オープンソースで構築する企業ポータル「Liferay」を知る--日本法人を新設、本格普及狙う

CNET Japan Ad Special2012年06月27日 11時00分

 「Liferay」は、ソーシャルプラットフォームやコラボレーション基盤、コンテンツ管理などの機能を提供するオープンソースの企業向けソリューションだ。同分野の選択肢として市場にはマイクロソフトのSharePointやIBM、Oracleなどの製品もあるが、Liferayはこの中にあって、商用オープンソース製品として地位を確立する希少な製品だ。ユーザーコミュニティも世界に散在しており、草の根レベルから大規模導入まで、ユーザー層の幅が広いことも特長である。そのLiferayは、7月に日本法人を設立し、国内で本格的な普及を目指す意向だ。同社のバイスプレジデント、Michael Han(マイケル ハン)氏に話を聞いた。

Liferay Vice President, Operations Michael Han(マイケル ハン)氏
Liferay
Vice President, Operations
Michael Han(マイケル ハン)氏

 「現在、全世界で25万サイトがLiferayで作られています。中にはモンゴルやナイジェリアといった、我々が拠点を設けていない地域での採用例もあるのがおもしろいところです。オープンソースのよいところで、誰でもダウンロードして使えるためビジネス展開していない土地でも使われます。それが企業レベルで使われるようになって行くと、エンタープライズ版への乗換えを推進して行くという取り組みを行うのですが、これも成長を促しているのでしょう。」
ハン氏は実例を挙げ、Liferayが持つオープンソースならではの”取り組みやすさ”を解説する。

 あらためて紹介すると、Liferayはポータル、ソーシャルコラボレーション、CMSの機能を提供する商用オープンソースアプリケーションのリーダー的製品である。パッケージの軽量さ、堅牢性の高いJavaプラットフォームであること、メンテナンス性やセキュリティの高さなどが特長だ。個々の市場におけるベンダー各社の相対的な位置付けを明らかにするガートナーの「Magic Quadrant」では、ビジョンの完全性、実行能力ともに高いと評価され、双方が最も高評価である「leaders」のカテゴリにマイクロソフトやIBM、Oracleとともにオープンソース製品としては唯一、同カテゴリに位置づけられている。

 Liferayのプロダクトは大きく2種類。1つはオープンプロダクトであるコミュニティ・エディションで、ダウンロードすればフリーで利用できる。もう1つは企業向けのサービスを備えた有料版であるエンタープライズ・エディションだ。両者は機能の大部分が共通しており、無料版では機能が限定的というわけではない。大きな違いは、企業向けシステムに求められる高い水準の品質が用意されている点で、セキュリティ、処理能力や拡張性など、より信頼性と安定性に優れた高性能のソフトウェアソリューションが提供される。また、エンタープライズ版であればサポート体制が24時間365日となり、メンテナンスも長期の対応が受けられる。

 「機能面においては、Liferayには「3つの柱」があります。まずソーシャル機能を持つポータルであること。次に、ポータル上でカスタマーサポートやマーケティングといった業務を横断したWebエクスペリエンスをシームレスに提供すること。もう1つは、ECM(Enterprise Contents Management)のニーズを満たすコンテンツ管理の機能です。これらが融合したアプリケーションプラットフォームがポータルとして提供されます」(ハン氏)

解説:Liferayは複数の機能を「ポータル」という形で提供している。
ソーシャルアプリケーションプラットフォーム ソーシャルアプリケーションを実装するための機能を提供する。
Webプラットフォーム WebサイトやWebアプリケーションを形成するためのソフトウェアプラットフォーム。
インテグレーション(統合)プラットフォーム 様々な既存のアプリケーションを一つのユーザ経験に統合する。ユーザーのアクセス権限ごとにコンテンツへのアクセスを制御。
コラボレーションプラットフォーム チームや企業全体のための業務を横断したWebサイトを開発することができる。
WCM(Webコンテンツ・マネジメントシステム)プラットフォーム Webコンテンツを管理するシステム。
定期的なコンテンツのアップデートや、申請・承認などのワークフローの自動化を可能にする。

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]