プレス向けイベントに登壇したLu氏や、ユーザー向けイベントで講演したTsai氏と田野氏に、単独で話を聞く機会を得た。
――第3四半期まででワールドワイドで前年比20%、国内では同40%の売上増とのことだが、日本市場で成功した要因をどう考えるか。
大きく2つある。まず1つは日本市場に参入したのが比較的遅かったので、未だベースが小さかったことだ。遅い参入ではあったものの、結果的に良いタイミングだったと思う。
もう1つは子会社として現地法人であるSynology Japanを立ち上げたことだ。国内ではSynologyの名前を知っていても、現地法人がないことでビジネスを見合わせていた潜在的なクライアントが多くいた。Synology Japanの設立によって、そうしたクライアントとのビジネスの話が進んだ。
Synology Japanの存在は、品質の高いサービスを提供する上でもとても重要だと考えている。
――今後、国内で広げていきたい領域はどこか。また、その中で特に注力する分野はどこになるのか。
ワールドワイドで展開している製品はすべて国内でも展開したい。ストレージ、ネットワーキング、バックアップなど、すべての分野だ。たとえば、ネットワーキングの製品を日本に導入したのは一年前のことだが、たった一年で日本は世界で二番目に大きな市場になった。当社にとって日本市場は大きなポテンシャルがある。
注力する分野は、まずは小・中規模のストレージ市場だ。次にネットワーク市場にもフォーカスしている。国によって、監視カメラの分野やエンタープライズのiSCSIなど、注力している分野は異なる。とはいえ、これはそれほど大きな違いだとは思っていない。
当社にとって国内は未だリソースが限られている。注力している製品がワールドワイドと異なるのもリソースの問題が大きい。今後はリソースを増やし、当社の持つあらゆる製品の領域に市場を拡大していきたいと考えている。
――日本市場ならではの施策と、課題は何か。
まず最初にやることは競争力のあるサポートだ。国内パートナー企業の製品との互換性をきちんと検証し、ユーザーが安心して製品を導入できる環境作りに努めていく。
このために必要なこととして、いま一番大きな課題となっているのが人材のリクルートだ。もっとたくさんの人を採用したい。近々、著名な転職サイトなどに募集を出すつもりでいる。興味のある人はぜひ応募して欲しい。
――日本のユーザーに一番伝えたいことは?
講演の中でも述べたが、SynologyのNASを一台導入すれば、エンタープライズのユーザーでもSynologyの提供する、統一されたマネジメントインターフェースのさまざまなアプリケーションが無償で使えることだ。
Windows ServerのCAL(クライアントアクセスライセンス)を購入せずに、Active Directory環境が構築できるので、コストを大幅にカットしながら、アカウント管理からファイルの管理、ファイルの共有まで、すべてがSynologyのNAS一台で実現できる。情報システム部門のユーザーなどは、ぜひ一台試してみてほしい。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
パナソニックのV2H蓄電システムで創る
エコなのに快適な未来の住宅環境
OMO戦略や小売DXの実現へ
顧客満足度を高めるデータ活用5つの打ち手
企業や自治体、教育機関で再び注目を集める
身近なメタバース活用を実現する
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス