ネットワークの環境の充実、各種クラウドサービスの普及などによって、いまやインフラ面においては、誰もが迅速にビジネスを立ちあげられる時代となった。
立ち上げたビジネスのステップを、確実なものにつなげるための起業支援プログラムとして、NTTドコモ・ベンチャーズが2013年2月からドコモ・イノベーションビレッジをスタートした。現在、第二期のプログラムが行われており、選考を通過した6チームが2014年3月26日におこなわれる「第二期Demo Day」に向けてサービス開発やプレゼンの準備に取り組んでいる。そこで今回は二回にわたり、同プログラムの紹介や参加ベンチャーの声、そして運営サイドの展望などを紹介していく。
ドコモ・イノベーションビレッジは、選考を通過した5~6チームが約4ヶ月の起業支援を受けることができるプログラムだ。応募資格は、原則として設立3年以内で従業員が10名以下の企業、または起業を目指している個人が対象となる。
現行のプログラムは、ドコモ社員(グループ会社含む)やすでに起業し成功している起業家やVCといった社外メンターからの開発・営業・経営に関する支援、社債引受による200万円の資金提供、24時間365日使用できる共同オフィススペースが無料で利用できる。作業環境として、ドコモのAPIの使用や試験環境の提供、Amazon Web Serviceなどのクラウド環境の提供、NTTドコモ・ベンチャーズが実施するイベントへの参加などが可能だ。
まずは、その雰囲気から簡単にお伝えしよう。
では、参加しているスタートアップの成長と、その感想はどうだろうか。
起業支援プログラムの二期生として現在進行形で参加している2社に話を聞いた。
アパレル業界を経て起業した代表取締役の今西良光氏は、アルバイトなどの非正規従業員の短期離職の原因として、従業員内のコミュニケーション不足が課題だと考えた。そこで、ソリューションとして多くのサービス業の現場で導入されている「サンクスカード」といったカード型のコミュニケーションツールのウェブ版を導入し、従業員の満足度の向上やサービス業の現場で行われている定性データを可視化し、経営に活かすことを目的としている。
ここにおいて今西氏は、ドコモという社会的に信頼性の高い企業からの支援は大きな魅力だったと話す。
「PozicaはBtoBで提供するサービスの為、いかに多くの企業に話を聞いてもらえるか、売り込めるかを日々考えています。そこにドコモのバックアップがあることは、条件として非常に有利。だからこそベンチャーでありながら大企業にプレゼンする機会を獲得できたという部分はあったと思います」と今西氏。同時に起業直後は、いかにサービスの基盤をつくり成長を促すかが重要だ。そうした点からも、充実した起業環境がプログラムにはあると語る。
「外部からの客観的な視点や、ビジネスとしての意見をもらえるのは大変ありがたかったと思います。週に1回の定例ミーティングを通じて、各社それぞれが進捗を報告しながら、プログラム同期同士で互いに切磋琢磨しています。定期的な場があることで、KPIの設定や振り返りをしながら、事業を進めていくことができると感じます」(今西氏)
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