PENTAX Qの特長の一つに内蔵ストロボがある。収納時は本体に小さく収まっているが、レンズからかなり離れた位置まで立ち上げることが可能だ。ストロボがレンズに近いと、光の一部がレンズに遮られ、画像の一部が暗くなる「ケラレ」という現象が起きてしまう。このストロボ位置なら、これをかなり防ぐことができるだろう。
また、初めての人にこのストロボを見せると、一同に「かわいい」と言われる。パンタグラフのような出方がなんともかわいいのだ。しかも実用性も向上している。
カメラを選ぶ時にいつも気になるのがISO感度だ。カタログに書かれているISO感度には期待はずれのものもある。できるならば店頭でISO感度を最大にして試してみたほうがいいくらいだ。中には堪えられないほどノイズが出ているものもあるが、PENTAX Qは期待を裏切らない機種だ。
ISO6400までの設定が可能。ここまで上げると多少のノイズは仕方ないが、特別大きなサイズでプリントしない限り問題はない。薄暗い部屋でもストロボなしで撮れるので、ありがたい性能だ。ストロボが使えないシーンでもかなり威力を発揮し、明るければそれだけ速いシャッターが切れる。
せっかくかわいいストロボが内蔵されているが、高感度性能がカバーしてくれるので、あまり使うシーンはないかもしれない。内蔵ストロボは極力使わない方が良い。直接のストロボ光はそのまま反射してくるので、立体感や質感を損なうことがある。高感度性能を上げているのは、このあとに出てくるセンサー性能だ。
PENTAX Qには、1/2.3型の裏面照射型CMOSセンサーが使用されている。進化した画像処理技術と合わせて、高感度性能が実現したという。開発者に伺うとセンサーサイズを1/1.7型にするか1/2.3型にするか迷ったとのこと。1/1.7型の大きい方が理論的に良いと思っていたが、実験しているうちに、1/2.3型の方がノイズ特性が良かったと話していただいた。有効1240万という画素数も普通に印刷するのであれば充分だ。
第1回ということで、カメラを手にしたときに気になる点を書いてみた。今まで大型の一眼レフカメラを使っていた者からみて、画質の良さを維持しつつ、ここまで小型軽量化されたカメラに魅力を感じたし、カメラの使い方も変わってくるような気がした。仕事で請け負っているウェブ用の商品撮影にこのPENTAX Qを使ったら、このカメラの能力を知らない取引先はさぞ不安になるだろう。
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