オープンソースで構築する企業ポータル「Liferay」を知る--日本法人を新設、本格普及狙う

CNET Japan Ad Special2012年06月27日 11時00分

海外事例と国内戦略「将来はグローバル売上高の5~10%も」

 導入時において、既存のソリューションとの親和性が高いのも強みだ。
「クロス・プラットフォームであることもポイントです。マイクロソフトやOracleでポータルを実現しようとすると、ポータルの部分だけでなくデータベースやアプリケーションサーバも購入しなければなりません。しかしLiferayはオープンプラットフォームであるため、お客様がすでにお持ちのデータベースやアプリケーションサーバの多くをそのまま使うことができます。またLotus NotesやExchangeは、Liferayと連携して使われることの多いソリューションです。ポータルで一元的に情報を見たいという要望が多く、導入済のLotus NotesやExchangeのメールをポータルの中で使いたいというインテグレーションは多く見られます。カレンダーにも同じような要求があります。」(ハン氏)という。

参考:こちらはLiferayの海外における導入事例だ。ソーシャル機能、コラボレーション機能、CMS機能などを、それぞれ活用している。
シスコシステムズでは、デベロッパー等のユーザー同士のコミュニティで利用している。元々シスコシステムズ内やデベロッパーの中に散在していた技術情報をとりまとめる場として利用されたが、導入によって技術情報の一元化に成功した。また、デベロッパーがパートナーになる申請登録がポータルに用意されており、自動化されたワークフローでCRM等の社内システムと連携している。
第一三共のアメリカ法人もソーシャル機能をポータルと共に利用し、ナレッジ情報のシェアに活用している。米国法人だけでなくグローバル企業として、他拠点のワーカーが持つナレッジも共有を進める予定という。
トヨタがアメリカの若者向けに展開するブランド「SCION」でも、Webセルフサービスでの導入で利用されている。購入後の感想やカスタマイズ方法などがユーザーによって積極的に投稿される一方、メーカー側にとっても顧客の声(VOC)として有用な情報を得ることに成功した。
セサミストリートのWebポータルサイトではLiferayが採用され、様々なコンテンツの管理に役立てられている。幼い子供たちが感じたままに自分で操作し楽しめる優れたビジュアル性が特徴だ。1日に200万PVという大規模なサイトを4台のサーバで運営しており、Liferayの高スケーラビリティを証明しているという。

パートナー戦略を重視し、利用拡大を狙う

 7月に日本法人「Liferay Japan」を設立するLiferayは、これを契機にエンタープライズ版を推進し、グローバルの売上に対する日本の比率を、数年で5~10%程度まで引き上げることが目標だ。海外でエンタープライズ版を採用した大規模事例などの成功モデルをベースに、金融、通信、メディア、エンターテインメント業界での活用を提案していくという。日本法人は、国内市場に適した製品のリリースにも迅速に対応できるよう、マーケティングやサポート、デリバリー業務も展開し、本格的なソフトウェア会社としての活動がメインになるという。

 販売面においてはパートナー戦略を重視していく方針だ。日本でも、すでにパートナー経由でエンタープライズ版を利用している企業は数社あるというが、現在のところ大半がコミュニティ版の採用に留まる。

 「今後は日本法人とのパートナー契約を促進していきますが、すでにトレーニング等を行っているベンダーもありますし、アクセンチュアとはグローバル契約を締結しています。また正式なパートナー契約などをしているわけではないのですが、例えば日本では大手総合研究所が自社のソリューションにLiferayを組み込んで提供しているようです。オープンソースを集めてカスタマイズするソリューションの中で採用したものでしょう。こういう形は正しい使い方の1つです」(ハン氏)


 最期にハン氏は、国内にむけ次のようなメッセージを語った。
「ワールドワイドでは、あらゆる業界でLiferayが使われています。銀行や官公庁、教育期間でも採用されており、インダストリーのくくりなく利用できるものとなっています。我々はオープンソースということで、変化には迅速に対応できます。今までもお客様からのフィードバックを取り込み、そのまま製品化してきました。それを日本で使っていただくことも期待していますが、日本のお客様にどんどん使っていただき、日本のお客様からのアイデアを盛り込んだ製品を世界に展開できることも楽しみにしています」

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