カスペルスキーが2008年6月の「ウイルスTOP20」および「オンラインスキャナTOP20」を発表した。メールトラフィック上における悪質コードの動向に大きな変化はなかったという。
ただし6月のウイルス傾向では、2001年に初めて検知された古参のワームである「Nimda」がランクインしたことに注目している。NimdaはメールだけでなくLANのネットワークドライブを通しても繁殖する複合型ワームであり、ネットワーク上のIISサーバを攻撃する。
さらに、メールトラフィック上に「Exploit.Win32.IMG-WMF.y」が現れたことにも注意する必要があるとしている。これは、メールクライアントによってはメディアコンテンツをユーザーの確認なしに表示してしまうため、メールを開くだけで悪質なコードが実行されてしまう。
ウイルスの上位は、「Email-Worm.Win32.NetSky.q」が34.2%で1位、「Email-Worm.Win32.Nyxem.e」が13.2%で2位、「Email-Worm.Win32.NetSky.y」が8.2%で3位となっている。また、感染メールの発信源となった国の上位は、米国が19.0%で1位、韓国が8.0%で2位、中国が5.8%で3位となった。
一方、6月のオンラインスキャナの統計では、Windows以外のプラットフォームを狙った悪意あるプログラムが3つランクインした。Symbian OSを対象にした古いトロイの木馬のひとつ「Trojan.SymbOS.Skuller」、ファミリーのトロイの木馬はMac向けのシェルスクリプトであり、DNSシステム設定を改ざんする「Trojan.Mac.Dnscha」などが入った。
オンラインスキャナの上位は、「Email-Worm.Win32.Brontok.q」が1.5%で1位、「not-a-virus:PSWTool.Win32.RAS.a」が1.3%で2位、「Trojan.Mac.Dnscha.d」が1.1%で3位となっている。
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