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SMBは柔軟に考え、新技術を積極果敢に取り入れよう--デロイトトーマツ

 中小企業は、IT導入にまつわるさまざまな課題に、どう対処していくべきなのか。ITを活用していくに当たり、いかなる要因に注意を払っていけばよいのか。中小企業がITを取り入れ、使いこなしていくための指針を、経営の観点から読み解くため、デロイトトーマツリスクサービス パートナーの丸山満彦氏に聞いた。

中小企業を成功に導くIT投資の考えかた--クラウドは検討の価値あり


デロイトトーマツリスクサービス
パートナー
丸山満彦氏

 米国のシリコンバレーに本拠を置くベンチャーの電気自動車メーカー、テスラモーターズ。後部座席側のトランクに大量のバッテリーを搭載する、世界初の電気スポーツカーを市場に投入したことで一躍名を高めた。日本国内にも店舗展開している。このように新たなビジネスチャンスがあれば迅速に着手する同社は中小企業の成 功例として高く評価されており、国内の中小企業にとっても参考になる部分は大きいと丸山氏は話す。

 「新たな市場が出現したとき、大手企業は意思決定に時間がかかる。そこで多少荒削りでも真っ先に製品を投入し、大手が乗り出してくる前に先行者利益を獲得する。これこそが中小企業の重要な成功モデルのひとつだ。単に中小といってもベンチャーから大企業の系列、下請けなど様々だが、迅速な意思決定を行い、積極的にリスクを取りに行けることは大手企業にはない強みだ」(丸山氏)

 丸山氏は「だからこそ中小企業はクラウドの活用が必用。クラウドで導入コストを抑制し、なおかつ迅速にシステム整備を行う。その上で、できる限り早く新しいビジネスを立ち上げる。この発想がなければ、中小は大きく成長することが難しくなる」と提言する。

  ITに投じる資金や人的リソースの問題、システム構築に要する時間の問題などはクラウドの活用で一定の解決が見込める。だが経済産業省の「中小企業白書2011」などによれば、現実の中小企業の取り組みは決して進んでいない。

 丸山氏は「米国などと比較すると、まずIT投資の目的意識そのものが遅れている。米国では顧客への付加価値向上を最優先してIT投資を考えているが、日本で最重要視されているのは業務の効率化だ」という。そして中小企業とIT活用の間にある、もうひとつの大きな溝を指摘する。

 経済産業省の「中小企業白書2011」によれば、「IT化」の取り組みについて「実施している」のは、「パソコンの導入」こそ97.2%だったものの、「ネットワークへの接続」は73.1%、未だに1/4以上は未導入だ。「クラウド化」に至っては4.3%に留まっている。  ITの活用、投資についての課題は、「自社に適したIT人材が不足している」が41.2%。「社員のIT活用能力、ITリテラシーが不足している」は32.4%だ。(出典:中小企業白書2008年度)このような状況はIT活用への障害となっている。


(出典:中小企業白書2011より、「生産性向上に関する調査」) 

 一方で、ITの活用を「経営の最重要課題として位置づけている」企業は45.9%が増収傾向、「経営課題ではない」とする企業は、増収傾向の割合が16.8%に留まっているというデータもある。 増収傾向だからIT投資をするのか、IT投資に積極的だから増収傾向なのか、という部分はこの数値だけで判らない。だが、好業績を背景にした積極投資という好循環を作り出せるかで、中小企業同士の格差が拡大するのは間違いない。


(出典:中小企業白書2008年度より、「ITの活用に関するアンケート調査」)

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