生き残り戦略を模索する国内企業にとって、中国などアジア圏をはじめとする海外市場への取り組みは、依然として重要テーマであり続けている。ただ、ビジネスの拠点がグローバルに拡大することは、付随して多様なリスクやコストを生み出すことは忘れるべきでない。
例えば見落とされがちなもののひとつに「コミュニケーション」のためのコストがある。日本の本社と海外拠点との間は当然として、ビジネスの拡大に伴い、海外の顧客との間でも多くのコミュニケーションが発生する。そのコストは、商圏が拡大すればするほど、無視できない負担となっていく。また、サプライチェーンを機動的に連携させ、有機的に結合していく上でコミュニケーションインフラが不充分だとビジネス機会損出や生産性低下へとつながり、ビジネスに悪影響を及ぼす可能性もあるのだ。
こうしたグローバル展開に伴う、コミュニケーション手段の効率化、コミュニケーションコストの削減、リスク低減を考える際の手段のひとつとして「ユニファイドコミュニケーション(UC)」の導入がある。UCは複数のコミュニケーション手段を統合するもので、その需要は拡大傾向だ。リサーチ会社が発表した予測によれば、世界UC市場は2011年から成長基調を続け、2014年には350億ドル(1ドル=80円なら2800億円)規模に達する見通しだ。
そこで本稿では、その具体的なサービスとして、NTTコミュニケーションズが提供する「Arcstar ユニファイド・コミュニケーション・サービス」に着目したい。こちらは同社の「Arcstar Universal One」上で提供されるUCサービスの名称だ。現在、クラウド型コミュニケーションサービスである「UCaaS プラン」、拠点間の内線通信サービスである「Extension プラン」、より低価格な外線通信サービスを提供する「SIP Trunking プラン」から構成されている。なかでも「SIP Trunking」は、従来は見落とされがちだった”海外拠点での通話コスト”の削減を可能にするものだ。
「SIP Trunking プラン」は2011年5月末に提供が開始されたもので、同社の提供するVPN網から、世界237カ国のPSTN(公衆電話交換回線網)に接続して音声通話の発着信が行えるサービスである。世界最大級のグローバルIPネットワークをバックボーンとすることによる安定した品質と、高いセキュリティ、そして現地キャリアのPSTNサービスを利用した場合よりも大幅に低コストな通話料金を実現できる点がメリットになっている。また、「Arcstar Universal One」を利用し、音声とデータを統合することができ、TCO(※)削減にも貢献。毎月発生する、目に見えるランニングコストとしての通話料金を削減できることと合わせて、運用管理の目に見えないコストを低減することが可能だ。
※※TCO(Total Cost of Ownership):システムの初期費用、維持・管理などにかかる費用の総額
「SIP Trunking プラン」における通話料金の削減効果について、通話する地域によっては「70%以上」のコストダウンが可能になるという。
次回は、実際のユースケースを想定しつつ、どれだけのコスト削減が行えるかのシミュレーションを行ってみたい。また、コスト削減だけではない「SIP Trunking プラン」導入の利点についても紹介する。
尚、具体的なコスト削減シミュレーション例と「SIP Trunking プラン」の詳細は以下より資料をダウンロードすることができるので参照しておきたい。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」