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テクノロジーがイノベーションをリードする世界で IBMがとる3つの戦略的アプローチとその未来像とは

既存システムと先進システムをバランスよくハイブリッドに融合

別井さて、IBMでは次世代IT基盤のコンセプト「エンタープライズIT」を掲げておられますが、このコンセプトはさきほどの3つの戦略的アプローチとどのような関係にあるのでしょうか。

金子氏さきほど戦略的アプローチとして、既存のIT資産の活用と、CAMSSなど先進技術の活用による企業のイノベーションを支援することをあげましたが、これを実現していくための中核となる考え方が「エンタープライズIT」です。

 従来からあるITは、効率性や迅速性を向上し、ROIを向上するために必須のものだと捉えられています。もちろん現在でも、多くの企業の基幹システムや業務アプリケーション、データベースとして重要な役割を担っています。私たちはこうしたシステムを「SoR(システム・オブ・レコード)」と呼んでいます。

 しかし一方で、より利益を向上するために新しい仕組みを採り入れ、ビジネスを変革することが求められています。例えば、SNSを活用して新しいチャネルを開拓したり、アナリティクスによって経営戦略を練ったり、クラウドやモバイルによって営業支援を行ったりというようにです。こうした新しいつながりを形成する仕組みを「SoE(システム・オブ・エンゲージメント)」と呼びます。

 最近の新しいビジネスモデルは、できるだけ早くスタートし、できるだけ早く利益をあげることが求められるケースがふえています。しかし、それに投資できるIT予算には限りがあるのが現状です。そこでIBMは、従来のSoRを活用しつつ新しいSoEをすばやく取り入れていくこと、つまり性質の異なるものをバランスよく活用できるようにすることを提案しています。それを実現するのが、「エンタープライズIT」の考え方なのです。

別井企業が成長を持続するには、従来のように効率性や費用対効果ばかりを追いかけるのではなく、新しい分野に積極的に取り組む必要があるということですね。実際には、旧来の仕組みと先進の仕組みを融合していくのは、非常に難しいように感じます。

金子氏おっしゃるとおりで、決して簡単にできることではありません。しかし、SoRを含めて得られた膨大なデータをSoEに生かしたり、SoEから得られた非構造型の集合知をSoRに生かしたりする仕組みを導入すれば、その活用領域が一層広がります。それが、分析と洞察の技術によって形成される「SoI(システム・オブ・インサイト)」です。データを価値のあるインフォメーションに変換し活用する仕組みにより、これを実現しています。

 これは非常に古くからある考えですが、技術的には非常に新しい仕組みだと思います。

別井今後は、ネットワークにつながる"モノ"にあふれ、ありとあらゆるものがデータ化されることになるでしょう。すると、CAMSSの中でも、「SoI」つまりアナリティクスの果たす役割が非常に重要になりそうですね。

金子氏そのとおりですね。すでに世界中のデータ量は、人が扱えるキャパシティを超えていて、何らかの形でITに頼らなければハンドルできなくなっています。したがって、これから重要となるのは、人間にはどうにもならないデータの洪水をどのように読み取って、価値のある情報へ変換するかというSoIの部分です。IBMは、そのためにさまざまな取り組みを実施しています。

 実は、データを収集したり、リアルタイムに判別したりするための技術は、すでに完成しています。例えば、監視カメラの映像は、以前は人が見て状況を確認していました。しかし今では、ソフトウェアで活動を識別して解析して、過去のデータと比較したり、新しい洞察を生んだりすることができるようになっています。

 このように、エンタープライズITにおいては、CAMSS技術が非常に重要な役割を担います。そして、それが私どもがCAMSSへの投資を強化している理由のひとつなのです。

提供:日本アイ・ビー・エム株式会社
[PR]企画・制作 朝日インタラクティブ株式会社 営業部  掲載内容有効期限:2016年1月31日