中堅大企業向けには、ラックマウント型のTeraStation7000を用意。24TBと12TBがあり、CPUにXeonクアッドコアを採用し、12TBモデルではDDR3メモリを4GB、24TBモデルではDDR3メモリを8GB搭載。電源やドライブを冗長化しており、長時間駆動を得意とするニアラインHDDを備える。これにより、高速、高可用性を確保しており、データセンターでも使用できるハイスペックなシリーズである。

 一方で、中小企業向けにはタワー型のTeraStation5000シリーズをラインナップ。容量は2TBから32TBまで幅広く用意されている。オフィス環境を考慮し、IPカメラと連携できるほか、USBを使ってNAS端末の設定情報をコピーすることも可能だ。また本シリーズの中でTS-XLシリーズ以降のミッドレンジ製品では国内初であるウイルスチェック機能を搭載。リアルタイムスキャンやアクセスログを行うことができる。

アイオーデータ機器 HDLシリーズ

 Windows Storage Server 2008R2を搭載したタワー型4ドライブモデルでは、AtomのデュアルコアD510を採用している。ラックマウント型はAtomのデュアルコアD2700を採用し、どちらも転送処理を高速に行える。USBやeSATAで外付けHDDも増設でき、拡張性は豊富である。

 また、ストレージ仮想ソフトを標準で搭載しているモデルも用意。通常モデルではタワー型が2種類、ラックマウント型は2種類用意されている。

 1・2ドライブ対応モデルでは、Windows Storage Server 2008R2を搭載した2ドライブモデルにはAtomのデュアルコアD510を採用し、通常モデルでは高速RISCプロセッサを採用したモデルが3種類用意されている。

 また、アイ・オー・データ機器は法人向け製品に、「NarSuS(ナーサス)」というNASの状態を監視してくれる保守サービスを無償で提供しており、順次拡大しようとしている。

バッファロー製品情報
Trend Micro NAS Security製品情報
提供:トレンドマイクロ株式会社
[PR]企画・制作 朝日インタラクティブ株式会社 営業部  掲載内容有効期限:2013年6月13日