IT業界の営業パーソンを鍛えるセミナーレポート
IT業界の営業パーソンを鍛えるセミナーレポート
--IT企業のセールスマネジメントの落とし穴
IT業界の営業パーソンやマネージャーを対象にしたセミナーイベント「CNET Japan ビジネス・イノベーション・セミナーナーイベント~IT企業のセールスマネジメントの落とし穴(朝日インタラクティブ主催)」が11月9日に開催された。講師は「IT業界はソリューションセールスの進化が遅れている業界」と指摘する営業技術コンサルタント。
集まった参加者には著名なITベンダーの営業担当者、マネージャークラスの方も多数いた。平日夜にも関わらず盛況のうちに終了したセミナーの模様をお伝えする。

営業の本質とは?なぜ人は買うのか?
「こうしたセミナーの場で、営業ってなんですかと質問しても、正しく答えられるのは2割。営業がなぜ存在し、お客様と会社に何を提供すべきなのか--。今日お伝えする営業力向上のカギは、この原理原則そのものです」講師をつとめた営業技術コンサルタント・宇佐見亮氏は、冒頭でこのように問いかけた。
「単価が高く直接的な効果もイメージしにくいIT商材を買ってもらうためには、当然と思っていた営業の当たり前を見直し、顧客にどのような価値を提供できるか改めて考えて欲しい」と訴える。
頭では誰でも分かっていることを現実化させるノウハウ
今回のセミナーでは、営業を組織的に行なうために、誰でも目に見える形でのアプローチ方法と、その実践的な手法を解説した。個々の営業パーソンはもちろん、マネージャークラスの人間が営業チームのパフォーマンスを上げるうえでも、方法論を持って組織を運営することは大きな差別化要因になるという。
セミナーにて提起したのは、営業プロセスの各段階における「質」と「量」の最適化を意識すること。そのために必用なのは、営業のプロセスをもとに行動数値を見ていくこと、低い確率を上げていくスキルの工夫だ。
「これに対して、モチベーションとかやる気のマネジメントは極端に言えば不要。力のないマネージャーが頑張って上げているのは単なるやる気、勢いのみ。時間とともに下がってしまうだけのものだ」(宇佐見氏)
チームの営業力を底上げするリーダーに贈るノウハウ
プログラムの後半では、営業リーダーの立場から組織のパフォーマンスをいかに上げるか、といった内容に移っていった。予算計画と行動計画をどのように考えるべきか、というテーマもわかりやすく解説した。特に行動計画を重視する営業のあり方を強く訴え、「マネージャーが行動計画を重視するのは当然。営業パーソンも同じで、きちんとした行動計画もなく行き当たりばったりの営業をしているから、社内で上から降ってきた予算を受け入れるしかなくなる」と宇佐見氏が語ると、苦笑の声も会場から聞かれた。
「マーケットの変化が大きく、大手であっても決して安穏としていられないIT業界で、セールスマネジメントの落とし穴を再確認し、競争力を強化する一助になれば幸い」といった開催主旨のもと、IT業界の営業パーソン、営業マネージャーを対象に、3時間ほどで営業手法から行動計画までを解説した。
また協賛した株式会社ドリーム・アーツからは、同社代表らによる新刊書籍「IT断食のすすめ」が配布された。業務を効率化するはずのITに逆に振り回されていないか警鐘を鳴らし、組織力を取り戻す方法を提案する内容となっている。
アンケート結果(回答者49名)
- セミナーの内容が大変参考になった:37名
- セミナーの内容が参考になった : 9名
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