「全体のセキュリティレベルを下げるより、アプリケーションごとにセキュリティレベルを設定すると安全で使いやすくなります。
たとえば、カスペルスキーの場合ですと「推奨」モードがあるので、これに設定しておくと使いやすくなります。また、オンラインゲームをする際などは、Kaspersky 2009から『アプリケーションフィルタ』機能というのが加わりました。これはパソコンに入っているアプリケーションの信頼度を判定し、この判定結果に基づいたセキュリティレベルを自動設定することで、パソコンへの負担を軽くする機能です。ここで自動設定されたセキュリティレベルは手動で設定することもできますので、ユーザーの使いやすいセキュリティバランスにしていくといいと思います。」(横井氏)
「インターネットに接続している以上、どうしても危険性はありますから、スキャンを行わないというよりも、動作が軽いウイルス対策ソフトを使うことでの解決をおすすめします。
たとえば、Kaspersky 2009は自動的にリソースを配分する機能が付いています。ほかのアプリケーションを使っているときには必要に応じてスキャンを自動的に停止するので、低スペックのパソコンでも使えます。前バージョンに比べ、初回のスキャンが30%、2回目以降も86%速くなっています。」(横井氏)
「OSやブラウザーはWindows Updateで補修していくと思いますが、それ以外のアプリケーションなども、カスペルスキーならダブルでチェックしますから、見逃しがちなセキュリティの穴も防ぎます。
また、最近ではUSBメモリーからのウイルス感染が非常に多いのですが、USBメモリーをパソコンに挿したときにOSがデフォルトで行ってしまう、オートラン機能を止めるといったアドバイスもカスペルスキーは行います。」(小松氏)
「このほか、カスペルスキーの『システム設定診断』『セキュリティ診断』などはパソコンの脆弱性を判断し、いくつかの対応策を推奨してくれるので、以前変えて自分では忘れている設定を確認するといいでしょう。」(加納氏)
「SSL通信があれば必ずしも安心とは言い切れません。SSL通信のプロトコルを悪用して潜むウイルスも存在しますし、認証の期限が切れているところや、SSL機能を偽装している場合もあるので、セキュリティソフトによる自衛がとても重要です。
その点カスペルスキーにはSSLデータ通信をチェックする機能を持っていますし、フィッシングサイトへの対策もしていますから安心です。」(小松氏)
「家庭で使うパソコンには大事なデータを置いていないから、ウイルス対策は甘くてもいい、と考える人も多いと思います。しかし、たとえば仕事のデータを自宅に持ち込んだ場合、子供が勝手に入れたダウンロードソフトによって、自宅のパソコンがウイルスに感染し、重要なビジネス情報が漏洩しまうといった例が多く起こっています。家族の写真がネット上に流出するといったリスクもありますし、家庭のパソコンにもぜひセキュリティソフトを入れ、家族皆でセキュリティ・防犯には取り組んでほしいです。
カスペルスキーには有害サイトブロック機能ほのか、リアルタイムスキャンで侵入してくるウイルスをその場で捕捉するといった機能もありますから、家庭のパソコンも安心して使えるようになります。」(横井氏)
ジャストシステムから発売されたセキュリティソフト「カスペルスキー インターネット セキュリティ 2009」は、2年前に発売された同6.0、昨年発売された同7.0に続く製品で、ジャストシステムから販売されるようになって3作目となる製品だ。今回は特に高速化、性能強化が図られており、新たなウイルスへの迅速な対応や、急増するフィッシングサイト対策も行われている。
ウイルスの脅威については認識したものの、では具体的にどう対策を行えばいいのか? 普段のウイルス対策で間違えがちなポイントをピックアップして解説してみたい。実際にユーザーが行える最も効果的なウイルス対策はウイルス対策ソフトの導入だ。ここではセキュリティーベンダーであるジャストシステムの「Kaspersky Internet Security 2009」担当者に話を聞いた。