こうして登録したデバイスは、自動的にバックアップし続けてくれる。ABBの管理画面では、保護されているデバイスの種類や数、バックアップの状態、ログ、転送サイズなどが1つの画面で視覚的に確認できる。
バックアップソリューションは、いかに効率よくデータを保護できるかに注目されがちだが、復元方法についても目を向けたい。ABBは、先述の通り目的に合わせた柔軟な復元方法が用意されており、しかも復元するまでの時間も短いのが特徴だ。
たとえば、Windowsマシンの場合、一部の重要なファイルだけを復元させたいということが多いだろう。そんなときは、ABBと同時にインストールされる「Active Backup for Business Portal」を起動し、復元したいファイルをデバイスから選択。同じデバイスへ復元することも、違うデバイスへ復元することも可能。復元先のフォルダーも変更できるので、部署ごとに保管してあるファイルサーバーから必要なファイルを自由に取り出すというようなイメージだ。
また、マシンのストレージが故障したりウイルスに感染といったときは、まっさらな状態から復元することになるだろう。そんなときは、まずWindowsを再インストールしたあと、「Active Backup for Business リカバリーウィザード」をSynologyのサイトからダウンロードして実行すると、システム設定やデータを元の状態に戻せる。
さらに、「Recovery Media Creator(RMC)」をダウンロードして利用することで、USBメモリーによるブートメディアやISOイメージを作成できる。そのためには、ちょっとした準備が必要で、あらかじめマイクロソフトのサイトから「Windows ADK」と「Windows PE」を入手しインストール。そのうえで、RMCを実行することになるが、ABBから直接復元して環境を構築することになるので、複数台のマシンで作業をしなければならないときは、このほうが情シス担当者にとって、負担にならないだろう。
Windows ServerやVMwareの復元は、動作しているサービスを極力短時間で復活させることが優先されるだろう。そうなると、サーバーの修理や代替サーバーを見繕うのを待って復元するのでは時間がかかりすぎる。そこでABBでは、VMMをパッケージセンターからインストールすることで、バックアップしたイメージをVMM上へ展開して、一時的に動作させることができる。こうすることで、RTOを下げビジネスの継続を可能にする。
このほかにも、VMwareのホストバックアップによるインスタント復元や、完全復元。仮想ホストやファイルサーバーのバックアップ・復元も行えるため、会社の資産を守るすべとして機能的にもコスト的にも最適なソリューションと言えよう。
Synology NASがすごいのは、NASを単なるファイルサーバーに終わらせるのではなく、簡易サーバーとして発展させビジネスソリューションの1つとして成立させたこと。今回紹介したバックアップソリューションに限らず、提供されるさまざまな機能のパッケージが、ビジネスの生産性を加速させつつ、コストの削減につながるはずだ。
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